キュービクルのPCB検査はどこですればいい?

キュービクルのPCB検査はどこですればいい?

目次

  1. キュービクルの検査はメーカーに問い合わせるのが一番はやい
  2. メーカーと連絡が取れない場合
  3. PCBが見つかったらどうする?
  4. PCBの処分関連の罰則
    1. 2027年までに処理を行わず、行政の改善命令を無視した場合
    2. 不正にPCBを他者へ受け渡し、又は譲り受けた場合
    3. PCBの届け出を行わなかった、あるいは虚偽の届け出を行った場合
    4. 不法投棄
    5. 基準不適合な処分業者への委託
  5. まとめ

キュービクルなどの絶縁油として利用されていた歴史を持つPCBは、毒性が非常に高く、2027年までに処理を行わなければ法律によって罰則を受けることになります。「——うちで使っている機器は大丈夫?」と不安になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

ということで、今回は、PCBの検査方法についてご紹介していきたいと思います。

キュービクルの検査はメーカーに問い合わせるのが一番はやい

実はPCBの処分というのは、日本の法律では2016年を期限としたものでした。これは、ある程度どのキュービクルにPCBが使用されているかということが分かっていたからですが、2002年になって、PCBが使用されているはずがない機器から微量のPCBが検出されたのです。

このため、どの機器にPCBが含まれているかの管理を行政ができなくなってしまい、特例措置として2027年までに処理するように法律の改正がされました。

このような背景から、PCB濃度が0.5mg/kgを超える場合は全国5箇所にあるPCB処理施設で処理をする必要があるのですが、キュービクルをお使いの多くの事業者はキュービクルがどのように設計されているかなど分からないと思います。

ですので、製造業者に問い合わせてPCBが含まれているのか、あるいはどのように検査すれば良いか問い合わせるのが最も早くて確実です。もし仮にお使いの製品にPCBが含まれている場合、他の事業者からPCBが含まれていたという問い合わせを受けている可能性が高く、わざわざ検査をするまでもないかもしれません。

メーカーと連絡が取れない場合

PCBは輸入や製造が禁止されてから50年以上経っていますので、その間に倒産してしまった場合も考えられます。また、そもそもメーカーが不明だというキュービクルもあるでしょう。そのような場合は、PCB検査を外部委託することをおすすめします。

環境省はPCBの簡易測定法マニュアルを公開しており、これに従って自ら検査することもできますが、このマニュアルは277ページにも及んでおり、非常に専門性が高いものなので、まず素人がスラスラ解読することは不可能です。

また、PCBの検査には、キュービクル内のコンデンサやトランスから絶縁油を一定量摂取する必要がありますが、高圧電流が流れるキュービクル内を素人が調査するのはとても危険ですし、そもそも電気工事士の資格でも持っていなければ調査できません。

PCB検査は業者に委託すれば数万円で行うことができますし、中には絶縁油のサンプリングまで行ってくれる事業者もあります。マニュアルに記載されていることを数日かけて理解し、わざわざ設備を用意して検査するくらいなら本業に専念したほうがよほど効率的ですので、おとなしく事業者に委託しましょう。

PCBが見つかったらどうする?

PCBが見つかったら、2027年の3月までに適正に処分する必要があります。

ここでいう適正な処分とは、燃えるゴミの日に出してはいけないなどという生易しいものではなく、法律でガチガチに縛られた適正な手順です。前述した通りPCBは非常に毒性が高い物質ですから、PCBを含む絶縁油が飛散したり浸透したりすると大問題に発展します。

このため、PCB特措法という法律によって、

  1. PCBが見つかったら行政に届け出ること
  2. 法令で定められた方法で処分するまでに管理すること
  3. 期日までに処分すること

が定められています。

もちろん、同法によって海に流して処分したり外部の事業者へ譲渡したりすることは禁止されており、どうあがいてもPCBを保有する事業者が処分をしなければならないように規制されていますので、おとなしく法律に従うようにしましょう。

PCBの処分関連の罰則

PCBが見つかっても処分をしなかった場合は、PCB措置法によって罰則が課せられます。その他キュービクルの処分に関わってきそうな法律で定められている罰則は以下の通り。

2027年までに処理を行わず、行政の改善命令を無視した場合

3年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又は併科

不正にPCBを他者へ受け渡し、又は譲り受けた場合

3年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又は併科

PCBの届け出を行わなかった、あるいは虚偽の届け出を行った場合

6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金

また、状況によっては「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」にも抵触します。この法律による罰則は以下の通り。

不法投棄

1億円以下の罰金

基準不適合な処分業者への委託

3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又は併科

かなり重たい罰則ですし、当然前科もつくことになります。必ず法律に則った検査を行い、その上で適正な処分をするように心がけてください。

まとめ

本頁では、キュービクルのPCB検査に関してご紹介をしてきました。PCBが含まれているキュービクルは買い取り事業者に買い取ってもらうこともできませんし、放置しておいてもリスクが高まるだけで良いことは一つもありません。

今なら中小企業や個人事業主は処分に必要な費用の70%(個人の場合は95%)が割引される制度もありますので、早めに検査しておきましょう。

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