開業に必要な「創業計画書・事業計画書」のつくり方

開業に必要な「創業計画書・事業計画書」のつくり方

目次

  1. 1.創業計画書・事業計画書は見本に沿って書くのが確実
  2. 2.飲食店開業時に使える事業計画書の見本
    1. 初期費用を明確にする
  3. 3.事業計画書はPDFやパワーポイントでも出力しておくと便利
  4. 4.創業計画書も見本に沿って!事業計画書とは一味違うので要注意!
  5. おわり

開業にあたり融資を受けたいのであれば、創業計画書と事業計画書を作成する必要があります。しかし、計画書の書き方がイマイチよく分からないといった方も多いのではないでしょうか。今回は、融資をスムーズに受け取るための創業計画書・事業計画書の書き方のポイントをご紹介します。

1.創業計画書・事業計画書は見本に沿って書くのが確実

創業計画書・事業計画書は、凝った書き方をするのではなく、見本に沿って書いた方が確実で時間の短縮にもつながります。開業経験がない方は、そもそも何をどう書けばよいのか全く分からない状態からスタートします。まずは書き方を知るといった意味でも、計画書の見本に沿って書くことから始めましょう。

創業計画書・事業計画書の書き方の見本は、インターネットで調べれば情報をすぐに見つけることができます。代表的なものでは、日本政策金融公庫や東京信用保証協会が記入例をホームページに掲載しているので、そちらを参考にして書くとよいでしょう。多くの計画書の具体例を参考にしながら、事業に沿ったオリジナルの内容で記入してください。

もちろん、創業計画書・事業計画書を見本に沿って書けば、必ず審査に通るというわけではありません。しかし、見本には書くべき必要最低限の内容が示されています。見本を参考にして不足を感じる点があったとしても、後から項目や資料を付け足しても遅くはありません。基本に忠実に創業計画書・事業計画書を作成していきましょう。

2.飲食店開業時に使える事業計画書の見本

飲食店を開業するために書く事業計画書には、いくつかポイントがあります。そのポイントを押さえながら書くと、より融資を受けやすくなります。

初期費用を明確にする

事業計画書を提出して融資を受けたいのであれば、初期費用がどれほどかかるのか明確にする必要があります。初期費用は、物件取得費・工事費・開業費の3つに大別することができます。

物件取得費とは、店舗を借りたり購入したりするための費用のことです。その内訳は、主に保証金・礼金・仲介手数料・前家賃・造作譲渡代となります。造作譲渡代は、交渉次第で安くなることもあります。

工事費は、店内の内装や設備にかかる費用です。見積りは専門の業社から確認しなければなりません。飲食店の内装や設備にこだわるあまり、初期費用が高くなりすぎて失敗するといったケースが多くなっています。ひとまずは開業にあたって必要な最低限の資金を用意するだけに留めておきましょう。

開業費は、工事費に含まれない全ての費用を指します。煩雑になりやすいため、リストにしてまとめておくと安心です。

飲食店開業における初期費用の書き方の一例

賃貸物件敷金 ○○万円
看板・内装工事費用 ○○万円
光熱費 ○○万円

売上計画は綿密に書く

飲食店の事業計画書を書くにあたり、開業後の売上計画がしっかり書けていなければ将来性がないと判断されて、審査に通ることができません。相手にもよく伝わるように、開業後にどれくらいの売上が期待できるのか、綿密に計画を示す必要があります。

飲食店の1日の売上をモーニング・ランチ・ディナーといった時間帯に分けて、それぞれどの程度の売上が見込めるのかを、座席・回転率・客単価などの観点から算出してください。また、月額の売上は最高月商・標準月商・最低月商の3つを定めておくことが大切です。

売上計画の書き方の一例

モーニング ○○円×○○席×○○日=○○万円
ランチ ○○円×○○席×○○日=○○万円
ディナー ○○円×○○席×○○日=○○万円
原価率○○%
人件費 アルバイト○人 時給○○円×○○時間/日×○○日=○○万円

3.事業計画書はPDFやパワーポイントでも出力しておくと便利

事業計画書は、PDFやパワーポイントで出力しておくとさまざまな場面で活用できます。事業計画書によっては、いくつもの資料を添付することもあるでしょう。これらの資料をPDFやパワーポイントなど管理しやすい形式で残しておけば、資料の参照や検索が容易になります。

専門家に事業計画書の添削をお願いする場合も、事業計画書をPDFやパワーポイントに出力しておくと、先方にとって都合がよくなります。修正点を記入してもらう際も、紙面では1枚に書ける量には限界がありますが、PDFやパワーポイントのファイルであればコメントできる範囲に制限がありません。また、修正箇所が読みにくいといった心配も少なくなるでしょう。

4.創業計画書も見本に沿って!事業計画書とは一味違うので要注意!

創業計画書と事業計画書は基本的に同じものを指し、創業計画書は創業時に書く1種の事業計画書と言えます。ただし、創業計画書の書き方には違いがあります。

創業計画書は事業経験のアピールが大事!

創業する会社には過去の実績がありません。したがって、創業計画書では過去の事業経験や今後扱う予定のサービスおよび商品の特徴について、アピールすることが重要となります。その際は、記載する内容が同業者と似ることがないように、注意が必要です。

創業計画書は単一事業として書く

創業したばかりで複数の事業を計画してしまうと、信用の観点から融資を受けられる可能性が低くなります。これまでに開業や経営の実績がないのであれば、身の丈に合った計画を立てると、信用してもらえやすい創業計画書になります。したがって、創業計画書は基本的に単一事業として書くように注意しておきましょう。

おわり

出資や創業資金の融資を受けられるかどうかは、創業計画書・事業計画書の内容次第です。書き方が自由なだけに、どんな書き方をすればよいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。そんなときは、計画書の見本を見ながら基本に忠実に書類を作成しましょう。まずは見本に沿って書くことで、しだいに書き方のコツが掴めるようになってきます。また、融資を受ける予定がなくでも創業する際には、事業の中身をじっくりと検討しながら必ず事業計画書を作成するようにしましょう。

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