独立する前に最低限やっておきたい4つの準備とは？

会社に勤めている場合、会社の持つ資産に助けられることが多いです。たとえば、事業にかける資金は会社が保有していますよね。また、調査や戦略など手がけることが多くても、人材が豊富なため、同時進行が可能です。しかし、独立となるとすべてを一人で行わなくてはいけません。

そんな独立前にしておきたい準備とは何か？

• 自己資金の準備
• 開業費と運営費の試算
• 競合調査
• 複数の戦略構築

4つの観点からお伝えします。

自己資金の準備

自己資金は、最低でも100万円単位の自己資金を準備しておきましょう。目安としては、100万円から300万円ほどです。飲食店や美容室など、ある程度の初期投資を必要とする事業の場合は、500万円から1千万円くらいの資金が必要でしょう。

また創業融資を受ける場合、自己資金をどのくらい所持しているかが要件になります。こうした面から見ても、自己資金は必要といえますね。なお創業融資では、借りたお金や出所の分からないお金は自己資金に含まれません。

自己資金と見なされる資金の例は、

• 開業前の貯金
• 退職金や保険の解約返戻金
• 贈与されたお金

など。開業前からコツコツと貯金をしておくのが最もよいでしょう。自己資金が貯まるだけでなく、金融機関からの信用も得やすくなります。

開業費と運営費の試算

• 開業前の初期投資
• 開業後、運営にかかる費用（光熱費や家賃など）

これらの試算も欠かせません。

開業前の初期投資ですが、

• 資料やソフトウエアにかかった費用
• 名刺
• 打ち合わせにかかった費用

などは開業費に含まれるため経費にできます。「初期投資として考えている項目のうち、開業費に含まれるものは何か」について調べておくとスムーズです。

最も気を付けたいのは運営費。中でも、光熱費や家賃、税金といった定期的に発生する費用については試算が必須です。同時に、節約方法も模索しましょう。

また、急なトラブルが起こったり売上が出なかったりする可能性も考えられます。そうした状況に備えて、まとまった予備の資金も用意しましょう。

競合調査

• 自分が始めようとしている事業の競合はどこか
• 自分の事業内容にはどのような優位性があるのか

を確認します。競合調査によって、自社の製品やサービスをどのように展開すべきかが見えてくるはずです。それらは、以降の販路拡大や開発などにもよい影響を与えるでしょう。

複数の戦略構築

経営戦略は多いに越したことはありません。戦略が1つだけですと、うまくいかなかった際、再び売上を立てるまでに時間がかかります。しかし複数の戦略パターンを用意しておけば、うまくいかなくても別の案を実施することでリカバーが可能です。

また、戦略を実施している間に、調査や戦略の新規構築・改善を並行して行える仕組みを考えておきましょう。

• 現在の戦略でどのような効果が出ているか
• 問題や課題の発生具合
• 市場の現況

などを調査し、得られた情報を元に、戦略の新規構築・改善を実行します。端的にいえば、戦略を軸として下記のようなPDCAサイクルを回すのです。

• 戦略の構築
• 戦略の実行
• 戦略の評価
• 戦略の改善

開業後はやることも多いため、PDCAサイクルを回すのは難しいかもしれません。しかし、戦略は事業を左右する要です。
独立前に、

• どの時点で評価と改善を行うか
• 戦略の実施とPDCAサイクルを並行する方法

などを決めておきましょう。

独立前の準備は抜かりなく

独立前にしておきたい準備は4つ。

• 自己資金の準備
• 開業費と運営費の試算
• 競合調査
• 複数の戦略構築

しかし、どれもやることが多く、時間がかかります。抜かりなくかつ滞りなく進めるためにも、準備期間はできるだけ長く設けることをおすすめします。