必要な資金は?儲かるの?パン屋さん開業の夢を叶えよう
目次
多くのお客様に「美味しい」と言ってもらえるようなパンをつくり、客足の絶えない人気のパン屋を独立して経営したい――そんな開業の夢をお持ちの方。
まずは現実的に計画を立てて、パン屋としての独立を着実に実現させましょう。パン屋として独立・開業するために必要となる資金や、パン屋がビジネスとしてどのくらい儲かるのかについてお伝えします。
パン屋経営ってどのくらい儲かるの?
独立し、個人事業主として開業した場合のパン屋の年収は、平均で350万円程度と言われています。したがって、月収は30万円程度です。ただし、こちらの金額は店舗の立地や営業時間といった条件によって異なります。
そもそもパンを販売することによる利益率はそれほど良いわけでなく、原料の小麦粉は、昨今価格が高騰する傾向にあります。また、仕込みに時間がかかるため、必然的に朝早くから勤務する必要があり、労働時間も長くなります。
しかし、有名店や人気店となって売上が伸びれば、大きな儲けを出すことも難しくありません。パン屋を開業し、経営でそれなりの儲けを出したいのであれば、お客様からの人気を集めるための工夫が必要となります。
人気のパン屋さんを目指すための5つのポイント
儲かるパン屋さんはどのようなことを考えて開業・経営を行っているのでしょうか?人気のパン屋をつくるために工夫するべきポイントをご紹介します。
立地
多くの顧客が訪れるパン屋をつくるためには、まず立地を厳選しましょう。開業して店舗をだす場所の半径2キロ圏内の人口を調査し、実際にその地へ足を運んで客層を確かめることが必要です。
パン屋の顧客となる人の多くは店舗をだす地域の近隣住民ですので、パン屋を始める前に必ず確認しましょう。
定番商品
定番商品は、店舗の半径2キロ圏内に暮らす近隣住民のニーズに合わせてつくります。ブームになるような商品ではなく、多くの人が長く買い続けるような商品を開発してください。その際は、日本でベスト3に入る店舗の味を研究するとともに、ひとつの定番商品の開発に集中して力を注ぎましょう。
販売方法
いくら色々な種類の魅力的なパンを開発してお店に置いても、開業した店舗の知名度が低くては、顧客を獲得するのが難しくなります。新メニューのパンは販売日前にポスティングを行うなどして、なるべく多くの人に店舗の存在を認知してもらいましょう。
また、あえてパン屋に行列をつくるというのも、近隣住民から注目を集めるためのひとつの営業手段です。お店の中に多くの顧客が集まると、それを見てさらに顧客が集まります。ただし、行列に並ぶ顧客にはもれなく商品がわたるようにするなど、クレームを引き起こさないための配慮が必要です。
パンの企業向け販売
近隣住民だけでなく、企業向けにパンを販売するというもあります。店舗の半径2キロ圏内にある企業をリサーチし、ランチタイムやおやつタイムの定期配達サービスを提案してみてください。あるいは、近隣の学習塾を対象に、夜食向けのパンの配達サービスを提案してみてもいいでしょう。地域住民だけが利用するパン屋さんとしてではなく、企業向け販売、も確立できると、安定した収入につながります。
認知度向上と顧客維持
テレビや雑誌やネット記事といったメディアに露出すれば、パン屋の知名度を一気に向上させることができます。また、フランチャイズ展開をすることでブランドとしての価値を確立し、より広範囲の顧客から認知されるパン屋をつくることも可能です。SNSで店舗の公式アカウントを運営して定期的に新作のパンなどの情報を発信すれば、新たなファンの獲得と顧客維持の効果が期待できます。
パン屋開業のための資金とは?
パン屋を開業するために必要となる資金についてお伝えします。
・物件確保:50~200万円
店舗の物件確保のためには敷金・礼金・家賃1~2カ月分が必要です。
・内装工事、外装工事:400~800万円
店舗の内装デザインのためと、業務環境を整えるために工事費用がかかります。
内装が完成している居抜き物件を使えばある程度の費用の節減はできます。
・厨房機器・業務用備品:400~800万円
オーブン・ミキサー・フライヤーなどの業務用設備を揃えます。
・運転資金:100~200万円
パン屋を開店してからの家賃・光熱費・人件費などお店の経営を続けるための資金です。
・その他:20~30万円
開業後の急な出費にも余裕を持って対応するために多めに資金を用意しておきましょう。
上記を合計すると、開業前に用意しておきたい資金は750〜2,000万円程度です。思ったよりもパン屋の開業資金は高いな、と感じる方も多いのではないでしょうか?パン屋は数ある飲食店の中でも初期費用が必要になる部類に属しています。パンを焼くオーブンなどの機材が高額なことも原因です。
そして店舗のデザインをどれほど凝ったものにしたいかによって大きく工事の費用が異なってきます。
壁紙の張替えから照明など内装から施工までこだわればこだわる程、費用は高額になります。
逆にタイミングよく居抜き物件を見つけることができれば、コストダウンさせることも可能です。
なお、パン屋などの小売業であっても国からの補助金や助成金(いずれも原則返済不要)は受けられます。
開業の際には、こうした助成金制度を利用し資金調達を行うのもオススメです。
パン屋開業のために必要な資格と手続き
パン屋を開業するための手続きとしては、まず保健所での「営業許可の申請」と「食品衛生責任者資格の申請」が必要です。食品衛生責任者の資格は、施設の衛生管理、従業員への衛生教育を目的とした資格です。講習を受ければ、資格が得られます。なお、講座の受講料は、1万円程度です。いずれも開業前に必須で必要な手続きです
そして開業後1カ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」の書類を、開業後2カ月以内に「青色申告承認申請書」の書類を提出します。
おわりに
独立して開業したパン屋さんの年収は、平均で350万円程度です。また、パン屋を開業する前に用意しておきたい資金は750〜2,000万円程度となっています。パン屋は利益率がそれほど高くないため、儲けを出すためには人気店舗となるための工夫と努力が必要です。経営の知識なくただ熱意だけで独立をしても必ず苦労します。
パン屋ビジネスとして成功させるために多くの顧客を獲得するための立地の厳選と、顧客に長く愛される定番商品の開発、SNSの駆使など、店舗を出す前から念入りに準備をしておきましょう。
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