訪問介護事業に新規参入!お金、資格など…気になる「準備」の話

訪問介護事業に新規参入!お金、資格など…気になる「準備」の話

目次

  1. 1.介護起業は本当に儲かるのか?気になる利益率と年収
  2. 2.訪問介護を立ち上げるために必要な資金は500万~1,000万円
    1. 人件費
    2. 求人
    3. 運転資金
    4. 設備資金
  3. 3.使える助成金は使おう
  4. 4.資格、事務所など…開業までに必要な準備
  5. 5.よくある失敗例
  6. おわりに

訪問介護事業に新規参入するために必要な資金や準備についてご紹介します。訪問介護事業を開業するためには、人材の確保や数カ月間の運転資金として、500~1,000万円の資金が必要です。社会貢献度の高いビジネスへの新規参入を検討しているなら、ぜひ参考にしてみてください。

1.介護起業は本当に儲かるのか?気になる利益率と年収

社会全体で高齢化が進む中、訪問介護事業へ参入する経営者が増えつつあります。そんな訪問介護事業のオーナーの年収は、400~1,300万円と言われています。一般的には約720万円と言われていますが、400万円を切ってしまうケースも少なくありません。ただし、いずれにしろ高齢化社会へ突入する昨今の状況から、将来性のあるビジネスとして注目を集めていることに間違いないようです。介護事業の市場規模は、2025年には20兆円にものぼると言われ、現状の2倍にもなると考えられています。

2013年度の厚生労働省による「介護事業経営概況調査」において、訪問介護事業の利益率は3.6%です。訪問介護事業の利益率は、事業所の規模によって異なります。複数の事業所を営業する大規模なビジネスほど、利益率が高くなる傾向にあります。このように、介護ビジネスの利益率を高めるカギとなるのが回転率です。経営スタイルによっては儲けを出すことも可能ですし、社会貢献という観点からも非常に意味のあるビジネスだと言えるでしょう。

2.訪問介護を立ち上げるために必要な資金は500万~1,000万円

訪問介護事業を立ち上げるために必要な資金は、500~1,000万円です。事業の立ち上げに必要となる資金の内訳についてご紹介します。

人件費

訪問介護事業において必要不可欠となるのが、人件費です。介護サービスを提供する人がいなければ、介護事業は成立しません。人が集まらなければ、そもそも事業を始めることすらできないのです。また、回転率が高まるほど利益を出しやすくなるという意味でも、十分な人材を確保する必要性があります。

求人

現在、介護業界は人手不足の状況にあるため、ハローワークだけで人材を集めるのが難しくなっています。したがって、求人サイトや広告のための費用がかかることも考慮しておきましょう。思うように人材が集まらない場合を想定して、少なくとも1,000万円程度の開業資金があれば安心です。

運転資金

介護事業の売上は、サービスの利用者から1割が、介護報酬から9割が支払われます。このうち介護報酬は、サービス提供の翌々月末(3カ月後)に支払いが行われることになっています。つまり、当月の売上のほとんどが翌々月末まで支払われないということです。したがって、訪問介護事業を開業した月は、入金がない状態になります。この状態で数カ月営業ができるように、開業前に500万円以上の運転資金を備えておきましょう。

設備資金

訪問介護以外の介護事業では、施設の設備を整えるために多額の設備資金がかかります。しかし、訪問介護事業は基本的に顧客の自宅でサービスを提供するため、他の介護事業ほど設備資金がかからないという特徴があります。このような特徴から、新規参入しやすいビジネスだと考えられています。

3.使える助成金は使おう

訪問介護事業を開業するにあたって、利用できる助成金はなるべく活用しましょう。たとえば、「特定求職者雇用開発助成金」は、60~65歳の求職者を雇うことで受給できる助成金です。訪問介護事業に不可欠な人件費のサポートができます。また、「生涯現役起業支援助成金」は、中高年者が起業して雇用機会を作ったときに受け取れるというものです。他にも、高年齢者を有期契約から無期雇用へ転換したときに受給できる「65歳超雇用推進助成金」などがあります。

4.資格、事務所など…開業までに必要な準備

訪問介護事業を開業するまでに必要となる準備についてご紹介します。まずは、事業を始めるための法人を設立します。株式会社で約3週間、NPO法人で3~5カ月、一般社団法人で約1カ月の期間がかかります。

法人を設立したら、訪問介護事業の開業に必要な、損害賠償保険に加入します。申請をしてから加入までは2週間ほどかかりますから、事業所の所在地が決まり次第、すみやかに手続きを行ってください。

その後は従業員を雇い入れます。事業所に必要な事務用品を用意し、オフィスとして機能する状態を整えましょう。こうして準備が整ったところで、訪問介護事業の指定申請を行うという流れになります。

5.よくある失敗例

訪問介護事業の開業失敗例としてよくあるのが、開業資金を調達できないというパターンです。十分な自己資金を確保できなかったり、融資を受けられなかったりすると、開業してもいずれ運転資金に困ることになります。

また、人材を十分に採用できないという例もよくあります。求人による人材確保だけでなく、人脈を駆使して家族や友人知人に協力してもらうなど、人材の確保に努めましょう。

利用者を獲得できないという例も、注意が必要です。開業したばかりの数カ月は、特に利用者が不足することが予想されます。利用者が安定し介護報酬が入金されるまでの運転資金を、しっかりと確保しておきましょう。

おわりに

訪問介護事業への新規参入では、十分な資金と人材の確保が重要となります。介護事業は将来性のある業界で、そんな中でも訪問介護事業は比較的新規参入しやすいと言われています。他の業界と異なり、介護報酬の支払いが3カ月後になるなどの特徴がありますから、少なくとも数カ月は問題なく経営できる資金を用意しておきましょう。

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