移動販売・屋台を始めるために必要な資格や許可について

移動販売・屋台を始めるために必要な資格や許可について

目次

  1. 移動販売に使う車は2種類
    1. 食品営業自動車
    2. 食品移動自動車
  2. 移動販売に必要な営業許可や資格は?
    1. 食品営業許可
    2. 食品衛生責任者
    3. 8ナンバー
    4. 運転免許証
    5. 道路使用許可
    6. 国土交通省の許可
  3. 移動販売を始めるための手順
  4. 仕込み作業についても考えておく

飲食品の販売形態と聞いて、何を思い浮かべますか? 多くは、店舗での営業でしょう。しかし、飲食店を開店するには物件費用、内装工事費、光熱費など初期費用がかさみます。そこで注目したいのが移動販売。自動車を使った移動販売なら、少ない資金で開業できるのです。

車を使った飲食品の販売には何があるのか、必要な許可や開業手順は何か、見ていきましょう。

移動販売に使う車は2種類

移動販売に使う車は、

  1. 食品営業自動車
  2. 食品移動自動車

の2種類です。

注意しておきたいのは、移動販売では、保健所からの許可は車に対して出されますが、これは各自治体で取得する必要があるということ。例えば新宿区で営業許可を取ったからといって、八王子市で販売を行うことはできません。――これは保健所の管轄が異なるためです。

食品営業自動車

クレープやたこ焼き、焼き鳥などの料理を自動車内で調理して販売する自動車。キッチンカーをイメージすると分かりやすいでしょうか。生ものは扱えず、調理や加工でできることも、温める・盛り付けるといった簡単なことに限られます。

営業許可は、

  • 喫茶店営業
  • 飲食店営業
  • 菓子製造業

のいずれかを提供する商品に応じて取得する必要があります。

食品移動自動車

車内で行うのは販売のみで調理は行わないといった自動車。移動スーパーや移動コンビニはこの形態です。販売を行うものはあらかじめ包装されている必要があり、食品営業自動車のように温める・盛り付けるといったことはできません。

営業許可は、

  • 乳類販売業
  • 食肉販売業
  • 魚介類販売業
  • 食料品等販売業

といったものがあります。

移動販売に必要な営業許可や資格は?

移動販売を始める際に、必要となる資格や営業許可についても知っておきましょう。

食品営業許可

店舗の有無にかかわらず保健所に営業許可を申請する必要があります。また、区域をまたがって営業する場合、管轄する各保健所で許可を取らなくてはなりません。許可には費用もかかります。手間や費用を考えると、自分はどこで営業するかあらかじめ定めておくとよいでしょう。

なお、食品営業と食品販売、規制が緩いのは後者です。許可が下りやすいのは食品移動自動車といえるでしょう。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、営業許可を受ける施設(車)1つにつき1人必要です。

  • 食品衛生責任者養成講習会の受講
  • 特定の資格を保持(栄養士や調理師など)

どちらかを満たすことで資格を取ることができます。

また、新しく資格を取った場合、2年ごとに食品衛生責任者実務講習会を受講し、資格の保持に努めなくてはなりません。

8ナンバー

移動販売車をつくるには、特定の構造要件を満たした上で、8ナンバーの交付を受ける必要があります。構造要件を満たせる車をつくる方法は2つです。

  • 自作
  • 専門業者に頼む

おすすめは専門業者に頼む方法。専門業者は、業態に合わせた設計や改造について熟知しています。プロの視点からアドバイスをもらえる場合もあるでしょう。

しかし、費用はかさみます。それでもプロに作成してもらったほうが、「許可が取りやすい」「営業しやすい」車に近付くのです。改造にかける時間や営業してからのことを考えるならやはりプロに委託するほうが安心です。時は金なりですからね。

運転免許証

当たり前ですが、運転免許なく自動車を運転するのは違法となります。

道路使用許可

道路上で販売を行う場合、警察署から道路使用許可を取得しなくてはなりません。許可の名前は、「3号許可」で、手数料は2千円ほどです。

国土交通省の許可

公園内で営業する場合、都市公園法(2章5条)が適用されます。公園を管理する団体や国土交通省に認可申請を行いましょう。

移動販売を始めるための手順

簡単にですが、移動販売を始めるための手順を振り返ります。

  1. 事業計画(いつどこで何をどのような方法で販売するのかを決める、開業資金についても計算しておく)
  2. 車両の改造計画を立案し、保健所に相談(相談なく改造すると、要件を満たせず改造後にNGとなる可能性が)
  3. 食品衛生責任者の資格を取る
  4. 車両の改造・車検登録(その際、保険についても調べておく)
  5. 営業許可申請をする(申請後、検査が入る)
  6. その他必要な許可をとる(3号許可や都市公園法の許可)
  7. 営業開始

人によっては、手順が前後したり追加したりすることも。周囲やネットから、実際に移動販売をしている人がどのような手順を踏んだか調べるとよいでしょう。

仕込み作業についても考えておく

食品を販売するに当たって仕込み作業が必要な場合、仕込み場所の確保と営業許可書が必要です。仕込み作業をする場所の確保には、

  • 飲食店に場所を借りる
  • 営業許可施設で展開するシェアサービスを利用する

などがあります。

しかし、保健所によっては「営業許可があるなら車内で仕込みを行っても良い」と判断する場合もあるので、保健所に問い合わせて確認してみましょう。その際、「自分は何を売りたいのか」その商品を明確にした上で、保健所に問い合わせると詳細な回答をもらいやすいです。もちろん、「車内ではだめ」といわれた場合は、それに従いましょう。

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