バー経営の失敗談。成功者との差は何なのか?

バー経営の失敗談。成功者との差は何なのか?

目次

  1. 資金不足による失敗談
    1. どうすれば成功できた?
  2. 不要な改革
    1. どうすれば成功できた?
  3. 従業員に任せっきりにしてしまった
    1. どうすれば成功できた?
  4. まとめ

これからバーを開業しようと考えている人にとって、一度は頭をよぎるであろう「経営失敗」という言葉。
飲食店の実に35%は1年目での閉業に追い込まれるといわれています。
多くの人が開業の夢を見て、そしてはかなく散っていったということですが、一体彼らは何が原因でバーの経営を失敗してしまうのでしょうか?

今回はバーの経営失敗談を参考にしながら、その失敗の原因を分析していきたいと思います。また、それに伴いどうすれば成功していたのかについても考えていきましょう。

資金不足による失敗談

Aさんは長年の目標であったバーの経営に30歳になった時に乗り出しました。もしうまく行かなかった時のことを考えて、大学を卒業してからの8年間必死に働いて貯めた1000万円の資金を元手に経営を開始しました。
オープン当初は大阪のオフィス街に立地していたことも幸いして比較的客入りもよく、1ヶ月目から黒字で経営することができていました。Aさんは3ヶ月くらい、うまくいかないことを想定していたので、喜んで勢いに乗るべく資金を投資してアルバイトを雇用することにしました。

その後もオープンから半年くらいまでは順調に売上げを増やすことができていたのですが、6ヶ月目のある日を境に急に客足が遠のきはじめました。Aさんはこれに焦ってしまい、広告費や宣伝費を投下して遠のいてしまった客足を近づけようとしますが、これがうまくいきませんでした。

広告費宣伝費に費用を使いすぎてしまいストックしておくべき資金を使い果たしてしまったのです。しかも広告費を使っても得られた売上げは僅かなものとなってしまい、開業から8ヶ月で資金不足によって閉業を余儀なくされてしまいました。

Aさんのように客足が遠のくと焦ってしまうのは開業から1年目の人にとってよくある話です。
しかし、長年飲食店を経営している人は多少客足が遠のいたくらいでは焦ったりしません。なぜなら客の流れというものを理解しているからです。1年目はこの流れが読めずに焦って判断力が鈍ってしまい、余計なものに資金を使ってしまうことが非常に多いのです。

どうすれば成功できた?

Aさんの場合はオフィス街という好立地にバーを構えました。オフィス街というのは、新しい店舗はオープン需要が見込めます。ここでしっかりお客さんを捕まえる必要がありました。事業というのはパレートの法則というものがあり、多くの場合は売上げの8割は2割の顧客が生み出しているといわれています。

つまり、事業を長く継続していくためには常連客をいかに確保するのかということが重要です。オープン当初というのは慣れないことが多く、ドタバタしますが来てくれているうちに常連客を確保していかなければいけません。

Aさんの場合、お客様が来なくなってしまったことで焦って宣伝をする方向に走りましたが、常連客を確保できていればそうはならなかったはずです。

――あくまで結果論ですが…。

不要な改革

Bさんはバーをオープンして4年目です。オープン3年は負債もあり、苦労をしましたがある程度常連客もついて経営も安定してきました。
そんな平穏な日常が流れる中でBさんは考えます。「もっと利益を上げて2店舗目を出したい!」

Bさんはバーの利益を上げるために熱心に勉強しました。そんな最中、Bさんはとあるセミナーに参加し、「FL費を削減することで利益を出す方法を学びます。」Bさんはこのセミナーで紹介されていた成功事例を実践するべく、様々な経費削減に励みました。FL費とは、FがFood(材料費)、LがLabor(人件費)でその二つを足した費用のことを指します。

例えば、夏場は空調の温度を1度上げてみたり、食材をもっと安いところから仕入れてみたり、提供するお酒のアルコール度数を下げてみたり…。

こういった地道な努力が功を奏して改革から1ヶ月で前月比20%増の利益を達成することができました。

これに味をしめたBさんはさらなる軽費削減に励みます。――ところが次第にお客様の足が遠のいてしましました。お客様はBさんのお店で提供している料理やお酒の品質が下がっていることに気づいてしまったのです。

Bさんは「バーでの売上げが減っても利益を出せばなんとかなる」とFL費を絞り続けます。
最終的には利益を出すために人件費も削るようになってしまいました。すると料理の提供スピードや接客の質は著しく低下してしまい、これが決定打となって閉業に追い込まれます。

Bさんが失敗したポイントは皆さんもおわかりの通り、利益のみを追従してお客様目線に立たなかったことです。
お客様というのは、非常に小さな理由で店に来たり来なかったりします。

「今日お酒飲みたいなー。あー、でもいつも行っているお店は最近酒が薄いから今日は別のところに行ってみよう。」こんな思考を日々繰り返しているわけです。

Bさんは、食材を変えたりアルコールの度数を下げたりしてもバレないと考えていたようですが、食通でなくてもささいな変化には気づいてしまいます。

どうすれば成功できた?

Bさんの場合は、経費削減によって利益を最大化するのではなく売上げを増やす方法を考えるべきでした。
もちろん、軽費に無駄がある場合は工夫をする必要がありますが、その影響はお客様が関わるところに出てはいけません。

どうしても利益を上げたいのであれば、まずは自分を犠牲にすることを考えなければいけません。例えば、従業員の休みを一日増やして自分が代わりに出勤するなどの方法ですね。

ちなみにですが、従業員に負担を求めてしまうことがあってもいけません。お客様を犠牲にするのは言語道断。従業員を犠牲にするのは最終手段と考えましょう。

従業員に任せっきりにしてしまった

Cさんはバーの経営5年目となった年に2店舗目の経営に乗り出しました。
しかし、かねてから自分がカウンターに立っている1号店の営業も放ったらかしにすることができず、2店舗目は少し距離があったことも理由で従業員に任せがちになります。

そんな状況で、これまで3年間務めてくれた1号店の従業員が辞め、さらにCさんには時間的な余裕がなくなり2店舗目の経営を人に任せっきりしました。

2店舗目はオープン当初こそ赤字が出ない程度になっていましたが、どんどんと経営を悪化させていき、維持が難しくなってしまったのです。

Cさんの失敗の原因は、ズバリ「人に任せっきりになってしまった」ということ。
雇われている人間が店舗を切り盛りするのと経営者が自ら運営していくのとでは、天と地の差があります。

雇われているということは守られているということなのですから、お客さんが来ないからといって、本気で集客の方法を考えるような可能性は少ないのです。

「従業員なんだからそれくらい自分で考えてやって欲しい。」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば皆さんも他人が借金を抱えて悩んでいても本気で手を差し伸べたりはしませんよね?勤め人というのはそういうものです。

どうすれば成功できた?

2店舗目の展開というのは、なかなかうまくいかないものです。皆さんなぜか「1店舗目のお客様も来てくれるし大丈夫だろう」と考える方が多いです。
しかし、ほとんどの場合は来てくれないものだと考えましょう。
仮に、1店舗目の一部のお客様だけで成り立つならおそらく1店舗を拡大したほうが良いと思います。
そのため、1店舗目でも2店舗目でも1から始めるくらいの覚悟で行かなければいけません。筆者は2店舗目の経営に乗り出す人達を腐るほど見てきましたが、多くの場合それは失敗しています。外から見ていると面白いほど原因がはっきりしています。

  • お客様を持っているスタッフが一人しかいないため、そのスタッフのいる店舗にお客が集中する
  • 1店舗目のお客様がそのまま2店舗目に移ってしまい、1店舗目の客数が減少。ただの店舗移動に。
  • 2店舗を経営するも距離が遠すぎて管理ができなくなり、そのまま客足が遠のき閉店
  • 2店舗目に人気スタッフを配置するも1店舗目の客数が減少し、2店舗目も距離的な都合上売上もすぐに上がらず共倒れに…

多くの場合、「何が理由でお客様が来てくれているか理解できていない」「管理できる状態ではないのに2店舗目を出してしまう」ことが原因です。
特に1年目というのは常連客が少なく客入りが安定しません。
チェーン店のように店舗のブランドがある程度出来上がっているわけでもない限りは、やはり1から始めるくらいの覚悟が必要なのです。

まとめ

さて、ここでは3つの失敗事例についてご紹介してきました。
ここまで読んでいただいて、「なんだ、考えれば簡単な話じゃないか!」と思われる読者の皆さまもいらっしゃるかもしれませんが、いざ自分で経営してみるとなかなか客観的に冷静な分析ができず余計なことを色々してしまうものです。

他の記事でも何度がお伝えしているため、聞き飽きたかもしれませんが、「失敗」とはあくまで結果なのであって、諦めずに継続することができればそれは「成功への道」になります。「諦めたら試合終了」とはよくいったものです。

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