電力会社を乗り換える際に知っておきたい法律やルール

電力会社を乗り換える際に知っておきたい法律やルール

目次

  1. 1. 電気の供給が途切れないようにする法律
  2. 2. 電気契約のクーリングオフ制度
  3. 3. 電力会社が倒産した時のルール
  4. まとめ

電力自由化が解禁されて以降、電力会社が著しくモラルを欠いた商売をしないように、あるいは消費者を守るために、電気事業法という法律が整備されました。この法律について知っておくことで、悪徳な電力会社に騙されないように、あるいは乗り換える際にトラブルが発生しないようにすることができます。

ということで、今回は最低限知っておきたい電力に関する法律についてピックアップしてご紹介していきたいと思います。

1. 電気の供給が途切れないようにする法律

「有名ではない電力会社を乗り換えて、供給が止まったらどうするの? 」と不安に考えている方も多いのではないでしょうか。いくら電気料金が安いとはいえ、名前も知らない会社と電気という私達のライフラインに関する契約を結ぶのにはいささか抵抗がありますよね?

こういった不安を払拭するために、経済産業省は3段階で供給を確保する仕組みを電気事業法の改正によって構築しています。

一つ目は、電力小売事業に参入するためには、経済産業省の許可を受けることを義務付けるというもの。この時点で怪しい会社やいかがわしい会社は電力事業に参入できないようになっています。つまり、国による厳正な審査を受けた会社でないと電力の販売を行うことができないのです。

二つ目は、毎年度の需要想定と供給計画の提出。つまりどれくらい顧客を増やし、どれくらいの電力を供給する必要があるのかということをしっかり計画書として提出させることで、しっかりとした事業計画を立てさせようとするのです。

三つ目は、インバランスペナルティという制度。インバランスとは供給量不足のことですが、つまりインバランスが発生した場合に高額な罰金が課せられるという仕組みになっています。どの事業者も罰金を支払いたくはありませんし、インバランスを何度も発生させるような企業は財務状況が傾いていきますから、これによって淘汰されていくという仕組みになっているのです。

この三つの法律によって、電気の安定供給が確保されているというわけです。

2. 電気契約のクーリングオフ制度

現在上記で解説したような経済産業省から認可を受ける電力会社は600社以上存在しています。その中には経済産業省の審査をくぐり抜けたとはいえ、モラルを欠いた商売を行う事業者が存在することも確かです。このため国民生活センターには、いくつかの相談事例が寄せられています。

しかしそんな場合でもクーリングオフ制度が適用される可能性があるため、慌てないようにしましょう。クーリングオフが認められる期間は法定の契約書面を受け取ってから8日以内です。解約に違約金が必要な場合であっても8日以内であれば原則としてクーリングオフが可能になります。

また、電話勧誘を受けて電気契約に承諾してしまった場合でも小売事業者は供給開始予定日・料金などを定めた契約書面を送付することが義務付けられています。契約書面が送られてこないまま契約をしてしまった場合には、国民生活センターなどに相談すれば別の方法で解約することができる可能性があるので、諦めずに法的な機関に相談するのが吉だといえるでしょう。

3. 電力会社が倒産した時のルール

皆さんは東京電力や関西電力なら倒産はしないだろう。ということを思われるかもしれませんが、逆に新電力会社であっても、電力会社なら倒産しないだろうということを保証することができますでしょうか?

現に2018年には福島電力という電力会社が倒産とまではいかなくても財政破綻をしたことで業界の話題を呼びました。——そうです、電力会社であっても倒産する可能性はあるのです。

さて、そうなった時に電気はそのまま使うことができるのでしょうか? 答えは「使うことができる」です。

原則として契約していた電力会社から電力が供給されなくなってしまった場合、そのエリアの一般電気事業者、つまり、東京電力や関西電力、中部電力といった電力会社が数ヶ月間電気を供給してもらうことができるようになっているのです。福島電力が数万世帯に電力を供給できなくなった時も、東京電力と東北電力が電力を供給していました。

しかし、その猶予期間の間に新たに電力会社と契約する必要があります。この猶予期間内に電気契約を新たに行わなかった場合はどのようになるのかは事例がありませんが、おそらくある日から電力の供給が止まることになります。

新電力会社から通達が何らかの理由で電力供給ができなくなった場合はおそらく郵送によって「いつまでに切り替える必要があります」などという書面が送られてくることになりますが、念のために自分の契約している電力会社のHPなどを常にチェックしておくなどの習慣はつけておいたほうが良いかもしれません。

まとめ

この他にも、電力自由化以降は電力市場が公正な競争になるように、消費者を始めとする電力需要家に不利益が生じないように様々な法律が存在しています。全ての法律を把握する必要がありませんが、いざという時に身を護るために法律があるということを再度認識すると共に、電力自由化のルールなどについては学んでおくとトラブルを回避することができるでしょう。

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