路上販売するにはどのような許可が必要?
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店舗を準備する必要のない路上販売は、誰でも気軽に始められるイメージがあるかもしれません。手作りのアクセサリーやスイーツなど、趣味を活かしたちょっとしたお店にチャレンジしてみたいならば、まずは路上販売でお客様からの反応をリサーチしてみるのも良いでしょう。
しかし、じつは路上販売には警察の許可が必要です。もし、食品を販売するならば保健所にも届け出をしなくてはいけません。また、どこでも好きな道路に店を広げられるわけでもない点にも注意しましょう。その他、路上販売をするにあたっての注意点などを紹介します。
路上販売に必要な許可と届け出
道路は言うまでもなく公共の空間です。道路交通法第76条でも、交通の妨害となるような方法で道路にみだりに物を置いたり、人や車を損傷するおそれのある物を投げたりするなどの行為は「絶対禁止行為」とされています。
一方、路上販売は無許可では厳禁ですが、警察に届け出をすれば行うことができる「相対禁止行為」です。道路使用許可の3号許可がまず必要ですが、食品を販売するならば、合わせて保健所への届け出もしなくてはいけません。
実際問題許可が降りない
道路使用許可は1号許可から3号許可まであり、それぞれ次のようなことを道路で行おうとする際に必要となります。
1号許可
工事または、それに類する作業。
2号許可
広告板、石碑、アーチなどの工作物の設置。
3号許可
場所を移動しない露店や屋台での路上販売。
このうち3号許可は、実際のところ、神社の参道のような場所を除き許可が降りることはありません。過去の事例を調べてみると、お祭りや花火大会などの地域のイベントがある時だけ例外的に許可してもらえることはあっても、個人の営利目的だけではまずNGです。
考えてみれば当然の話で、3号許可がそんな簡単に取得できるのなら、誰も物件を借りてお店を開こうなんて思わなくなってしまいます。――もし、皆さんが数10万円もする家賃を払っている目の前で同じような商売をされたらどうでしょうか? たまったものではありませんよね? こういった理由からも基本的に路上販売の許可は降りないのです。
それでは、路上販売をしたい人は、どのような場所で行えば良いのでしょうか?
路上販売の多くは私有地を借りて店を出す
道路使用許可が必要となるのは基本的に公道のみです。そして、道路には公道だけではなく私道もあります。たとえば、駅の敷地内にある道路は鉄道会社の私道なので、鉄道会社は警察に届け出をすることなく路上販売をすることができます。もちろん、鉄道会社の許可を得られれば、誰でも路上販売できるというわけです。
実際、路上販売の多くは私有地を借りてお出店しています。たとえば、駐車場を所有者と交渉して使わせてもらっている人も少なくありません。
また、路上販売にちょうど良さそうな空き地を見つけたら、まずは住所と地番を特定しましょう。地盤とは土地登記簿に登録するために土地に付けられている番号のことです。住所と地番がわかれば法務局サイトから所有者の住所氏名を確認できるので、連絡してみるというのもひとつの方法です。
リヤカーなら警察の届け出は不要
もし、警察に届け出をしたり、土地所有者の許可と取ったりといった手間をかけたくないならば、リヤカーを使うのもおすすめです。リヤカーがあれば路上販売ではなく「行商」と見なしてもらえるという裏技はご存じでしたか?
行商とは特定の店舗を持たず、顧客のところまで足を運んで販売をする小売業のことです。日本では中世からの歴史がある物売りの一形態で、江戸時代は天秤棒をかついだ行商人の姿が浮世絵などにも描かれています。
現代日本では公道での利用が許可されているリヤカーが行商に活用されています。人力だけではなく、自転車やオートバイでけん引できるのもリヤカーの便利なところです。
ただし、もし食品を販売するのであれば、やはり保健所への届け出は必要です。また、知らずに「なわばり」を荒らしてしまうと怖い裏社会のお兄さんからの取り締まりを受けるリスクもあることは承知しておいてください。
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