バーの照明は暗いほうが良い?明るいほうがいい?

バーの照明は暗いほうが良い?明るいほうがいい?

目次

  1. 店舗のコンセプトを最重要視しよう
    1. 明るさによって人が受ける印象について
    2. 快適な照明について研究したクルイトフのカーブとは?

店舗経営者の悩みでもよくあるのが、照明の明るさについてです。特に大人な雰囲気を醸し出したいバーの照明は非常に難しいですよね。明るすぎても雰囲気が出ないし、暗すぎても酔っぱらいがお多いので危ないです。
今回は、バーの照明はどれくらいが適切なのかについて解説していきたいと思います。

店舗のコンセプトを最重要視しよう

照明で気をつけておきたいのは、店舗が持っているコンセプトです。例えば、大人な雰囲気で売っている無口な店主がいるバーの照明が蛍光灯だと雰囲気が台無しですよね。第一に、お客様に喜んでもらえるような照明というものを考えましょう。

飲食店でもペルソナというターゲットとなる空想上の顧客像というのは必要です。

「あの店のラーメンはさっぱりしてるから、締めのラーメンを食べに来るサラリーマンが多いよね」というのが、このペルソナに当たります。あなたが今想像したお店は「締めにラーメンを食べたいサラリーマン」がターゲットで、その人達をターゲットにしているからラーメンの味をコッテリさせずにさっぱりに抑えているのです。

では、「締めにラーメンを食べに来るサラリーマン」は、お店の照明が明るいほうが良いでしょうか?暗いほうが良いでしょうか?おそらく、この場合は暗いと眠くなってしまうので、明るいほうが良いはずです。

一方でバーのような小洒落た雰囲気が求められる場では、「雰囲気を楽しみたい」という方が多いはずです。ビール一杯頼むにしても、コンビニで購入したほうが安く上がるにも関わらずわざわざバーで飲みたいという方は少なからず雰囲気を楽しむために来ているからです。そのため、人がどのような印象を受けるのかということを重視して照明の明るさや色合いを決める必要があるのです。

明るさによって人が受ける印象について

照明の明るさは「lx(ルクス)」という単位で表されることが多いですが、それぞれ身近な場所に言い換えるとどれくらいの明るさなのでしょうか?
こちらのサイトを参考にさせていただき、以下では表を作成してみましたので、参考にしてみてください。

lx 身近な場所 人が受ける印象
1lx 月明かり 今にも寝てしまいそうな暗さです。星がよく見えるくらいに暗いです。
10lx ロウソク まだまだ暗すぎます。中世ヨーロッパがコンセプトなんですか?と聞きたくなります。
100lx 街灯 これくらいならなんとか…。ただ、店舗としてはまだまだ暗いです。
500lx 蛍光灯等 百貨店のような一般的な店舗はこれくらいの明るさであることが多いです。元気が出てくる明るさだと言われています。
1000lx パチンコ店 ちょっと目がチカチカするくらいの明るさです。ここまでくると明るすぎる気もします。

ということで、どんなに暗くても300lx、明るくても700lxくらいが適切であることがわかります。ちなみに、lxが低ければ副交感神経が刺激され人は落ち着き、明るければ交感神経が刺激されるため元気が出ると言われています。

しかし、これだけでは店舗の雰囲気は出ません。店舗の雰囲気を出すためには、明るさの他に色味も気にしなければならないのです。


引用:照明の光は人間にどんな影響を与えているの!?

色味によっても雰囲気を演出することが可能です。例えば、300lx程度の暗い場所であっても、暖色の光を使うことで、照度は低いけどでも暗くないという雰囲気を醸し出すことができるのです。

逆に照度が高くても青白い光にすることで、落ち着いた雰囲気を演出することも可能です。ちなみに通行量が多く、人が興奮してしまうと困る駅のような場所では、青白い光が使用されているそうです。

これらの光と色合いを駆使して、お客様に満足してもらえるような雰囲気を作り出していきましょう。

快適な照明について研究したクルイトフのカーブとは?

産業社会学(経営学)では、明るさと生産性の関連について100年以上研究されていきましたが、現在はクルイトフのカーブという定義が一般論とされています。
クルイトフのカーブとは、明るさ(lx)と色合い(K)の組み合わせによって、人が快適だと感じるか、不快だと感じるかを表したものです。

この快適な照明環境によって、従業員は無限に生産性があげられるというなんとも奇怪な神話のもと現在も多くのオフィスでも活用されています。

引用:Kruithof curve Wikipedia

上記図のオレンジの範囲は「暑苦しい」と感じ、青い部分は「陰湿だ」と感じるため、どちらでもない白い範囲の組み合わせが快適だと感じるんだそうです。
この説は現代では否定されつつありますが、それはPCの操作やクリエイティビティが求められる現場のみの実験によるものです。

飲食店のような、調理などのどちらかと肉体労働要素の大きい職場では明るいほうが生産性は上がると考えることができます。そのため、お客様の目に触れることがないキッチンスペースなどは明るめに設定しておくほうが良いかもしれません。

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