移動販売車の営業許可を取得する時の注意点

移動販売車の営業許可を取得する時の注意点

目次

  1. 運転席と調理場が完全に仕切られている
  2. 給水タンク・排水タンクが設置されていること
  3. シンクの数が十分であるか
  4. 収納ケースや棚の設置
  5. 換気扇があるかどうか
  6. 消毒などを常時行うことができるか
  7. まとめ

移動販売車(キッチンカー)で食品を調理・販売するためには保健所から営業許可をもらう必要があります。この営業許可は「届け出さえ出せばOK」ということはなく、保健所の基準に則ったレイアウトにする必要があります。このことを知らずに先に車両に改造を施してしまうと、後になって改造をし直さなければならないことにもなるのです。

——ということで、今回は、移動販売車料を改造する場合に事前に知っておきたい注意点についてご紹介していきたいと思います。

運転席と調理場が完全に仕切られている

まず注意しておきたいことは、運転席と調理場に明確な仕切りがあるかどうかということです。これは飲食店で保健所から許可をもらう場合でも同じで、客席と厨房の間には仕切りが設けられていなければなりません。

調理を行う場所は衛生管理が徹底されている必要があるため、「仕切りの有無」は保健所も厳しくチェックするポイントです。間違っても「運転しながら調理もしよう」などと考えないほうが良いでしょう。

給水タンク・排水タンクが設置されていること

キッチンカーは店舗型の飲食店と違って水を自由に供給することができません。水洗はやはり衛生を保つ上でとても重要な要素ですから、水道の代わりになる給水タンクを設置しておく必要があります。また、設置すれば良いというわけではなく、十分な容量の給水タンクを設置する必要があります。

どれくらいの容量の給水タンクが必要かということは、管轄する保健所によって基準が異なることもありますので、事前に保健所に確認しておくと良いでしょう。

排水タンクについても同様です。排水タンクの容量に関しても基準が設けられています。

シンクの数が十分であるか

保健所は「そんなところにシンクがあってもしょうがないのでは?」というようなところまでチェックしてきます。例えばバーのカウンターにもシンクが設置されている必要があったりします。

何を販売するか、どのような構造でどのような広さの調理場になるかによって必要なシンクの数や大きさが異なります。

収納ケースや棚の設置

食品を保管するためのケースや食器または調理器具を保管するための棚についてもチェックが入ります。特に食品を保管するための棚やケースには、防虫対策を施しておく必要があります。例えば、虫が入らないようにしっかり閉まるとか、隙間がないか、みたいなポイントがチェックされることになります。

棚を自作しようと考えている場合は、少し寸法が狂うだけで隙間ができてしまい、保健所から指摘が入る可能性がありますので、注意しましょう。

換気扇があるかどうか

換気扇は必須になります。「車の窓を開けて換気するから大丈夫」というのは保健所では通用しません。換気扇がないキッチンカーはまず営業許可が降りないと考えて良いでしょう。

また、換気扇に網戸を貼るなどして、虫が侵入しないように対策をしておく必要もあります。特に夏場は営業時間外に換気扇から虫が侵入してしまうことも考えられますので、衛生を保つためにしっかりと対策をとっておきましょう。

消毒などを常時行うことができるか

特に移動販売で気をつけておきたいのは、ノロウイルスの感染です。感染力の高いノロウイルスは事業主本人が気をつけていても、お客様の手から広まってしまうこともあります。

このため、移動販売車の中に常時消毒や手洗いができる場所を設けておく必要があるのです。さらに、この手洗い場所は食器を洗う場所や食品用のシンクと別である必要があります。また、保健所からチェックが入る時には石鹸や消毒液をしっかり準備しておくようにしましょう。もちろん、常に常備しておく必要があるのですが、「許可が降りてから購入する」のではなく、衛生上必要なものは買い揃えておくほうが良いです。

まとめ

移動販売は、店舗型の営業に比べて衛生管理上の問題が発生しやすいです。

  • 水の供給が限られている
  • 低温管理がしにくい
  • 加熱処理が不十分になる可能性が高い

こういった理由があるためです。ですので、当然食中毒事故が発生する可能性も高くなってしまいます。「保健所の基準でこうなっているから」という理由だけでなく、「事故のリスクを低減するために」という視点でも、衛生管理は徹底するようにしましょう。

事故が発生してしまうと、膨大な賠償金を支払う必要も出てきますので、それだけで経営が傾いてしまうこともあります。保険に加入している場合でも、一度事故が発生すると保健所からの監視の目もきつくなりますし、お客様からの信頼を損ねてしまいます。

このため、上記でご紹介したことはあくまで参考程度にとらえていただき、実際に車両に改造を施す前に保健所に相談しにいくことをおすすめします。

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