相席居酒屋は風営法違反にならない?開業前に知っておきたい風営法
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知らない男女が同席し、出会いやコミュニケーションの場となる相席居酒屋。イベントもしやすく、多くの人を呼び込みやすいため、開業を考える人も多いでしょう。しかし、相席居酒屋には、事前に考えなければならないことがあります。
それは、風営法との絡み。どの点が風営法に引っかかるのか、やってはいけない営業方法は何か、見ていきましょう。
相席居酒屋は一歩間違えば風営法違反
相席居酒屋は、従業員に接待をさせるようなものではありませんし、風俗営業6号となる出会い喫茶にも当てはまりません。このため、深夜営業が許されているのです。
しかし、ある程度の注意は必要といえます。後述しますが、もし個室で相席させることがあれば、出会い喫茶に当てはまってしまうのです。相席居酒屋は、ほんのわずかな差で風営法違反になる可能性が高い飲食店。できるだけ気を付けましょう。
相席居酒屋でNGな営業方法
相席居酒屋でやってはいけない営業方法について、見ていきます。
男性または女性に顔を見てから選ばせる
来たお客さんに、すでにいるお客さんの顔を見てから相席する人を選ばせた場合、出会い喫茶に該当する可能性が高いです。風俗営業6号には、
その者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会の申込みを当該異性に取り次ぐこと
風俗営業等業種一覧-警視庁
とあります。
つまり、本人の顔もしくは画像を見て相席する人を選ぶシステムにしてしまうと、風俗営業6号に該当しやすくなるのです。
個室で相席させるようなことがなければOK
風俗営業6号には、
個室若しくはこれに類する施設において異性と面会する機会を提供することにより異性を紹介する営業
風俗営業等業種一覧-警視庁
ともあります。つまり、個室で相席させることで、風俗営業6号に該当してしまうのです。
相席居酒屋を開業しようと考えた際は、個室をつくらず、オープンなタイプの席をつくるように心掛けましょう。
スタッフが常連客を接待する
常連客ができても、スタッフに接待をさせてはいけません。なぜなら、「接待をして」という部分が、風俗営業1号に該当するからです。
分かりやすいのは、キャバクラやホストクラブ。こうしたお店は、お客さんを接待しながら飲食をしたりもてなしたりしますよね。
仮にスタッフが常連客を接待すると、風俗営業1号になりますが、接待さえしなければ、「単にお客さん同士が相席して楽しんだ」というだけになります。この点は気を付けましょう。
とびっきり暗くして営業する
照明を暗くすることで、お客さん同士、盛り上がりやすくなることも事実。しかし、照明を暗くし過ぎると、2号営業の「低照度飲食店」に引っかかってしまいます。低照度飲食店とは、「客席の照明を10ルクス以下にした」お店のこと。
お店の照明はどのくらいか、きちんと確認しておきましょう。
地域によってはグレーな営業になることも
東京都の場合、お客さん同士が対価を伴う交際ができるように仲介する営業は禁止されています。これは、俗にいうデートクラブと呼ばれる業態ですが、相席居酒屋も一歩間違えば交際と見なされかねません。
確かに、風俗営業1号や風俗営業6号に引っかからなければ、OKとなることも多々。しかし、お話した通り、ほんのちょっとでそれぞれに抵触する恐れもあるのです。その点から、地域によって、「グレーゾーン」となることも。
開業前にガイドラインをつくっておこう
相席居酒屋は、男女が気軽に楽しめる飲食店。イベントにもうってつけのため、人が来やすいです。そのため、開業を考える人も多いでしょう。
しかし、風俗営業のように気を付ける点は多いですし、ときにはグレーゾーンとなることも。開業前に、専門家に相談したりしっかりガイドラインをつくったりして、どんな状況にも対処できるようにしておきましょう。
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