クレジットカード導入で手数料はどのくらい?
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キャッシュレス化は少しずつではありますが日本でも進んできており、経済産業省の統計によると2008年から2016年の8年間でキャッシュレス決済の数は約2倍にまで増えています。
この流れに乗らずに現金商売を貫いていても、顧客を取り逃すだけになってしまうことに。このためできるだけ早くカード決済を導入する必要があるのですが、クレジットカード会社も慈善事業を行っているわけではないので、当然導入にはコストがかかります。
では、このクレジットカードを導入するにあたって、手数料はどれくらいになるのでしょうか?
クレジットカードの導入手数料は2種類ある
クレジットカード決済を導入するためには、2つの費用が必要になります。
- 端末代などの初期費用
- 決済の度に発生する手数料
初期費用
端末を購入するためには1台10万円近く必要になる場合もありますが、最近は初期費用無料で導入できるサービスも増えています。ただ、初期費用が無料のケースの多くは、決済手数料が高額――。そのため、決済手数料と初期費用の兼ね合いを見て導入するほうが良いでしょう。
また、初期費用が高すぎると感じる場合でも、補助金を利用すれば負担を少なく導入することが可能です。
政府は来る東京オリンピックに向けて外国人が頻繁に訪れる観光地では100%キャッシュレス化対応を目指しています。カード決済等導入にかかるコストの一部を経済産業省が負担することでこれを推進しようとしているのです。
なぜなら、日本のキャッシュレス化は諸外国に比べて遅れており、かたや先進国の中にはキャッシュレス化が90%なんて国も…。日本は25%程度ですから、明らかに遅れていることが皆さんにも理解できると思います。
現金主義を貫いているが故にせっかく日本でお金を使ってくれようとしている外国人を逃してしまっては、国の経済は潤おうどころか衰退していくため、必死になってキャッシュレス化を推し進めようとしているわけです。
補助金の額はエリアによって異なりますが、多くの場合カード導入にかかった経費の2/3を補助してくれます。例えば6万円かかったら4万円は国がお金を出してくれるということ。利用しない手はないですね。
決済の度に発生する手数料
クレジットカードを利用した決済を行うと、1%~5%程度の手数料が発生します。これは、業種や契約する会社によって異なるのですが、だいたい以下のような料率が一般的。
- コンビニ:1%
- デパート:2%
- 小売店:4%
- 飲食店:5%
- バーなど:10%
傾向としては、1年目で廃業率が40%ともいわれる飲食店のような回収リスクが高い店舗の料率は高く設定されており、逆に薄利多売のスーパーやコンビニのような業態では料率が低く設定されています。
顧客に手数料を負担させてはいけない
一部の水商売のお店などでは、高額な決済手数料を負担したくないため、「カード決済の場合手数料かかるけど大丈夫ですか?」とお客様に負担を求めることもありますがこれはいけません。
確かに10%も手数料がつくとお店からの見え方としては、カード決済のお客様は現金のお客様に比べて10%OFFしなければいけないわけですから、払いたくないという気持ちも理解できます。
しかし、「お客様にカード決済の手数料を負担させてはいけない」ということがカード会社との契約で決まっているのです。もし、不正がカード会社に発覚すると、契約違反となりカード決済を利用できなくなってしまうこともありますので、注意しましょう。
手数料を払ってでもカード決済を導入するメリットがある
単純に考えると、お店側は初期費用も支払ってさらに決済の度に手数料を支払うことになるわけですから、利益が減ることになります。
しかし、クレジットカードを導入することで得られるメリットは多数あります。
例えば、ぱっと思いつくだけで、以下のようなメリットがあります。
1.集客ができる
お客様は、カードが使えるお店とカードが使えないお店ならカードが使えるお店を選びたいと考えます。クレジットカードを利用するとポイントが溜まったりするためです。
また、「今月ちょっと現金が少ないんだよね~」という方も、「クレジットカード決済ができるなら」と来店してくれることだってあります。
2.客単価が上がる
カードは現金を支払うわけではないので、非常にお手軽です。ちょっといやらしい話ですが、カード決済であれば余計な物まで買ってくれる可能性があります。飲食店の場合は、「カードで払うなら、もう1杯飲んでいくか」などと思ってもらえるかもしれません。
また、富裕層は比較的カード決済を好むといわれています。大量の現金を持ち歩くリスクが高いと考えているのでしょう。とりわけ海外の富裕層は一切現金を持ち歩かないといわれています。
このような理由から、カード決済のお客様は客単価が高いということが実しやかに囁かれているのですね。
3.金銭トラブルが少ない
現金商売をしていると、必ずどこかでお釣りの渡し忘れのようなトラブルが発生します。カード決済では釣り銭を渡す必要もありませんし、お客様にサインをしてもらう必要があるため、金銭トラブルが少なくなります。
トラブルが発生するとお客様からの信頼を損ねてしまい、場合によっては二度と来店してもらえなくなることも考えられますから、リスクヘッジにもなるのです。
4.内引きや強盗のリスク分散
オーナーの目が届かないところで現金による取引をしていると、従業員による売上金の着服というリスクがつきまといます。
経営者の皆さんは「うちの従業員に限ってそんな…」と思われるかもしれませんが、事実アメリカでは店舗のロスの30%以上は従業員の内引きによるものだとされています。日本では警察に届け出されている数字は6%程度ですが、日本人の性格を考えると、簡単に従業員を警察に突き出したりしないでしょう。つまり、実際はアメリカと同じくらい内引き被害があるかもしれないということです。――働く仲間を疑うのは心苦しいですが、リスクがあることは知っておかなければいけません。
また、空き巣や強盗によって現金を強奪されることだって考えられます。
現金をお店に置いておくことは様々なリスクにつながりますが、クレジットカードであればリスクを分散することができるのです。
まとめ
クレジットカード決済を導入するためには、初期費用の10万円程度、決済が発生する度の手数料が必要になりますが、それを差し引いても導入するメリットがあります。
費用面で腑に落ちない方も、経済産業省から出る補助金などを活用することができるので、うまくカード決済を導入してキャッシュレス化の波に乗りましょう。
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