フランチャイズオーナーになるためには?必要なスキルや加盟店として開業する方法を解説

フランチャイズオーナーになるためには?必要なスキルや加盟店として開業する方法を解説
独立開業の選択肢としておすすめなのが、フランチャイズオーナーになることです。フランチャイズ加盟店になって本部にロイヤリティを支払うことで、本部から商標や商品・ノウハウなどを得ながら店舗運営できます。初心者にも開業しやすい方式です。

この記事では、フランチャイズオーナーの仕事内容や年収といった実態、フランチャイズオーナーになるメリット・デメリットを解説します。また、フランチャイズオーナーに必要なスキルや開業までにやるべきことも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. フランチャイズオーナーとは
    1. フランチャイズオーナーの仕事内容
    2. フランチャイズオーナーの稼働時間
    3. フランチャイズオーナーの年収
  2. フランチャイズオーナーと店長の違い
  3. フランチャイズオーナーになるメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  4. フランチャイズオーナーとして必要なスキル
    1. 行動力
    2. 収益管理能力
    3. 人材管理能力
    4. オペレーション能力
    5. 問題発見能力
    6. 事前準備能力
  5. フランチャイズオーナーになるには
    1. 資金調達
    2. フランチャイズ本部を選ぶ
    3. 契約締結・開業準備
  6. フランチャイズオーナーは開業初心者におすすめ

フランチャイズオーナーとは

フランチャイズオーナーとは、フランチャイズ加盟店の店長のことです。

そもそもフランチャイズとは、フランチャイズ本部から商品やサービス・ノウハウやブランド力などを受け取り、対価としてロイヤリティを支払う仕組みです。ロイヤリティを支払う側を、加盟店と呼びます。

フランチャイズに加盟すると、本部から商標やロゴの使用権、商品やサービス、ノウハウや経営に関するサポートを受ける権利などが提供されます。加盟店は、その対価として毎月本部にロイヤリティを支払い続け、本部のサポートを受けながら店舗運営を行うのです。

本部が提供するノウハウやサポートなどは、どのような方でもフランチャイズチェーンとして開業できるよう、パッケージ化されています。そのため、加盟店側のオーナーに開業経験がなかったり、未経験の業種であったりしても、スムーズに開業できるようになっているのです。

フランチャイズは、本部側にも加盟店側にもメリットがあります。フランチャイズ本部は、店舗運営を加盟店に任せながら、ロイヤリティを得て事業拡大が可能です。また、加盟店側にとっては、本部のノウハウやブランド力を利用できるため、開業のハードルが低いというメリットがあります。このように、本部と加盟店双方にメリットがあるため、多くの企業で採用されているのです。

フランチャイズを実施している業種は、コンビニエンスストアやパン屋、居酒屋やカフェ・レストランなどの飲食店、学習塾、クリーニング、内装リフォームなどさまざまです。

フランチャイズオーナーの仕事内容

フランチャイズオーナーは、店舗の運営に関するあらゆる業務を担当します。商品の仕入れや販売・接客、スタッフの採用や教育といった業務はもちろん、クレーム対応や経理、本部とのやりとりなど、幅広い業務をこなさなければなりません。もちろん、スタッフを教育すれば接客や販売などの一部業務をスタッフに任せることもできます。また、フランチャイズ本部からさまざまなサポートを受けられることも多いです。しかし、店舗の経営や基本的なオペレーション業務は、基本的にはすべてオーナーの仕事であると認識しておきましょう。

フランチャイズオーナーの稼働時間

フランチャイズオーナーの稼働時間は、業種や店舗の状況などによって異なり、一概に何時間と断言できません。特に、はじめのうちはオーナー自ら店舗のオペレーションに積極的に携わる必要があるため、稼働時間は長くなります。フランチャイズの中には、オーナーが勤務時間を自由に決められるところもありますが、売上が上がらないうちは長時間の稼働が求められることも多いです。

経営が軌道に乗ったり、スタッフが増えたりすると、業務の一部をスタッフに任せられるため、休憩や休日がとりやすくなります。

フランチャイズオーナーの年収

フランチャイズオーナーの年収は本部や業種、店舗などによって異なります。ここでは、業種ごとのフランチャイズオーナーの年収の目安を紹介します。

  • コンビニエンスストア:400〜600万円
  • 飲食店:400万円前後
  • 学習塾:500〜1,000万円
  • クリーニング:400〜700万円

立地条件が良い店舗なら、集客しやすく、売上にもつながりやすいです。オーナーの経営努力や手腕によっては、年収が1,000万円を超える可能性もあります。

フランチャイズオーナーと店長の違い

フランチャイズオーナーと店長はイコールです。一方、フランチャイズオーナーと雇われ店長には違いがあります。前者は、店舗の経営を担いながら現場を管理する店長のことです。それに対し、後者はオーナーや社長に雇われている店舗の運営責任者のことを指します。雇われ店長は、フランチャイズオーナーや一般的な店長と異なり、経営戦略を担う必要はありません。フランチャイズオーナーが雇われ店長を採用し、店舗の運営業務を任せることもできます。

フランチャイズオーナーになるメリット・デメリット

ここでは、フランチャイズオーナーとして独立開業するメリット・デメリットについて解説します。
<メリット>

  • 本部のノウハウやブランド力を活かせるため、開業のハードルが低い
  • 未経験の業種であっても始めやすい
  • 店舗運営に注力しやすい

<デメリット>

  • ロイヤリティを支払う必要がある
  • 自由度の高い運営は難しい

メリット・デメリットを勘案し、フランチャイズオーナーとして開業するか、自身でお店を立ち上げるかを検討しましょう。

メリット

フランチャイズオーナーになるメリットは、比較的開業のハードルが低いことです。本部のノウハウやブランド力などを活かせるため、ゼロからお店を立ち上げるよりもチャレンジしやすいです。未経験の業種であっても始めやすいというメリットもあります。特に、すでに知名度が高いフランチャイズチェーンである場合は、店舗側がプロモーションをかけなくても集客に困りません。開業してすぐに成功する可能性もあります。

また、商品開発やプロモーションといった業務は本部が担当するため、フランチャイズオーナーは店舗運営に注力できるのもメリットです。

デメリット

フランチャイズオーナーになるデメリットは、本部にロイヤリティを支払う必要がある点と、自由度が高くない点です。

前述のとおり、フランチャイズは本部にロイヤリティを支払うことで、ノウハウやブランド力などを利用できる仕組みです。いくら売上が上がっても、契約上ロイヤリティを支払う義務はなくなりません。ロイヤリティの金額によっては、ロイヤリティのせいで利益がほとんど残らないというケースもあります。契約時は、ロイヤリティが適正額であるかを検討しましょう。

また、基本的には本部のマニュアルやルールに沿って店舗運営を行う必要があります。そのため、自由に運営したい方には不向きです。フランチャイズ本部によっては、相談すれば独自の商品やプロモーションなどを採用してくれる場合もあります。しかし、基本的には本部のやり方を遵守する必要がある点は注意しましょう。自由に運営したい場合は、自由度の高い運営を認めているフランチャイズチェーンに加盟するか、自身でお店を立ち上げることがおすすめです。

フランチャイズオーナーとして必要なスキル

フランチャイズオーナーとして成功するためには、以下のようなスキルが必要です。

  • 行動力
  • 収益管理能力
  • 人材管理能力
  • オペレーション能力
  • 問題発見能力
  • 事前準備能力

一方、商品開発やプロモーションなどは本部が担当するため、フランチャイズオーナーには求められません。また、開業そのものに関する経験やスキル、業種への理解がないからといって開業できないわけではありません。むしろ、未経験でも挑戦しやすいのがフランチャイズです。

以下では、フランチャイズオーナーに求められるスキルについて解説します。

行動力

フランチャイズオーナーは経営者です。経営者に求められる資質の1つに、行動力があります。フランチャイズオーナーになるにあたって、事前説明会に足を運んだり、場合によっては物件を自ら取得したり、店舗や備品の準備を行ったりと、さまざまな場面で行動力が必要です。また、営業開始後も、オーナー自ら現場に立って接客をしたり、スタッフの教育を行ったりする必要があるため、随所で行動力が求められます。

収益管理能力

フランチャイズオーナーは、ある店舗の経営を担う重要なポジションです。そのため、コストを管理し、収益を生み出すための能力が必要とされます。収益管理においては、売上を上げるだけでなく、適切な発注や人員配置などで原価や人件費の無駄をなくし、利益を生み出すことが必要です。

また、収益管理のためには財務諸表や決算書といった財務データを読み解く知識やスキルも求められます。

人材管理能力

従業員がオーナー1人の場合を除き、スタッフとしてアルバイトを雇う場合が多いです。一人前のスタッフに育てるためには、人材の採用から教育まで、フランチャイズオーナーの手腕にかかっています。そのためフランチャイズオーナーには人材管理能力も求められるのです。

特に、スタッフのシフト管理は店舗のオペレーションと人件費の双方に影響を与えます。スタッフのスケジュールや希望に合わせて、人件費が無駄にならないようなシフトを組むことが必要です。

オペレーション能力

店舗のオペレーションは、メニューの作り方や接客だけでなく、安全管理や衛生管理、クレーム対応など多岐にわたります。円滑なオペレーションを実現するためには、フランチャイズオーナー自身がオペレーション能力を身につけることが必要です。

フランチャイズの場合、作業マニュアルが本部から提供されます。基本的にはマニュアルに沿って運営するため、オペレーションを作る必要はありません。しかし、運営していくなかで、より効率的に運営できる方法やさらなる売上アップをねらえる工夫がないかを常に考え、オペレーションをブラッシュアップさせることを忘れないようにしましょう。

問題発見能力

フランチャイズオーナーには、現在の店舗の状況を分析し、改善できる問題点を明らかにする能力が求められます。問題発見能力があれば、取り組むべき課題を抽出でき、効率良く改善できるのです。

例えば、せっかく採用したスタッフがすぐに辞めてしまう状況が続いている場合、人材教育に課題があることがわかります。新たなスタッフの雇用に注力する前に、スタッフの教育にリソースを割くことで、スタッフのレベルやモチベーションがアップし、結果的にオペレーションの品質向上につながる可能性が高いです。

事前準備能力

開業までの準備期間は本部によって異なりますが、1年ほどかかることが多いです。フランチャイズ本部を選んで契約を締結してから開業までは、店舗選びや研修、スタッフの採用や教育、開店準備など、さまざまな事前準備が必要です。本部がサポートしてくれる場合が多いですが、フランチャイズオーナーには事前準備をしっかりこなす能力が求められます。

また、スタッフを採用した後、スタッフの経験やスキルから適切な役割を見極めることも重要です。このように、店舗の円滑なオペレーションを実現するためには、念入りな事前準備が欠かせません。

フランチャイズオーナーになるには

フランチャイズオーナーになるためには、前述のとおりさまざまな事前準備が必要です。
ここでは、フランチャイズオーナーになるためのステップを以下の3つにまとめました。

  • 資金調達
  • フランチャイズ本部を選ぶ
  • 契約締結・開業準備

特に、フランチャイズオーナーとして成功するためには、どのフランチャイズチェーンに加盟するかが重要です。ここでは、それぞれのポイントを解説します。

資金調達

フランチャイズオーナーになるためには、開業資金を準備しましょう。全額自己資金でまかなえる場合をのぞいて、外部から資金調達を行う必要があります。まずは開業資金がいくら必要かを明らかにしましょう。必要な金額は、本部や店舗などによって異なるため、加盟するフランチャイズの条件で算出してください。

自己資金が不足する場合は、金融機関から融資を受けましょう。日本政策金融公庫は、新規で開業する方向けに融資を行っています。創業時の融資であれば無担保無保証で受けられるものもあり、融資を受けるまでの期間が短いというメリットもあります。

融資や資金計画については、フランチャイズ本部に相談することも可能です。優良な本部であれば親切に相談に乗ってくれる場合が多いです。不明点や不安な点があったら、フランチャイズ本部に相談してみましょう。

フランチャイズ本部を選ぶ

契約するフランチャイズ本部を選ぶためには、資料請求や説明会に参加するなどして、情報を集めましょう。説明会の中には、個別で実施されるものもあります。フランチャイズ本部を選ぶ際は、希望の業種であることはもちろん、将来性や業種のマーケット状況、ロイヤリティの妥当性などから多角的に検討しましょう。

特に、ロイヤリティの妥当性は重要です。ロイヤリティの方式には以下の3つがあります。

  • 売上歩合方式
  • 粗利分配方式
  • 定額方式

売上歩合方式とは、売上に対して一定の割合をロイヤリティとして支払うもので、フランチャイズでは一般的な形式です。また、粗利分配方式では、粗利に対して一定の割合をロイヤリティとして支払います。定額方式は、売上や粗利にかかわらず、毎月一定額を支払う方式です。

売上歩合方式や粗利分配方式の場合、売上や利益が出ても、その分ロイヤリティが高く発生します。業績のわりに収入が増えない場合があるため、注意が必要です。また、定額方式の場合は、売上が低調な月でも一定額を支払う必要があるため、金銭的に負担になる可能性があります。

ロイヤリティは、収入や資金繰りに直結するため、方式や割合・金額などは必ず確認しましょう。

説明を聞いて加盟する意思を固めたら、面談が行われます。面談は、オーナーとして適性があるか、社風に合うかなどを本部が見極めるための審査として行われるだけでなく、オーナーにとっては契約前の最後の判断材料にもなるのです。面談は複数回実施されることもあります。

契約締結・開業準備

本部からの審査に通過したら、いよいよ契約締結です。契約時は、契約書や事業計画書など、事業に必要な書類が本部から提示されます。すべての書類に目を通し、契約内容に問題がなければ署名して契約しましょう。

契約後は、本部が実施する研修を受け、店舗の準備を行います。チェーンによっては、店舗の物件選びを加盟店が行うケースもあります。

また、小規模な店舗を除けば、オープニングスタッフの採用も必要です。スタッフの採用は、本部や地域のマネージャーがサポートしてくれる場合もありますが、オーナー自ら行うケースもあります。

知名度のあるチェーンの場合は、採用活動において有利になることもありますが、24時間営業や365日営業の場合は、スタッフの確保に苦労する可能性があります。スタッフの募集には、以下のような方法が有効です。

  • 求人サイトに広告を出す
  • 求人情報誌に広告を出す
  • チラシや新聞折込チラシを投函する
  • オープニング広告にスタッフ募集の案内を載せる

スタッフを採用したら、教育を行いましょう。特にチェーン店の場合、その店舗自体に魅力を感じる顧客よりも、店の看板に魅力を感じて店舗を訪れる顧客のほうが多いです。サービスの質が低ければ、近隣の同業他社や、同じ地域の別の系列店に顧客が流れてしまう可能性があります。ほかの系列店と一律で同じサービスを提供できるよう、スタッフの採用には注力しましょう。

スタッフの教育マニュアルには、本部から与えられるマニュアルに含まれていることが一般的です。そのほか、オーナー自身の人柄やサポートも、スタッフの教育やモチベーションに大きな影響を与えます。

このように、開業までにさまざまな準備が必要です。契約から開業までは半年前後かかることが多いため、開業したい時期が決まっている場合はゆとりのあるスケジュールで進めましょう。

フランチャイズオーナーは開業初心者におすすめ

この記事では、フランチャイズオーナーの実態やメリット・デメリット、フランチャイズオーナーに必要なスキルや開業までのステップなどを解説しました。本部の資源を活用し、サポートを受けながら開業できるフランチャイズは、初心者におすすめの開業方法です。

フランチャイズオーナーとして成功するためには、オーナーに必要なスキルを身につけていることや、どのチェーンの加盟店になるかが重要です。この記事を参考に、フランチャイズオーナーとして開業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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