起業をするまでに用意しておくべきお金の目安は?~飲食店の事例~
目次
飲食店を始めるためには、お金が必要です。しかし、どれくらい用意すれば開業できるかなど分からないことも少なくないと思います。そこで今回は、起業するために必要となる資金の内訳、具体的な金額の目安、資金を調達する方法などについてご説明します。
1.まず、起業するにはどのようなお金がかかるのか?
飲食店を起業する際にはいろいろとお金がかかりますが、おおまかに「物件関連」「設備関連」「運営関連」の資金に分けられます。
物件関連の資金
物件関連の資金は、不動産の取得に必要となる費用です。好みの物件が見つかり店舗として利用したいと思ったら、契約をかわすために前家賃・保証金・礼金・仲介手数料などをあらかじめ用意しなければいけません。
設備関連の資金
設備関連の資金は、店舗の体裁を整えるために必要となる費用です。見つけた物件を取得しても、そのまま開店できるとは限りません。多くの場合、建物の改装工事が必要になります。飲食店であれば、厨房にシンクなど各種設備を取り付け調理道具など備品類もそろえる必要があります。
運営関連の資金
運営関連の資金は、実際にお店を経営するための運転資金です。食材の仕入れ代金・スタッフの人件費・光熱費などが含まれます。
2.居抜きがコツ!カフェやバーなどの飲食店開業に必要な資金の目安
開業資金として必要な金額には、ある程度の目安があります。また、どれだけ資金があっても出費は抑えたいですから、経費を節減するための工夫も欠かせません。
開業資金の金額の目安
開業資金として必要となる金額は、業種や物件の家賃など条件によって変化します。いろいろな意見がありますが、飲食店の場合、業界の定石とされている目安は「店舗面積の1坪あたり100万円」です。「年商の50%は用意しておきたい」と考える人もいます。
とくに運転資金は、できるだけ多く用意しておく必要があるでしょう。お店の経営が軌道にのるまでは、それなりに時間を要するからです。目安としては少なくとも「3カ月分」、できれば「半年~1年分を用意したい」といわれています。
出費を抑えるコツ
物件探しや備品調達の方法は、工夫すると出費を抑えられます。たとえば居抜き物件は、改装費や設備費の節約につながるのでおすすめです。不足している備品類も、中古品を購入すると良いでしょう。
運転資金を抑えるなら、開業時の規模を小さくするという選択肢もあります。お店が小規模なら大量の食材や多くのスタッフを確保する必要がないため、仕入れ代金や人件費を節約できるわけです。
3.初めての融資は日本政策金融公庫から!
飲食店の起業に限らず、開業資金を全て自己資金でまかなうことは容易ではありません。そこで利用したい資金調達方法が、金融機関からの融資です。
初めて融資を受けるなら、政府系の金融機関である日本政策金融公庫を利用すると良いでしょう。中小企業や小規模な事業者への支援を、運営方針として掲げている組織だからです。民間の金融機関と違い実績などを求められないため、新規に飲食店を始める人にとっては民間よりハードルが低いといえます。
金利の低さも、特徴のひとつです。もし資金繰りが難しくなったときは、返済期間の延長など相談にのってもらえます。借り入れしやすいだけでなく、返済時の負担も軽くできる頼もしい存在といえるでしょう。
4.融資の可否を左右する事業計画書の書き方!
金融機関に融資を申し込むときには、通常、事業計画書を用意する必要があります。日本政策金融公庫の場合、事業計画書(創業計画書)は規定の書式がありますが、各項目を埋めれば受理されるというわけではありません。融資の可否は、記入内容に左右されます。
融資を受けるためには、説得力のある計画書を書く必要があります。飲食店の場合、ターゲットとする顧客層にニーズのある料理なら多くの注文を見込めるでしょう。競合店の相場をふまえて価格が設定されていれば、一定の収益が上がると期待できます。金融機関から将来性のあるお店として評価されるためにも、市場調査をふまえ現実的な計画書を作成する必要があるでしょう。
おわりに
飲食店の開業資金は、物件および設備にかかる諸経費と運転資金が必要になります。具体的な金額の目安は、業界の定石にしたがえば「1坪あたり100万円」です。開店することだけが目的ではないため、より多くの運転資金が求められます。しかし資金調達は簡単ではないため、出費を抑える工夫は欠かせません。また金融機関から融資を受けるなら、市場調査を怠らず説得力のある事業計画書を作成することが賢明といえるでしょう。
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