ラーメン屋って儲かるの？経営者の年収はどれくらい？

「脱サラしてラーメン屋になりたい！」「大好きなラーメンを極めたい」など、ラーメン屋を志す理由は人それぞれですが、誰もが気になるのがラーメン店は果たして経営が成り立つのかどうか、というところです。
もちろん成功しているラーメン店は数多くありますが、一方で開店して数年後には経営難などの理由から店をたたんでしまっているラーメン店があるのも事実。勢いでラーメン店経営の道に踏み出す前に、ラーメン屋は果たして儲かる商売なのか、具体的な数字を交えながら検証していきます。損益分岐点はどこにあるのか、ラーメン店経営成功のためにやっておきたいことは何か、などを一緒に考えていきましょう。

ラーメン屋で利益を出すのは難しい！？

ラーメン屋に限らず、飲食店を経営する際に考えなければならないことが、原価率・回転率をもとに算出する収支シミュレーションです。ラーメンはどんぶりを使うからといって、経営もどんぶり勘定ではNG。

例えばラーメン1杯800円・原価率30%のラーメンを、家賃15万円/月の店舗を借りて提供すると想定し、簡単にシミュレーションしてみましょう。
繁盛店でも、ラーメンの1日あたりの売り上げはおよそ100杯程度と言われていますから、今回は1日あたりに売れるラーメンは1日平均100杯とします。

＜売上＞
800円×100杯×25日＝200万円

＜支出＞

単純にラーメンだけを提供した場合、月あたりの利益は107万円。1日あたりの利益はせいぜい4万円です。1杯あたりの利益はおよそ430円。もちろん、毎日忙しいわけではなく、繁閑の差があるとするとラーメン1杯あたりの利益は200円〜300円程度になると考えておいたほうがいいでしょう。

また、店主だけでなくアルバイトの雇用や、フランチャイズ店として出店した場合、支出はさらに増えますから、大きく稼ぐのは結構大変なことだというのがわかります。

ラーメン屋で利益が出にくい理由

では、どうしてラーメン屋があまり利益を出しにくい業種といわれてしまうのでしょうか？
ラーメン店に行ったことがある方ならお分かりになる通り、ほとんどのお客さんが注文するのはラーメン1杯だけ。さっと食べて10分〜15分程度で帰っていってしまうことが多くなります。
洋食店であれば、食後にコーヒーやケーキを追加注文することは結構ありますし、滞在時間も長いため客単価も高くなりがち。

一方でラーメン店は、客の滞在時間が短い分、原価率が高いお酒やサイドメニューによる収益が上がりにくいのです。

利益を出すためのポイント

では、ラーメン店で利益を出すためにはどんな経営工夫をすれば良いのでしょうか？ あくまでも一般論になりますが、考えられる戦略をいくつかご紹介しましょう。

できるだけ内製する

ラーメンの原価率を下げれば、それだけ利益も出やすくなります。「製麺所から麺を買うのではなく店内で製麺する」「野菜を安く仕入れるルートを独自に開拓する」など原価率を下げるための工夫はいろいろ考えられます。

内製化を図ることで、少しでも収益を上げる工夫をしてみましょう。

光熱費を意識する

長時間スープを煮込まなければならないラーメン屋はとかく光熱費が高くなりがち。ガス代は仕方がないとして、節約できるのは電気代です。
電力自由化が進んでいる今、電気代は電力会社を乗り換えるだけでも結構節約できます。

客単価UPの工夫をする

ラーメンだけでなくお酒や餃子などのサイドメニューを注文してもらい、客単価を上げるのも収益を上げる戦略としては有効です。チャーシューや海苔追加などオプションメニューはもちろんのこと、ぜひ単価が低い酒類を頼んでもらいやすい店作りをしたいところ。

半チャーハンセット、餃子セット、晩酌セットなどセットメニューを充実させてもいいでしょう。また、ラーメン以外にも話題となる、人気のサイドメニューを1つでも持っているとラーメン店の経営効率はぐっと高まります。

車でしか行けないような場所だと、どうしてもアルコール類の注文は減ってしまいますから、出店時の立地も慎重に決めましょう。

店主の創意工夫がラーメン店成功への近道！

店主の創意工夫が求められるラーメン店経営。他にも経営効率を高めて利益を上げるには、出前を検討するなど方法はたくさんあります。ラーメンにこだわるのももちろん大切ですが、きちんと収益化させるための幅広い視野での経営戦略もしっかりと考えておきましょう。