中古車を販売する時に必要な営業許可とは

自動車が好きだから、もともと自動車販売会社に勤務していたから、といった理由で中古車販売会社を始めたいという人もいるかもしれません。しかし、何か経営を始めるときに必要な手続きがあります。もちろん中古車販売を始めるにあたっても、さまざまな手続きが必要になるのです。

具体的には、中古車販売会社を作るための会社設立の手続きがあります。中古車の取引額が大きいなどの理由から、資金を集めるには会社の方が信用力を高めることができるためです。

さらに中古車を買ったり、売ったりするために必要な古物商許可の手続きも必要になります。また、買い換えの顧客の古い車を引き取る廃車引き取りに必要な自動車引取業の登録の手続きなどです。

このような手続きの詳細などを中心に、中古車販売をするときに必要な許可について、お伝えします。

中古車販売をするために必要な許可について

中古車販売をする会社を経営したいと思ったとき、どのような手続きをすればいいのでしょうか。

そもそも一般的な新車の販売価格は、百万円を超えるものがたくさんあります。そのため、それが中古車でも、それなりの価格で販売することが可能です。

しかし、中古車販売をするにあたっては、中古の自動車を手にいれる必要があります。中古車でもそれなりの価格になりますので、会社を始めるにあたっては、初期費用がかなり必要になるのです。

もちろん自身の貯金を用いることもできますが、それだけでは足りない場合があります。足りない部分は、銀行などから融資を受けることで補うことになるのです。

銀行は、他のローン会社などと比べて金利が低い傾向がありますが、審査が厳しくなります。さらに、中古車販売については、一般的な事業に比べて多額の資金を必要とするため、なかなか融資がおりないかもしれません。こうしたことから、はじめから法人として設立し、銀行に融資を求める場合が多くなっています。もちろん個人経営でも可能ですが、銀行からの融資が厳しい可能性があるのです。

法人化するにあたっては、一定の手続きが必要になります。具体的には法人設立届を出し、法人登記を行うなどです。

その他、中古品を取引するためには、許可を受ける必要があります。この許可を古物商許可といいます。

古物商許可は、書籍を売ったことがある人なら分かるかもしれませんが、お店などに記載がある「古物商許可○○号」と記載します。中古品は、犯罪によって得た物が流通しやすい場所でもありますので、取引するには、許可を得る必要があるのです。

また、廃車を引き取るために、自動車引取業登録が必要となります。

買い取りの場合は古物商許可のみで可能

自動車を買い取るためには、古物商許可を得ることが必要です。古物商許可は、営業をしようとしている場所を管轄する警察署で手続きをする必要があります。防犯係の窓口です。

個人でも許可を得ることが可能となっていますので、法人化せずにまず自動車販売を始めてみようという人は、この古物商許可を得る必要があります。

また、中古自動車を引き取るためには、自動車リサイクルシステムへの事業者登録も必要です。

廃車を引き取る場合は「自動車引取業登録」が必要

中古車販売をするときには、中古車を買う代わりに、今使用している自動車を引き取って欲しいといわれることも多くあります。

しかも、使用している自動車には、長期間使用している物など、再販ができない廃車しかない自動車もあるのです。こうした廃車にしなければならない自動車を引き取るためには、自動車リサイクル法引取業登録（自動車引取業登録）が必要になります。

この登録は、営業所を管轄する都道府県知事または保健所設置市長から受けるのです。各都道府県や保健所のリサイクル担当窓口に申請します。

もちろん廃車を引き取る必要はありませんが、廃車を希望している顧客は引き取ってもらえなければ買わないとする人も。ビジネスチャンスを失わないために登録しておくことがおすすめです。

他方、廃車は整備して販売することも可能となっています。整備する技術を持っている経営者ならば、自分で整備して売ることが可能になります。

その他の手続きは？

以上の手続きの他には、必要に応じて進めていきましょう。たとえば、中古車事業者が参加して取引する「オートオークション」に入会することなどです。

また、自動車に義務づけられている自賠責保険がありますが、この自賠責保険は、新しく自動車を購入する際に加入します。そのため、中古車販売の際に加入を希望する人も多くみられるのです。そのため、自賠責保険の代理店登録をしておくと対応することができます。

さまざまな手続きがある

中古車を販売することを事業として行うためには、さまざまな許可や手続きが必要だとお分かりいただけたでしょうか。

他方、大きなお金が動く市場であること、景気があまりよくない社会情勢のもとにおいては、自動車の中古市場は大きなビジネスチャンスにもなります。

さらに、近年では日本の中古車を海外へ販売する人もいるくらい、日本の車は需要があるのです。

さまざまな手続きが必要ですが、よく分からない場合は、行政書士などの専門家に相談して代行手続きなどをしてもらうことも可能になっていますので、問い合わせてみることをおすすめします。