スケルトン物件で飲食店の内装工事はいくらかかる?

スケルトン物件で飲食店の内装工事はいくらかかる?

目次

  1. 内装工事には1坪60万円前後
  2. 内装工事を入れる前に保健所に相談を
  3. できるだけ居抜き物件を探すようにしよう
  4. まとめ

スケルトン物件とは、居抜き物件とは異なり、躯体だけの状態です。借りていた人が、原状回復契約に従って内装もすべて元に戻しているため、コンクリート打ちっぱなしの状態となっています。テナント物件の場合、ほとんどがスケルトン物件です。スケルトン物件は、内装や設備が残っている居抜き物件とは異なり、自由度が高く自分好みの内装にできる所が大きなメリットでしょう。

ただ、内装をするためにはそれだけ資金が必要です。開業時、スケルトン物件で内装工事をするとなれば費用はいくらかかるでしょうか?用意している資金に余裕がなければ、居抜き物件のほうがよいケースもあります。スケルトン物件の内装費用について知っておきましょう。

内装工事には1坪60万円前後

スケルトンと居抜きを対象に内装工事を検討する場合、どれぐらいの費用が想定できるでしょうか。一般的に、坪単価の相場では、スケルトンの場合一坪約60万円前後ほどです。

60万円を想定し、20坪の店舗で内装をフル工事するとなれば約1,000万円程度になります。ただし、坪単価は規模により上下することは考慮に入れておかなければなりません。居抜きだと、一坪約10万円~30万円程度になり、約20万円と想定して単純計算で考えれば20坪だと約400万円ほどとなります。

もちろん、業態によっては必要な設備もかかるのでその点も考慮に入れなければなりません。ある程度の目安として、一般的に居抜き物件よりもスケルトン物件のほうが一からすべてしなければならないので高くなる傾向にはあります。ただし、物件次第では例外もあり、居抜きでも例えば異業種だと追加工事が必要となり費用がかさむ場合もあるでしょう。結果、スケルトンで一から工事したほうが安くなったというケースも0ではありません。しかし、あくまで例外と考えたほうがよいです。

内装工事を入れる前に保健所に相談を

スケルトン物件で飲食店を開業するとき注意したいのが保健所の許可です。スケルトン物件は、自分好みの内装にできますが保健所の許可について考えておかないと、すべてムダとなる可能性があるので注意してください。

一般的な飲食店では『飲食店営業許可』が必要で設備や構造についての要件が法律で定められています。どのような要件を満たしていればよいか、細かい部分に関しては、各都道府県、そして保健所ごとにローカルルールが設けられて異なる場合があるので注意してください。

例えば、水はけのよい床構造かどうか、シンクのサイズまで細かく決めている保健所もあります。厨房やトイレに、規定サイズの手洗器があるかどうかなど決められている所もあるのです。厨房と客室が扉で分けられているかどうかチェックされるケースもあります。さらに、食器棚に戸があるかどうか、厨房にゴミ箱があるか、冷蔵庫に温度計はあるかどうか、換気や害虫や害獣対策、更衣室の有無など、本当に細かい部分までチェックされるのです。

どちらにしても、内装工事をしてから保健所から営業許可がおりないという最悪の状況にしてはいけません。手間はかかるかもしれませんが、保健所は店がおしゃれかどうかより、衛生という観点からチェックしています。どんなにおしゃれな内装でも、衛生面で問題があれば、飲食店の場合、下手をすると食中毒の発生リスクが高まるので注意してください。内装工事前に、要件を細かく聞いておいたほうが得策です。

できるだけ居抜き物件を探すようにしよう

飲食店を開業する場合、居抜きにするかスケルトンにするかは大きな問題となります。飲食店の開業資金でいちばん負担がかかるのは、内装工事です。資金に余裕があるなら、スケルトン物件でもよいでしょう。

しかし、開業資金がギリギリであるなら、居抜き物件を探したほうが無難かもしれません。同じ飲食店の場合、居抜き物件なら、設備の購入費を節約できます。飲食店では、排気口や厨房など、設備費用がかさむ可能性が高いです。スケルトン物件だと、すべて最初から作り上げていく楽しみはありますが、坪単価60万円ともなれば20坪のお店でも約1,000万円以上の費用がかかります。

一方、居抜きなら高くても坪単価30万円程度で内装工事が行えるため、スケルトンより開業資金の節約が期待できるのです。起業リスクを考えた上で、スケルトンか、居抜きがよいのか決断しましょう。

まとめ

スケルトン物件は自分のカラーを全面に押し出したお店を構築できます。センスがよければ、内装に惹かれてリピーターが増える可能性も0ではありません。

ただし、設備も含めた工事が必要になるので、どうしても費用がかかることは覚悟しておかなければならないでしょう。一方、居抜きだと、同業種でしたら設備も含めた内装をそのまま使えることが強みです。ただ、自分のカラーを出したいという場合には、我慢しなければならないことも多くなるかもしれません。

その分、費用が節約できるのは大きなメリットです。スケルトンも居抜きも、それぞれメリットもデメリットもあります。開業するならその点も含めて考え、納得の行く選択をしましょう。

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