風俗営業法の許可が必要な業種ってどんなもの?

風俗営業法の許可が必要な業種ってどんなもの?

目次

  1. 風営法の許可が必要な業種とは?
    1. 風俗営業1号営業
    2. 風俗営業2号営業
    3. 風俗営業3号営業
    4. 風俗営業4号営業
    5. 風俗営業5号営業
    6. 特定遊興飲食店営業
    7. 店舗型性風俗特殊営業1号
    8. 店舗型性風俗特殊営業2号
    9. 店舗型性風俗特殊営業3号
    10. 店舗型性風俗特殊営業4号
    11. 店舗型性風俗特殊営業5号
    12. 店舗型性風俗特殊営業6号
    13. 無店舗型性風俗特殊営業
    14. 映像送信型性風俗特殊営業
    15. 店舗型電話異性紹介営業、無店舗型電話異性紹介営業
    16. まとめ

風俗営業と言えば、ホストクラブやキャバクラ、ピンクでナイトなビジネスを連想してしまいがちですが、実は許可・届出が必要な業種は私達が考えているより多岐に渡ります。

これを理解しておかなければ風営法違反で警察にお縄をちょうだいされたり、お金をちょうだいされたりしてしまうのですが、具体的にはどのような場合に許可が必要になるのでしょうか。

風営法の許可が必要な業種とは?

まず、風営法の対象となる業種とはどのようなものなのでしょうか?これは風営法の第二条で定められています。 大枠からまとめると以下のような行為が風俗営業の対象になります。

風営法上の定義 業態 具体的な種別
風俗営業1号営業 客の接待をして客に飲食をさせる営業 ホスト、キャバクラ
風俗営業2号営業 低照度飲食店 ディスコ
風俗営業3号営業 区画席飲食店 個室居酒屋、カップル喫茶
風俗営業4号営業 射幸心をそそる遊戯をさせるお店 パチンコ店、雀荘
風俗営業5号営業 本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技設備があるお店 ゲームセンター
店舗型性風俗特殊営業1号 公衆浴場個室で異性客に接触するお店 ソープランド
店舗型性風俗特殊営業2号 個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触するお店 ファッションヘルス
店舗型性風俗特殊営業3号 衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行 ストリップ、ポルノ映画館
店舗型性風俗特殊営業4号 異性を同伴する客の宿泊を利用させる営業 ラブホテル
店舗型性風俗特殊営業5号 性的好奇心をそそる物品の販売 アダルトショップ
店舗型性風俗特殊営業6号 健全な育成に与える影響が著しい営業 出会い系喫茶
無店舗型性風俗特殊営業1号 住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する営業 デリヘル
無店舗型性風俗特殊営業2号 電話などで客の依頼を受けて性的好奇心をそそる物品の販売 アダルトグッズの通販
映像送信型性風俗特殊営業 衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業 風俗店紹介サイト、動画配信
店舗型電話異性紹介営業 店舗を設けて面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための会話の機会を提供する営業 テレフォンクラブ
無店舗型電話異性紹介営業 店舗を設けずに面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための会話の機会を提供する営業 携帯電話を利用したテレフォンクラブ
特定遊興飲食店営業 深夜に客に遊興をさせ、酒類を提供する営業のうち、風俗営業でないもの ゲイバー、ダーツバー、ライブハウス、カラオケパブ、ガールズバー

ただ、条文だけ見せられてもわかりにくいと思いますので、これらを噛み砕いて解説していきたいと思います。

風俗営業1号営業

一 キャバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接待をして客に飲食をさせる営業
二 待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

1号営業と呼ばれるのは、キャバクラ、ホストを代表とした「接待」をする営業のことを指します。風営法上では接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」とされていますが、具体的には以下のような行為が接待にあたると解釈されています。

談笑・お酌等

どこかの席に従業員をつけて談笑をするような行為。お酒を注いで「氷入れますか?」くらいの最低限の会話であれば接待にはならないとされています。

ショー・ライヴ等

少数の客のために店内で踊ってみせたり生演奏をしてみせたりする行為。

歌唱・カラオケ等

少数のお客様に対してカラオケで歌うことを勧めたりお客様が歌っている間に手拍子や拍手、合いの手を入れたりする行為。お客様が勝手に店にあるカラオケを歌っており、従業員がそれを無視している状態であれば接待にはなりません。

遊戯・ゲーム等

少数のお客様のゲームの対戦相手となる行為。例えばダーツバーではお客様と従業員の対戦はNGです。お客様同士が対戦する分については接待にはならないのですが、従業員が絡むと接待行為になってしまいます。

これはトランプボードゲームでも同じです。お客様が一人でソリティアを興じる分には問題がありませんが、従業員を交えてポーカーを行うことは接待とみなされます。

スキンシップ

お客様に身体を密着させたり手をにぎったりする行為。社交辞令の握手や泥酔客を介抱する程度であれば問題ありませんが、意味もなく手を握ったりする行為は接待とみなされます。

例えばガールズバーの従業員がヴーヴ・クリコのボトルを入れてくれたお客様に対して勤務時間中に感謝の意を込めて抱きついたりした場合、これは接待行為になります。

風俗営業2号営業

喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた客席における照度を十ルクス以下として営むもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

これは極端に暗い場所で飲食させるような営業形態を指します。例えばクラブやディスコのような施設がこれに当てはまります。

風俗営業3号営業

喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

めちゃくちゃ狭い場所で、邪な考えを持つ人間が現れるのではないかということで規制されているのが3号営業です。要するにカップルシートみたいな感じで隔離された空間では何かが発生する可能性があるから許可を出しましょうということです。

風俗営業4号営業

まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

パチンコ屋や雀荘も風俗営業の一つです。ここは「そうなんだ」程度に思っていただければと思います。

風俗営業5号営業

スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

例えばゲームセンターの中にはスロットが置いていたりしますよね?これは賭博行為になる可能性もあるということで風営法の規制対象となっています。

特定遊興飲食店営業

この法律において「接客業務受託営業」とは、専ら、次に掲げる営業を営む者から委託を受けて当該営業の営業所において客に接する業務の一部を行うこと(当該業務の一部に従事する者が委託を受けた者及び当該営業を営む者の指揮命令を受ける場合を含む。)を内容とする営業をいう。
一 接待飲食等営業
二 店舗型性風俗特殊営業
三 飲食店営業(設備を設けて客に飲食をさせる営業で食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十二条第一項の許可を受けて営むものをいい、接待飲食等営業又は店舗型性風俗特殊営業に該当するものを除く。以下同じ。)のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。以下「酒類提供飲食店営業」という。)で、日出時から午後十時までの時間においてのみ営むもの以外のもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

スポーツバー、ガールズバー、ゲイバー、ダーツバー、スナック等はこの特定遊興飲食店営業に当てはまります。

条文を噛み砕いて言うと、「深夜にお客さんが歌ったり踊ったりダーツをしたりお酒を飲みながら遊興できるけど、接待行為は行わない」そんな業態のことを指します。

例えばダーツバーはスタッフがお客様のダーツの対戦相手になったりすることがありますが、これは接待行為にあたるため、風営法違反ということになります。警察はダーツバーを検挙しようと思えば検挙できるわけです。また、ゲイバーやガールズバーではお客様と談笑をしていますね。これも厳密に言えば接待です。そのため0時以降にこのような営業は行なえないのですが、警察もある程度目を瞑っているような状態です。

店舗型性風俗特殊営業1号

浴場業(公衆浴場法(昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

ソープランドは温泉に個室を設けて異性客に接触させるという業態になります。言うまでもなく地域環境や少年等に対して大きな影響を与える可能性があるため厳しく規制されています。

店舗型性風俗特殊営業2号

個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

これは店舗型性風俗特殊営業1号に街頭しない――つまり浴場業以外で客と異性を個室で接触させる営業となります。ファッションヘルスと呼ばれる業態がこれに当たります。

店舗型性風俗特殊営業3号

専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定するものをいう。)として政令で定めるものを経営する営業
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

長ったらしく書いていますが要するに「衣服を脱いだ姿を見せるために営業している」ことが風俗営業法に引っかかるとされています。

ガールズバーで「水着デー」などと称して従業員に水着姿になることを強要した場合。この場合風営法の届け出が必要になります。

しかし、これが表現の自由と相反することになります。「水着デーとは言ったけど、言っただけで勝手に従業員が水着を着てきた。たまたま従業員の水着が着たい日が水着デーと銘打った日と被ってしまった」――この場合ただ従業員が表現の自由を行使しただけになります。

店舗型性風俗特殊営業4号

専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

これはラブホテルのことを指します。ラブホテルも現在は厳しく規制されており、新たに参入することが難しくなってきています。

店舗型性風俗特殊営業5号

店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

これはアダルトショップのことです。写真、ビデオテープ、その他の物品を販売するためには許可が必要になります。

店舗型性風俗特殊営業6号

前各号に掲げるもののほか、店舗を設けて営む性風俗に関する営業で、善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に与える影響が著しい営業として政令で定めるもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

「政令で定めるもの」とありますが、現時点では2011年に出会い系喫茶が指定されています。

無店舗型性風俗特殊営業

一 人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの
二 電話その他の国家公安委員会規則で定める方法による客の依頼を受けて、専ら、前項第五号の政令で定める物品を販売し、又は貸し付ける営業で、当該物品を配達し、又は配達させることにより営むもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

無店舗であっても性風俗に関する業を営む場合は許可が必要になります。例えばデリヘルは無店舗型性風俗特殊営業の1号に当たります。2号はアダルトグッズの通販業のことです。

映像送信型性風俗特殊営業

専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

インターネットを利用して業として自らが衣服を脱いだ映像を配信したりすることも風営法の対象となります。他にも性風俗店を紹介するWEBサイトもこれに当てはまる場合があります。

店舗型電話異性紹介営業、無店舗型電話異性紹介営業

専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際(会話を含む。次項において同じ。)を希望する者に対し、会話(伝言のやり取りを含むものとし、音声によるものに限る。以下同じ。)の機会を提供することにより異性を紹介する営業で、その一方の者からの電話による会話の申込みを電気通信設備を用いて当該店舗内に立ち入らせた他の一方の者に取り次ぐことによつて営むもの(その一方の者が当該営業に従事する者である場合におけるものを含む。)をいう。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

これはテレクラと呼ばれるものです。店舗の有無にかかわらず異性と電話をさせることを業とすれば風営法の対象になります。

まとめ

ざっくりと条文と共に風営法の対象となる業態についてご紹介してきましたが、皆さんの業種では当てはまりましたでしょうか。

風営法はきっちりと守られていないことも多く、捉え方によっては「違反」ともとれるし「合法」とも取れることが非常に多いです。「接待禁止では営業できないじゃないか!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ルールはルールです。警察から指導が入ってから慌てないためにも風営法の知識を深めて早めに対策しておいたほうが良いでしょう。

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