バーを開業したい!知っておきたいバーの開業費用・経営事情
目次
バーの開業を検討しているものの、実際のところバー経営ではどれくらい儲かるものなのか、開業する前に知っておきたいですよね。今回はバーを開業するにあたり、オーナーとして事前に知っておくべき情報や開業資金にはどれくらい必要なのかをご紹介いたします。
1.バーを開業したら儲かるの?年収・利益は?
バー経営の平均年収は約200~300万円と言われています。一般的なサラリーマンと比べても、それほど収入に差はありません。年収1,000万円のバーともなると、よほどの繁盛店です。バー経営で儲かるためには、かなりの努力が必要となることを念頭に置いておきましょう。
バー経営で出た利益に関しては、家賃・材料費・人件費といったランニングコストが約9割にものぼると言われています。利益の大半が運転資金として費やされるということです。
したがって、単に稼ぎたいと理由でバーを開業するのはおすすめできません。オーナーとして人との触れ合いやバー経営という仕事にやりがいを感じる方でなければ、経営を続けるのは難しいと言えるでしょう。
2.バーの開業に必要な資金はどのくらい?
ここではバーを開業するために必要な資金を大まかに説明いたします。
物件取得費
店舗を借りるために必要な費用です。物件を借りる立地にもよりますが、保証金や仲介手数料などをあわせると家賃月額の8~12ヶ月分位になる場合が多いようです。仮に店舗の家賃が15万円なら120万円~180万円くらいですね。
什器・備品費
バーに設置する椅子やグラス、照明などの細かい費用も積み重なると結構な額になります。
什器や備品にこだわりがあれば余計に高く費用がかかるので、余裕をもって開業資金を用意しましょう。
内装外装・設備工事費
内装と外装や電話回線、空調設備など工事に関する費用です。
まっさらな状態のスケルトン物件を利用してバーを自分のこだわりを詰め込んだ店舗にするとなるとかなり費用がかかります。最大でも1000万円が目安なのでそれ以上を超えると過剰投資になりますので注意しましょう。
運転資金
資金に余裕がないままで開業してしまうと、運転資金がたちまちショートしていまい、経営が成り立たなくなります。特に、バーの内装や設備にこだわるあまり、初期費用が高くなりすぎるケースが非常に多く見られます。少なくとも6カ月分の運転資金に相当する金額を用意しておくとともに、余裕を持たせておきましょう。なお、スケルトン物件ではなく、居抜き物件や中古備品を内装に利用すると、初期費用を抑えてその分を運転資金に回すことが可能です。
3.バーを開くまで・開いた後に必要な資格や申請
バーを開業するまでには多くの準備が必要です。そして、無事に店舗が開店した後も新たにやるべきことが出てきます。ここでは、その一部をご紹介します。
バー経営に必要な資格の取得
バーを開業するにあたり、「食品衛生責任者」は必須の資格です。受講費用は1万円程度で、講習期間は1日となっていますから、比較的すぐに取得できます。また「食品営業許可申請」を、店舗完成の10日前までに保健所へ提出が必要です。
これ以外にも、店舗によっては必要となる届出や許可があります。たとえば、店舗の収容人数が30人を超えると、「防火管理者選任届」を消防署に出す必要があります。他にも、深夜0時以降にお酒をするのであれば、「深夜酒類提供飲食店営業開始届」を警察署に提出しなければなりません。該当する場合には、事前によく確認しておきましょう。
開業後の手続き
バーの開業後にも、やるべき手続きがいくつかあります。個人で開業する方は、「個人事業の開廃業等届出書」を1カ月以内に税務署へ提出しなければなりません。従業員を雇う場合、「労災保険の加入手続き」と「雇用保険の加入手続き」を、雇用日の翌日から10日以内にしてください。労災保険の加入手続きは労働基準監督署で行い、雇用保険の加入手続きは公共職業安定所で行います。
4.バーで失敗した例から学ぼう
失敗から学ぶべきことは沢山あります。こちらでは、バー経営で失敗した例を取り上げます。どのような改善点を見いだせるのか、自分の事業に置き換えて考えてみましょう。
準備期間が足りずにそのままオープン
バーを開業するも、オープンまでの期間があまりに短すぎて、入念な準備ができなかったために失敗した例があります。オープン直後にメニューの見直しが発生するなど、開店前にやっておくべきことを多く見落としてしまったのが、これらの事例から考えられる課題と言えるでしょう。バーの準備期間が短すぎたため、開店後に休業してまで準備が必要となる事例もあります。運転資金だけでなく、準備期間にも十分な余裕を持たせることも重要です。
ターゲットを絞れずに経営危機に陥る
顧客のターゲットを絞らなかったために、経営危機に陥ってしまう事例もあります。たとえば「サラリーマン・主婦・学生」がターゲットだとすると、あまりに範囲が広すぎるために、バーのコンセプトがまったく固まらないのではないでしょうか。ターゲットを「サラリーマン」や「学生」1点に絞って、コンセプトの伝わりやすい店舗を作りましょう。
5.バーの種類によって変わるポイント~ダーツバーの場合~
少し変わったバーを経営すると、通常よりも気を配るポイントが増えることがあります。今回は、ダーツバーの場合について考えてみます。
ダーツ機を置くなら床面積に注意しよう
風俗営業許可を取得せずに、0時を超えてダーツバーを営業するためには条件があります。その条件とは、顧客が遊戯のために利用する床面積が、全体の10%を超えないというものです。設置面積が約2.2㎡のダーツ機を置きたいのであれば、バーの床面積が約22㎡以上必要になります。これより狭い店舗にダーツ機を設置する場合は、風俗営業許可の申請をしなければなりません。ただし、こちらの申請をすると深夜0時以降の営業ができなくなるため、ダーツバーとして顧客のニーズを満たせないというデメリットがあります。
顧客と一緒にダーツをするのは禁止
顧客と一緒にダーツで遊ぶのは「接待行為」にあたり、風俗営業許可を取得していない店舗では禁止されています。たとえダーツバーのイベントであったとしても、スタッフは参加することができません。違法な営業をすると店舗に警察から指導が入り、これに従わないと営業停止に追い込まれるおそれもあります。このような違反がないように、気を配っておきましょう。
おわりに
バーの経営を通して、多くの人との触れ合いを持つことに魅力に感じる方は多いのではないでしょうか。しかし、通常の飲食店と比べて多くの手続きや注意事項のあるバー経営では、特に気を配っておくべきポイントが多くあります。店舗の内装や什器にこだわりがあればより高額な資金が必要となってきます。これからバーを開業するのであれば、必要な資金や資格・許可を把握して、入念な準備をしておきましょう。
人気記事(開業・独立)
関連記事(お金、バー、開業費)
事業拡大を目指す企業様
代理店募集、フランチャイズ募集の情報発信サイトです。