バーを開業する時に必要な資格や許可
目次
利益率が高く人気の業種であるバーを開業したいと考える人は多いのではないでしょうか。そんなバーを営業するためには飲食店営業許可だけでなくさまざまな許可を出さなければならないことがあります。
今回は、バーの開業に必要な資格や許可についてまとめてみましたので、どのような資格が必要なのか確認してみましょう。
バーの開業に必要な資格や許可まとめ
バーの開業にはどのような資格や許可が必要なのか簡単にチェック。後ほど詳しく解説していきます。
- 食品営業許可申請
- 新たに営業を開始する場合は保健所に営業許可申請を提出する必要があります。保健所の場所は各自治体で違うので要注意です。
- 食品衛生責任者
- 保健所から営業許可を得るためには食品衛生責任者を配置する必要があります。6時間の講習を受けることで資格を取得することができるため、通常は代表が資格を取りますが、雇用する従業員に衛生責任者がいる場合でもOKです。
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届
- 多くの場合バーは0時以降も営業をすることになると思います。0時を過ぎて種類を提供し続ける場合には警察に届け出を出しましょう。
- 特定遊興飲食店営業許可
- 0時を過ぎてお客様に遊興をさせるためには許可が必要です。ここでいう遊興とは、ゲームやカラオケ、ダンスや演奏といったさまざまなことが該当します。
- 防火責任者選任届
- 店舗収容客が30人以上の物件――席数が30席以上の店舗は消防署へ届け出る必要があります。
ざっくり必要な許可や資格は上記の5つとなります。以下ではこれら一つずつ詳しく説明していきます。
食品営業許可申請
飲食店は食品を取り扱う業ですから、食品衛生法または東京都食品製造業等取締条例に基づく営業許可を受ける必要があります。
食品営業許可申請の流れ
1.事前相談
施設の構造によっては許可が得られない可能性があります。そのため、内装工事を入れる場合は着工前に設計図を持参して保健所に相談してみましょう。工事完了後にNGが出てしまった場合は工事費の数百万円が無駄になってしまいます。
居抜き物件の場合でも購入前に念の為事前に相談しておくことをおすすめです。
2.営業許可申請書類の提出
申請書類は施設工事完成予定日の10日くらい前までに提出しましょう。
事前相談をしてOKが出たからといってそのまま営業してはいけません。お役所ですからしっかり申請が求められるでしょう。書式に関しては事前相談に行くともらうことができると思いますが、なくしてしまった場合も各自治体や保健所のHPからダウンロードすることができます。
3.施設完成の確認検査
申請にあたって現場検査が入ることがあります。検査の際には立会いが必要になりますので、書類提出のタイミングで保健所とスケジュールをあわせておきましょう。
4.営業許可書の交付
施設基準適合確認後、1週間ほどかけて営業許可書が作成されます。営業許可書は食品衛生の窓口で交付されるために受け取りにいく必要があります。
食品衛生責任者
食品営業許可書を受け取るためには食品衛生責任者を配置する必要があります。この資格を取得するためには6時間程度の養成講習会を受講するだけでOKです。
養成講習会は毎日開催されるものではありませんので、自宅付近の会場で開催される日程と営業開始のスケジュールを逆算して受講するようにしましょう。
例外として既に調理師や栄養士などの資格を取得している場合、食品衛生責任者と認定されるため、講習を受ける必要はありません。
深夜酒類提供飲食店営業開始届
バーを深夜0時過ぎて営業する場合は警察に届け出を行う必要があります。この届出は難易度が高いといわれており、ローカルルールがあったりするため素人が甘く見てチャレンジすると再提出、再々提出…と何度も警察署に通う人も少なくはないようです。
そのため自分で届け出を行おうとしても最終的には行政書士に頼む羽目になったりもします。
フォーマットに関しては警視庁の公式HPからダウンロードすることができます。
簡単そうに見えますが、例えば以下のような注意点があります。
一室の広さは9.5㎡以上
この「一室」は、私達が「一室」だとみなさないような部屋でも「一室」として数えられることがあります。例えば神奈川県では「一室の中のどこにいても一室全てが見渡せる」ことが条件になりますが、一方東京都では「室内のどこか1箇所から部屋全体が見通せればOK」とされています。
このようにローカルルールもあるため構造によっては壁を取り除くか、レイアウトを変更しなければならなかったりします。
騒音、振動の数値が地域の条例で定める数値以下でなくてはならない
カラオケを設置する場合は壁の材質やドアの種類などについても記載しておく場合もあります。しっかり騒音をカットできるということをアピールする必要があるためです。
こういった細かい部分にまで配慮して記入していく必要があるため、行政書士のような専門家に委託しておくほうがスムースに届け出を提出できるのです。
特定遊興飲食店営業許可
0時を過ぎてお客様に遊興をさせる場合は警察から許可を得る必要です。この遊興とは、以下のようなものであると警視庁で定義しています。
① 不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為
② 不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
③ 客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
④ のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
⑤ カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
⑥ バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為
⑦ 上記の他、営業者側の積極的な働き掛けにより不特定の客に遊び興じさせる行為
警視庁HP
例えばお客さんが勝手にダーツを始めたりカラオケを始めると、これも遊興にあたります。深夜0時を過ぎてダーツバーやスナックを営業する場合、この特定遊興飲食店営業許可を警察に届け出る必要があります。
ここで注意しておきたいのは、遊興とは別に「接待」という行為があるということ。「接待」を行うと風俗営業法の規制対象となり0時以降の営業ができなくなります。
具体的には「お店が暇だからダーツでもしますか?」とお客さんと従業員がダーツをすることになると、接待とみなされ警察から指導が入ることになります。
他にもお客さんが歌っているカラオケの曲に合わせて手拍子をしたり、お客さんのカラオケに「上手ですね」ということも接待に当てはまります。現実問題として、警察も目を瞑っているところではあるのですが、全国のダーツバーやガールズバー、ゲイバーは警察が検挙しようと思えば検挙できるお店なのです。
届け出の種類には複数パターンがあるので、警視庁のHPを確認してみてください。
防火責任者選任届
店舗収容客が30人以上の物件では防火責任者選任届を消防庁に提出する必要があります。
ここでいわれる店舗収容客数とは、単純に席数で数えれば30席になるのですが、例えば長椅子を置いている場合、0.5㎡で1名が収容されると計算できます。例えば3メートルの長椅子を設置している場合、その椅子に6名が収容されるという計算になるのです。
また、店舗に客席がない場合には面積で計算されることになります。このときも0.5㎡で1名が収容される計算となるため、15㎡以上のお客様用のスペースがある場合には届け出が必要ということに。
防火責任者選任届のフォーマットは各自治体の消防庁HPからダウンロードすることが可能です。
まとめ
このようにバーを開業するためには飲食店営業許可以外にもさまざまな許可が必要です。特に深夜営業に関する書類は開店するエリアやお店の構造によっても書き方が変わってきます。
警察も担当によっては冷たい対応をする場合もあるようで、警察に届け出を行う書類はいつまでたっても許可がとれないなんてこともあります。スムースに開業の手続きを進めるためには行政書士に相談してみるのも一つの手段です。
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