個人事業主が開業するためにしなければならない準備と手続き
目次
本記事では、個人事業主が開業するときに必要な準備と手続きをご紹介します。開業するまでにはどんなステップが必要か、準備をすることにより開業してからどのようなサポートが受けられるのかを解説していきます。
1.個人事業主が開業するために必要なステップ
- 事業計画
開業する決断ができたら、まずは事業計画を立てましょう。融資を依頼する場合には、内容に信頼性のある事業計画書を作成する必要があります。
- 退職手続き
個人事業として開業するために、会社を辞めなければならないケースがあります。その後の事業展開も踏まえて、時間に余裕をもって退職手続きを行い、なるべく円満な退職を目指してください。
- 開業準備
- 許認可の申請
事業によっては許認可が必要です。自分が行う事業に許認可が必要かどうか、どんな申請が必要かをよく調査しましょう。
- 税務署への届出
- 自治体への届出
2.開業届を提出しましょう
個人事業主になる場合、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。こちらの書類は、いわゆる「開業届」と呼ばれるものです。開業届によって、税務署に事業を開始したことを通知します。書類は事業開始から1カ月以内に納税地を所轄する税務署に提出しましょう。開業届を提出することで、同時に青色申告の申請ができるようになります。
法人とは異なり、個人事業には登記という制度がありません。開業届は対外的に事業を開始したという証で、かつ取引先やお客様に対して、正規での手続きを行っていることの証明になります。
3.開業届を出さないとどうなるの?
仮に開業届を出さなかったとしても、罰則があるわけではありません。しかし、開業届を出さなかったとしても、収入がある限りは確定申告や納税の義務があります。
開業届を出さない最大のデメリットは、青色申告承認申請書が出せないことです。青色申告をできなければ、最高で65万円の特別控除が適用されなくなってしまいます。
また、家族を従業員として支給する給与を必要経費とする青色事業専従者給与、事業から生じた赤字を3年間繰り越す純損失の繰越など、個人事業主にメリットのある補助を受けられなくなります。
4.資金繰りが大変…そんな時は個人事業主のための助成金を使おう!
雇用保険に加入していれば、個人事業主でも申請できる助成金があります。助成金とは、国や地方自治体から受け取ることができる支援金であり、返済義務がありません。新たな事業展開をする際や資金繰りが大変な個人事業主には大きな助けとなります。
助成金の例は以下の通りです。
- 人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)
- トライアル雇用助成金
- 中小企業退職金共済制度に係る新規加入掛金月額変更掛金助成
- 特定求職者雇用開発助成金
- 地方再生中小企業創業助成金
助成金制度は年度により変化が多いため、利用する際は国や地方自治体のホームページをチェックするようにしましょう。
おわりに
開業するときには、青色申告申請をするかどうかにかかわらず「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しましょう。こちらの書類は、開業から1カ月以内に税務署へ提出するよう定められています。万が一提出が遅れてしまったとしても手続きは可能です。個人事業主にとって多くのメリットがありますから、起業する際は忘れずに手続きをしましょう。
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