農業を始めるなら絶対知っておきたい農業補助金や助成金

農業を始めるにあたっては農地や機械の購入などの設備投資はもちろん、基礎的な知識やスキルを習得するための費用などもかかります。開業には最低でも2,000万円、1年目の生活費を含めれば3,000万円は見ておく必要があるといわれています。

3,000万円というハードルの高さもあってか、農業を新たに始めようという人は多くはありません。しかし、国としては食料自給率をアップさせたいという切実な願いもあり、農業補助金などの助成金制度などを設けているというのはご存じでしたか？具体的にどのような支援制度があるのか紹介しましょう。

これだけは知っておきたい！農業補助金・支援制度

農業人材力強化総合支援事業

次世代を担う農業者になりたい者に対して農林水産省が、就業前研修に必要な準備資金、就業直後に経営が軌道に乗るまでの支援資金などを交付する制度です。準備資金は最大150万円を2年間、支援資金は最大150万円を5年間受け取ることができます。ただし、交付期間と同期間以上営農することが必須条件なので、どんなに赤字が出ても途中で農業を辞められないリスクはあります。

青年等就農資金

新規就農者に対して農林水産省が、無利子で貸し出しを行い、営農に必要な機械の購入などを支援します。基本的に3,700万円までとされていますが、1億円が認められる特例もあるので、大規模農家を営みたいと考えている人にもおすすめです。返済期間は12年以内となります。

荒廃農地等利活用促進交付金

荒廃農地等を引き受けて営農再開を試みる農業者などに対して、農林水産省が交付する支援金です。たとえば、土地再生作業に対しては10アールあたり5万円が支給されます。

他にもある！開業時に受け取れる助成金・補助金

以上のような農林水産省が推進する支援事業の他にも、経済産業省が支援する補助金、厚生労働省が推進する助成金などもあります。

IT導入補助金

経済産業省では、日本経済を発展させると考えられる事業がIT導入を図っている時、補助金を支給していますが、もちろん農業も対象となります。ただし、審査を通過しないともらえない点に注意してください。

創業・事業継承補助金

経済産業省は、新しいアイデアのもとで事業を開始しようとしている事業主に対して200万円ほどの補助金が支給しています。新しい形の農業を営みたいと考えているならば、利用できるかもしれません。

地域雇用開発助成金

厚生労働省では、国民の生活安定、労働環境の改善などに取り組む経営者に対して助成金を支給しています。たとえば、雇用機会の少ない地域に新たに雇用を創出した事業主には50万円～800万円の助成金が支払われます。過疎化の進むエリアで農業を始め、スタッフを雇い入れた場合などは利用してみてはいかがでしょうか。

トライアル雇用助成金

就職が困難な人を3ヶ月雇用した事業主に、厚生労働省が被雇用者1名につき月額4万円～6万円を支給します。農業を通じてさまざまな人に働く機会を提供したいと考えている人におすすめです。

特定求職者雇用開発助成金

ハローワークを通じ就職が困難な人を継続雇用する事業主に対して、厚生労働省が60万円～120万円を助成します。

まとめ

農業を始めるにあたっては、約3,000万円という大きな金額が必要です。しかし、機械購入に補助金が出たり、無利子・低金利の貸付を利用できたろするなど、自己資金が足りない人にもチャンスは与えられています。返済不要・用途自由の助成金もあるので、あきらめずにトライしてみてはいかがでしょうか。

ただし、支援を受けた期間以上は赤字覚悟で何年か農業に従事しなければいけないなどの縛りもあります。それでも、金融機関から借入をするのと比較すれば、リスクはかなり低いといえます。これから農業を始めようとしているならば、助成金や補助金を賢く利用してみてはいかがでしょうか。