壮絶な脱サラ失敗談 同じ轍を踏まないためにはどうすればいい?

壮絶な脱サラ失敗談 同じ轍を踏まないためにはどうすればいい?

目次

  1. 脱サラに失敗する原因とは
  2. 脱サラに失敗するとどうなる?
    1. 再就職が困難に
    2. 首が回らず破産
    3. 実家を売却
  3. 脱サラ成功率はどれくらい?
    1. 失敗はただの結果
  4. 同じ轍を踏まないために

「こんな仕事、雇われてなくても一人でできる」熱意のある人間なら誰しもが「独立」を夢みます。しかし現実とは過酷なもので、浅はかな考えで計画なしに独立してしまうと痛い目を見ることになります。

今回は、脱サラに失敗してしまった人たちの体験談をもとに、同じ轍を踏まないためにはどうすれば良いのか解説していきたいと思います。

脱サラに失敗する原因とは

これまで多くの人が夢のために邁進し、そして儚く散っていきました。事業に失敗すると多くの場合借金生活に突入することになりますが、経済的な理由から自殺をする人は年間で4,000人にもなると言われており、日本の年間自殺者数3万人のうちの13%にあたります。

年間で4,000人ということは、1ヶ月で333人、一日に10人が経済的な理由で自らの命を断っている計算になります。このうち全てが脱サラに失敗したことが原因ではありませんが、今から独立をしようと考えている人たちには怖い数字ですね。

さて、事業の失敗の原因として考えられている原因は2種類あります。それは「安易な計画」と「ノウハウの不足」です。ちなみに筆者も25歳で独立を志したクチですが、当時は自分の力量を推し量れていなかったと今でも思います。自分には能力があるから「簡単に稼げる」と思っていたのですが、今までどれだけ会社あるいは取引先に助けられていたのかということがよくわかりました。まぁ、筆者はそこまで壮絶な人生を送っているわけではありませんが…。

事業を始めると様々なことを考えなければいけません。例えば「俺は料理がうまいから」と思って飲食店を始めるにしても、「料理を提供できること」はもちろん、「資金管理」「集客の方法」などなど様々なことを考えなければいけません。また、人を雇用する場合には「どのように人を配置すればよいか」「従業員のモチベーションをどう引き出すか」といった経営のノウハウも必要になってきます。

これらを全て一人でやるためには、正直時間がいくらあっても足りません。筆者も起業してからは時間の大切さを思い知らされたものです。こういった計画の甘さこそが脱サラの失敗に繋がるのだと思います。

脱サラに失敗するとどうなる?

さて、脱サラに失敗するとどのような状況に陥るのでしょうか。以下ではいくつかの体験談をもとに脱サラを失敗した人たちのその後を見ていきたいと思います。

再就職が困難に

Aさんはこれまで10年間務めていた会社を辞め、36歳で不動産関連の事業で起業をしました。最初の2年は当時の景気の良さの影響もあって、順風満帆の生活を送っていましたが、会社が3年目に差し掛かった時、会社のお金を使い込んでしまったことが原因で急激に経営が傾き始めました。――しかし経営が悪化しているにも関わらずこれまでの生活を変えることはできず、出費はそのまま…。ついに社員の給料をカットせざるを得ない状況になりました。するとこれまで頑張ってくれていた従業員は会社からどんどん離れていってしまい、ついには事業を回すことができなくなってしまい、会社をたたむことにしました。会社の資金を使い込んでしまっていたため、当然借金を抱えながらとりあえず再就職をと面接に向かうものの、「事業をうまく回していた」というプライドを捨てることができず「お山の大将」的な態度が抜けきらなかったこと、年齢的な理由からなかなか再就職をすることができない状況が続き、現在は借金返済のためにフリーターとして働いています。

ある程度事業が軌道に乗っているとどうしてもプライドが高くなってしまうことがあり、企業側もそういった人材は優秀であっても「会社の雰囲気を壊すのではないか」といった理由から煙たがられてしまう傾向にあるようです。

もちろん、若ければ仕事を選ばなければ再就職は比較的簡単にすることができるようですが、年齢はネックになってしまいがちです。起業は20代の若いうちなら「ポテンシャル採用」も考えられますが、ある程度年齢も重ねている人材を採用する場合には「即戦力」を求める傾向にあります。

ですので、「どのようなスキルがあり、そのスキルはどの程度会社の役に立ってどれくらいの利益を生むのか」ということを面接で伝える必要があります。もしそれができないなら正社員としての登用されることは難しいでしょう。

首が回らず破産

Bさんは長年の夢であった居酒屋経営を銀行から2000万円の融資を受けて42歳の時に実現しました。オープンして間もなく、立地がよかったこともあり満席状態が続いたため、奥さんも仕事をやめて居酒屋の業務を手伝うようになりました。「この調子でお客様が来てくれるならアルバイトを雇うことができる」と3人のアルバイトを雇用することに。しかしオープンから5ヶ月が経ったある日から、急に客足が遠のき始めました。Bさん「オープンしてあれだけお客さんが集まったのだから、宣伝すればまた来てくれる」と広告宣伝費を使うものの、お客さんは減っていく一方。ついに1日の売上が3分の1になってしまったのです。利益がでなくなってしまったにも関わらず雇用したアルバイトにそれを伝えることができないまま、ついに開店から1年半が経った時に資金が底を尽きてしまい店を閉めざるを得なくなってしまったのです。

しかしBさんには開業資金として借りた2000万円の借金があり、月に40万円の返済をしなければならず、さらに奥さんまで仕事をやめてしまっています。夫婦で一丸となって必死で働いて借金を返しながら生活をすることになりましたが、過労で奥さんが倒れてしまい、ついに債務整理――破産を決意したのでした。

飲食店のような店舗では、オープン当初はお客様が興味を持って来店される可能性が高いです。しかし一度来たからといって全ての人が同じペースで来てくれるとは限らないのです。

「部長!なんか新しい店できたみたいだから行ってみましょう!」なんて会話は容易に想定できますが、「部長!あの店できて3ヶ月目らしいから行きましょう!」なんて会話は普通出てこないです。そのため、よほど多くの人にサービスを気に入ってもらうことができなければ客足は半年も経てば遠のいていきます。こういった客足を読む力は初めて開業する人間にとっては読みにくいものですから、調子に乗って費用を投下してしまうと後で痛い目を見ることになります。

余談はさておき、借金の返済ができなくなると、最後に待つのは破産です。破産すると、借金は一度帳消しになりますが「官報」に名前が掲載され、ブラックリストに乗ることになりますから、ローンを組めなくなったり、キャッシングを利用できなくなったりするデメリットがあります。

その他にも住宅の契約の際に審査が通らなくなったり、クレジットカードが利用できなくなったりもします。また、生活必需品以外の家財は全て取り上げられてしまいます。しかし変わらず税金などは払い続けなけれないけませんので、注意が必要です。

実家を売却

Cさんはエンジニアとして一つの起業に務め続けて30年。これを機に何か世のため人のためになることがしたいと考えるようになりました。そんなCさんのもとに舞い込んできたのが、大学時代からの友人が持ちかけてきた新しいソフトウェアの開発です。Cさんは「自分は経営するキャラじゃないから、これは良いチャンスだ」と友人の話に乗り、会社を退職したまでは良いのですが、事業を開始するための体制の整理に時間が取られてしまい、空き時間ができてしまいました。やることがなくなってしまったCさんは、株式や不動産投資、FXで小遣い稼ぎをしようと初めてみたところ、2週間で30万の利益を出すことに成功。これに味をしめたCさんはどんどん投資にのめり込んでいってしまい、1ヶ月後気づいたときには2000万円の借金をしてしまっていました。

どうにもいかなくなったCさんは実家を売却してなんとか借金を全額返済することができましたが、これが影響で離婚、親族とのトラブルに発展してしまいます。幸いにもエンジニアというスキルのある職業経験が活き、フリーランスとして働くことでそれなりの生活を送ることができていますが、一度悪化してしまった家族との関係が回復することはなかったと言います。

先程の破産の話の後だとインパクトが薄いですが、経済的な問題はどうしても人間関係の悪化につながってしまいがちです。特にFXはハイリスクハイリターンのギャンブルに近いものとして有名ですね。

実家を売却してなんとか経済的な問題は解消しても二次的三次的な問題が出てくることもありますから、こういったリスクがあることもしっかり理解しておく必要があります。

脱サラ成功率はどれくらい?

――さて、少し話は変わりますが、脱サラをして成功する割合はどれくらいなのでしょうか?何を持って成功と言うのかは曖昧ですが、ある調査によると脱サラ成功率はわずか5%だと言われています。

なぜこれほどまでに脱サラに失敗する人たちがいるのでしょうか。それは繰り返しになるかもしれませんが、「安易に初めてしまうから」です。

この社会、人を騙すようなことをすれば楽して設ける方法なんていくらでもあります。いとも簡単に――。しかし、モラルを欠かずに全うな方法で成功を収めるためには泥水をすすってでも事業を継続する覚悟というものが必要になります。

例えば「飲食店を出したい」のであれば「なぜ飲食店なのか」という軸を持っていないと何かしらの壁に直面したときに必ず諦める方向に動いてしまいます。「皆に俺の料理を食べて笑顔になって欲しい」とか、「お金に困っている人でも気軽においしいものを食べられるように提供するんだ!」とか、そういう思いを持っていないと継続は難しいです。

失敗はただの結果

かの成功哲学を導き出した「ナポレオン・ヒル」は「思考は現実化する」という言葉を残しています。願望の強さこそが成功への鍵だと言うのです――。もし皆さんが「たったの6%!?それなら辞めておこう。」と思うのであれば、それはおそらくうまくいかないでしょう。

「失敗」とは結果なのですから、道に生えている雑草を食ってでも諦めずに食らいついていればそれは「失敗」ではなく、「成功のための道」になります。諦めないためにはやはり、「何がなんでもこうする!」という強い意志が必要です。

同じ轍を踏まないために

脱サラで失敗しないためには、「ノウハウを蓄えること」と「計画性を持つこと」が最も重要な要素です。しかし開業一年生は右も左もわからないことだらけ…。

多くの人は流れを読むための経験則もなければ、大したノウハウも持ち合わせていません。そんな世界に身一つで飛び込むのはあまりにも無謀ですよね。そんな時はプロを頼ってみることも一つの方法ではないでしょうか。

プロに依頼するって、なんだか如何わしい感じもしますがそれでも経験者から学ぶことはたくさんあるはずです。

新規事業・独立を検討中の方はお気軽にご相談ください。
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