起業する前に知っておきたい助成金・補助金の違いと使い方
目次
「独立して会社を興したい」「新しい分野のビジネスにチャレンジしたい」そんな意欲的な起業家が知っておきたいのが、助成金・補助金制度。これらはいくつか種類があり、それぞれ支給金額や適用条件などが異なります。個人事業主や女性起業家向けの助成金・補助金もありますので、自分に合った支援制度を選択しましょう。
1.助成金と補助金のコンセプトの違い
助成金も補助金も、融資と異なり、返済する必要はありません。ただし、両者には支給条件や公募時期、管轄省庁などが異なるため、その違いを理解しておく必要があります。
助成金とは?
特に利用条件もなく、原則受給可能な企業支援が助成金です。公募期間も設定されておらず、常時募集がかかっています。助成金の使途は自由ですが、雇用保険料を原資とする関係上、雇用創出や労務環境の改善、福利厚生の充実など、労働者待遇に関する事業への活用が望まれます。理由もなしにリストラなどを行うと、助成金が支給されなくなったり、助成金対象から外されたりする可能性もあるため、注意が必要です。
補助金とは?
補助金は助成金と異なり、審査をパスした事業者のみ適用となります。公募期間も限定されており、受付期間を過ぎると申請資格を失います。助成金より活用のハードルが高いのは、予算枠が決められているため。補助妥当と判断されるケースのみ支給対象となり、中には採択率が2割も満たない補助金もあります。
2.起業家向けの助成金・補助金
助成金・補助金制度にはいくつもの種類があります。その中でも、起業家におすすめの助成金・補助金制度を以下にご紹介します。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、リノベーションによって新しい製品開発・技術開発に成功した中小企業に対して支給される補助金です。新たな市場の開拓や雇用創出に期待が持てる景気刺激策として予算化されてきました。
当初は製造業のみが対象でしたが、2014年以降は商業・サービス分野にまで適用範囲を広げた「新ものづくり補助金」としてスタートし、幅広い分野の事業活動を支えています。平均して4割程度の申請企業が採択されています。
小規模事業者持続化補助金
規模が比較的小さい事業者向けの補助金で、起業時や個人事業にも適用されます。製造業だと従業員20人以下、卸売り・小売り・サービス業であれば従業員5人以下の事業者が対象です。
広告宣伝費や外注費、店舗リフォーム代金、法人設立に係る書類作成などに要した費用の3分の2(最大50万円)まで支給されます。雇用を増やす取り組みや高齢者対策など社会福祉に資する事業に対しては、最大100万円までの受給が可能です。
キャリアアップ助成金
パート・アルバイト、派遣従業員などの非正規雇用労働者のキャリアアップを目的とする助成金です。6か月以上勤務実績のある非正規労働者を正社員に登用し、そこからさらに6か月継続して雇用すると、該当従業員ひとりにつき60万円が支給されます。
キャリアアップ助成金には、直接雇用を支援する「正社員化コース」と、職業訓練制度の活用を助成する「人材育成コース」、ベースアップや処遇の改善など、労働環境をよくした場合に支給する「処遇改善コース」の3タイプがあります。
3.創業促進補助金は個人事業主も嬉しい
法人を設立せず、個人事業主として起業する人におすすめなのが、「創業促進補助金」です。この補助金は、新たに会社を設立する創業家、または個人事業主を対象とする補助金制度です。このうち、個人事業主を対象とする補助金は、「第二創業補助金」として適用されます。
この制度の適用対象に該当する個人事業主とは、従業員300人以下の製造業、または従業員100人以下のサービス業を営む事業者です。これらの規模で新たにビジネスにチャレンジする個人事業主は、ぜひ「第二創業促進補助金」に申請しましょう。
4.女性起業家のための助成金もチェック
女性で起業を志す人は、女性起業を応援する趣旨の助成金・補助金制度を積極的に活用しましょう。
地域中小企業応援ファンド
地域コミュニティの形成と発展に貢献できる事業の創出を対象とした助成金制度です。各都道府県が運営母体となって運用されるため、支援内容や助成金額は各自治体によって異なります。また、原則として本店の籍がある都道府県に助成金の申請をしなければなりません。
雇用関係助成金
厚生労働省所管の雇用対策を重視した助成金制度です。従業員の雇用維持を促進する雇用調整助成金、または新たな雇用が対象の助成金、人材育成・人材開発のための助成金など、さまざまな種類があります。雇用に積極的な女性起業家におすすめの助成制度です。
おわりに
いち早く事業を軌道に乗せるためにも、便利な助成金・補助金制度を有効活用しましょう。同じ起業家向けの支援制度でも、個人事業主が利用できるもの、あるいは女性起業家におすすめのものまでさまざまです。なお、補助金は審査があるため、誰もが活用できるものではありません。申請の際は、審査官の心を動かす事業計画を策定するなど、準備にも力を注いでください。
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