カフェの開業資金はどれくらい必要?黒字化するためにはどれくらい売上が必要?
目次
夢にまで見たカフェの開業。皆が落ち着ける場所を提供したい!そんな思いでカフェの開業を志した方が一番気になることは、「開業するためにどれくらい資金が必要なの?」ということではないでしょうか。
本項では、カフェを新たに開業して長期的に経営していくためにはどれくらいの資金が必要なのかについて解説していきたいと思います。
開業資金は2000万円!?
まずはオーソドックスなパターンで見ていきましょう。東京都内で20坪程度のカフェを開業する場合、以下のような費用が発生します。
項目 | 費用概算 | 備考 |
---|---|---|
家賃 | 120万円 | 20万円×6ヶ月分で想定 |
敷金・礼金・仲介手数料 | 60万円 | 各家賃の1ヶ月分で想定 |
内装工事 | 600万円 | 坪単価30万円で想定 |
設備 | 500万円 | 冷蔵庫、空調、オーブン、机や椅子、厨房、レジ、看板など |
備品 | 20万円 | 食器、お手拭き、灰皿等 |
人件費 | 400万円 | 8時間営業で時給1,000円、平日2人、休日3人稼働想定(法定福利費など込)で6ヶ月分を想定 |
材料費 | 20万円 | – |
広告宣伝費 | 30万円 | ポータルサイト掲載費、チラシ等(月5万×6ヶ月分) |
水道光熱費 | 12万円 | 電気代9,000円、水道代4,000円、ガス代7,000円を6ヶ月で想定 |
合計 | 1,862万円 | – |
のっけから黒字を出せる飲食店なんてそうそうありませんから、皆さんの生活費のことを考えると軽く2,000万円なんて超えてきますね。
黒字化するためにはどれくらいの売上が必要?
さて、開業資金とは別に黒字化させるためにはどれくらいの売上が必要なのかを1ヶ月あたりの収支で見ていきましょう。
まず、ランニングコストとして必要となってくるのは以下のようなものです。
項目 | 費用概算 |
---|---|
水道光熱費 | 2万円 |
家賃 | 20万円 |
人件費 | 70万円 |
材料費 | 20万円 |
広告宣伝費 | 5万円 |
備品 | 3万円 |
合計 | 120万円 |
人件費については例えばオーナーである読者諸君が労働される場合は節約できるかもしれませんが、だいたいはこんなものでしょう。月に30日営業日があるとしたら、一日最低4万円の利益を出さなければ赤字になってしまう計算ですね。
では1日4万円の利益を上げるためには、どれくらいの客数が必要でしょうか。例えば以下のような商品のモデルで試算してみましょう。
商品 | 料金 | 注文の比率 |
---|---|---|
コーヒー単品 | 500円 | 70% |
コーヒー+サンドイッチ | 1,000円 | 30% |
この時客単価は650円です。つまり、一日に4万円の売上を達成するためには一日に61.5人に来ていただかなくてはならないということになります。さらに細かく言うなら1日8時間営業で試算していますから、1時間に7人以上のお客様に来店してもらわなくてはなりません。
カフェ経営のコツとは?
どのような業態でも売上の8割は2割の顧客によって生み出されていると言われています。つまり繰り返して来店してくれるお客様をどんどん増やしていくことが大事なのです。
ところが一度経営を始めると、色々なことが気になってしまって迷走をし始めてしまいます。例えば回転率が下がることを恐れて、お客様が長居しにくい…つまり快適ではない環境をつくってしまったり、人件費を削るために人員を削減してお客様を待たせる時間を増やしてしまったり…というものです。
お客様はこういった小さなことに非常に敏感で、例えば「WiFi使えないんだったら次から他所に行こう。」とか、「こんなに待たなきゃいけないならあっちの店に行こう。」とか簡単に裏切ってしまうのです。
迷走を初めて、コンセプトがなくなった店にはリピーターがつかなくなってしまいますから、これは売上の8割がなくなってしまうのと同義です。
そのため、最初にコンセプトを決めて、ターゲットになるお客様をしっかり決めておくことが大事です。
例えば、「昼間から時間に余裕のあるシニア世代がくつろげる場所」とか、「仕事熱心な若い世代が快適に仕事ができる場所」といったテーマの設定が非常に重要な要素です。これをマーケティングの用語では「ペルソナ」と言います。これについてはまた別の機会にご紹介していきたいと思います。
カフェを開業する前に
カフェを開業する前に、どんなことでも自分で事業を行うということは、それなりの覚悟が必要になります。筆者も25歳で起業を志し、今まで色々なことをやってきましたが、そこで感じたことは「どんなに儲からなくてもどんなに生活が苦しくても「このためなら全てを犠牲にできる」くらいの覚悟がなければ継続していくことは難しい」ということです。
トントン拍子でうまく黒字化できる才能がある人ならそんな苦労はしないのでしょうが、多くの人は何かしらの壁に当たることになるでしょう。今成功者と言われる人たちも何かしらの壁に直面してきたと思います。その壁にあたっても諦めなかった人たちが成功者と言われる人達です。
皆さんが壁に直面した時に、「諦めない」と思うことができるかどうかは、どのような思いを持ってカフェを経営するのかという「本音」の部分です。「楽して儲けたい」とか「なんかカフェって楽そう」くらいの軽い考えではおそらく諦めが勝ってしまいます。
筆者の場合は「腐りきった業界の悪を正してユーザーに本当に価値のあるものを提供するんだ!」とか笑っちゃうような陳腐な正義感のもと取り組んできましたが、どんなコンセプトでも良いのでブレない目標を立て、その「本音」を実現できるようなプランを描いてみてください。「思考は現実化する」のですから――。
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