フランチャイズで独立!のはずが…開業する前に知っておくべき7つのデメリット
目次
フランチャイズは個人で独立する場合と比べて既存のブランド力を利用できたり、仕入れルートを開拓する必要がなかったりと、様々なメリットを享受できる起業の方法です。――しかし、一方でデメリットがあることも理解しておかなければいけません。
今回は、フランチャイズで開業をする前に知っておくべき7つのデメリットについて解説していきたいと思います。
フランチャイズのメリット
フランチャイズは、一から自分で店舗を構える場合と比べてすでに出来上がったブランド力を利用することができるため、様々なメリットがあります。
例えば、人材の確保。最近は労働問題が叫ばれており、労働者も「しっかり料金が支払われるところで働きたい」と考えています。そのため、聞いたこともない店名で働くよりも、馴染みのある信頼できる店で働きたいと考える人も少なくないです。
また、顧客から見たときもそれは同じですね。新しくできたよくわからない店舗よりも、見知った店舗のほうが「お、近くにあのコンビニできたんだ。便利じゃん。」と思ってもらいやすいです。
加えて、広告や集客については本部が担ってくれることもメリットです。例えば皆さんが独立してすぐに数千万円のテレビCMを打つことなんてできないですよね?
そのため開業してからスタートダッシュを切りやすいのです。人材不足で悩まされたり、開店しても全くお客さんがきてくれないというリスクは少ないです。
フランチャイズの7つのデメリット
一方で、他人の箱を利用するということはデメリットになることがあります。以下ではそのデメリットについて一つずつ詳しく解説していきたいと思います。
1.自分と関係のないところでブランド力が低下する
フランチャイズ経営では一部の店舗で労働問題や食の安全問題が浮き彫りになった時に、あなたの店への客足も遠のいてしまいます。
例えば東京でフランチャイズ経営をしている場合に、沖縄で同じくフランチャイズ経営をしている誰かが問題を起こしてしまうと皆さんの店にまで影響が出てしまいます。
そのため真面目にコツコツ取り組んでいたのに、他の誰かに足を引っ張られてしまった…ということになりかねないのです。
最近はSNSの普及によっていとも簡単に炎上するようになってしまいました。この炎上によって、「あなたの店教育どうなってんの!?」なんて知りもしない言いがかりをつけられたりする可能性だってあるのです。お客様からすれば、沖縄店だろうが新宿店だろうが、フランチャイズだろうが直営店だろうが関係ないのです。
2.融通が利かない
フランチャイズは良く言えば「マニュアルが整っている」のですが、同時に融通が利かないとも言えます。これは例えば仕入先の変更。近くにもっと安い仕入先が見つかったとしても、これを変更したりすることはできません。
つまり、ある程度本部から縛られた状況の中で経営をしていく必要があります。いかに経営者とは言えど、何でもかんでも自由にできるわけではないのです。例えば経営をしていく中で勉強も熱心な読者諸君などは、「もっとこうしたら利益が出るのに」などと考えることになってしまうかもしれない。
3.ロイヤリティを支払う必要がある
フランチャイズでは、そのブランド力や整えられたノウハウを利用できる代わりに毎月ロイヤリティを支払う必要があります。ロイヤリティは例えばその月に赤字が出たとしても支払なければならない場合もあります。
中にはブランド力に見合わないロイヤリティを求める会社もあるため、注意が必要です。
さらに、地域によって知名度が全然異なる場合もあります。例えば関西では有名な某イタリアン料理のファミリーレストランは、関東に来るとほとんど店舗がありません。このため知名度が低いのです。筆者は大阪から23区内に上京した人間なので、関西では「どこいく?とりあえずサイゼいく?」くらいの会話がされていたものが、東京に来てみるとそのような会話は一切されません。
4.見込める利益には限界がある
本部が定めたマニュアルに従うということは、出せる利益には限界があるということでもあります。
例えば居酒屋チェーンのフランチャイズであれば、一つのテーブルで売上を出せたとしてもせいぜい2万円程度です。ところが個人経営の場合はサービス次第では数10万円の売上を出すことだってできます。
決められたメニューを決められた価格で提供するのですから、利益はある程度頭突きになってしまうのです。
5.努力しても報われにくい
フランチャイズ経営ではマーケティングやPRのノウハウを駆使して努力して集客したとしても、報われにくい傾向にあります。
なぜなら何かの努力をしたところでその活動が還元されるのはフランチャイズの親元のブランドだからです。
個人経営の店なら、例えばお客さんの前で個性的なキャラを演じてみることで、それが話題になって集客が見込めるかもしれませんが、フランチャイズでそんなことをやってしまうと、「ヤバイやつ」と認定されてしまいます。
ブランドを自分で育てていくことができないということは、少しまどろっこしいかもしれませんね。
6.競合避止義務
フランチャイズ経営を一度行ってしまうと、同業種での営業ができなくなってしまうことがあります。これはノウハウを盗み逃げされることを防止するためです。
そのため、まずはフランチャイズで経営してみて、最終的に個人店を持ってみようと計画をしていると、その夢が潰えてしまう可能性もあるのです。
フランチャイズは気軽に始めることができる開業の方法ですが、だからこそ気をつけておくべきこともあるのです。
7.お客様との距離は遠い
筆者としてはここが最も大きな問題だと考えています。チェーン店では、顧客とのコミュニケーションはかなり薄いです。お客様も「濃い接客を受けたくない」という身構えでチェーン店に入るためです。
お客様との距離が遠いと、雇われとしてやっているのと何も変わらないのです。個人経営の場合はお客様との距離が近いため、「もっとこうして欲しい」とか、「こんな商品があったらいいんじゃない?」など直に声を聞くことができます。
自分で事業を行う上で最も大事なのは、「人に喜んでもらいたい」とか「もっと良いものを提供したい」という「やりがい」です。このやりがいがフランチャイズ経営の場合、「やらされている感」が勝って薄くなってしまいます。
ただ単純に稼ぎたいだけであれば、「やりがい」はいらないかもしれませんが、縛られながら事業を行うのはサラリーマンと同じですし「稼ぎたい」だけではフランチャイズであっても事業を継続していくことは難しいと思います。
まとめ
フランチャイズ経営の7つのデメリットについて紹介してきました。
もちろんフランチャイズならではのメリットもありますが、「なぜフランチャイズなのか」という理由がなければどちらにせよ継続していくことは難しいです。
自分が目指すものは何で、そのためにフランチャイズ経営は最適な方法なのか、今一度見つめ直してから決断を下すようにしましょう!
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