いざ開業!必要な初期費用と資金調達の方法は?
目次
開業のために必要となる初期費用は、業務形態によって異なります。これらの資金を調達する方法はいくつかありますが、その中でも特に利用しやすいものとして知られているのが公的融資です。これから開業を検討している方のために、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」についてご紹介します。
1.開業資金は事業形態によって変わる
開業するためにどれくらいの初期費用がかかるのかは、事業形態によって変わります。こちらでは、店舗ありの場合・店舗なしの場合・自宅で開業する場合という3つのケースを取り上げて、それぞれに必要となる開業資金を確認していきます。
店舗ありで開業する場合
店舗ありで開業する場合の初期費用としては、最低でも100万円以上がかかると言われています。店舗として利用する物件のためにかかる費用が高額となるため、3つのケースの中でもっとも費用がかかることが予想されます。
まず、物件を借りる際には「家賃」に加えて、不動産会社への「仲介手数料」および「保証金」といった諸々の費用が加算されます。また、物件がそのまま店舗として使えない状態にあると、改修のための費用がかかることもあります。このように、店舗ありで開業するためにかかる費用は、実に多岐にわたります。
店舗なしで開業する場合
店舗なしで開業する場合は、100万円以下の初期費用でビジネスを始められると言われています。たとえば、ECサイト運営をはじめとしたインターネットを利用したビジネスであれば、実店舗がなくても開業が可能です。
店舗なしで開業するとしても、業務のためにはオフィスを構える必要があるかもしれません。PCの設置やインターネット環境を整えるのはもちろんのこと、電話・コピー機・プリンター・ファックスをはじめとした一般的な事務用品を一通り揃えます。
これらの初期費用は、100万円以下で抑えることが可能です。基本的には店舗ありで開業する場合と比較すると、低コストでビジネスを始めることができます。
自宅で開業する場合
店舗なしで開業するパターンの中の1つに、自宅で開業するというものがあります。こちらのケースでは、事務所を借りるための費用がかかりませんから、物件のためにかかるお金を節約することができます。
自宅で開業する場合であっても、少なからず開業資金がかかります。ただし、物件のための費用などを大幅に節約できるため、場合によっては数十万円でビジネスを始められるかもしれません。
参考
https://www.fc-hikaku.net/dokuritsu_kaigyo/1944#anchor1
2.6つの資金調達方法
開業資金を調達する方法は、「公的融資」「借入」「社債」「出資」「助成金」「資金贈与」という6つの方法があります。
- ①公的融資:「制度融資」や「新創業融資」といった公的な融資制度を利用します。
- ②借入:開業の資金を第三者から借入をします。銀行から借入する方法と、親類や友人から借入する方法とがあります。
- ③社債:社債と呼ばれる債権を発行することで、開業資金を集めます。社債は50人以上からの「公募」および50人未満からの「私募」という方法によって集められます。
- ④出資:第三者からの出資によって開業資金を集めます。ビジネスで利益が出た際には、出資者に配当金を支払うことになります。
- ⑤:助成金:制度を利用することで、一部経費の補助を受けます。助成金は返済の必要がありませんが、申請の手続きにはやや時間と手間がかかります。
- ⑥資金贈与:開業資金として、親の財産を税金なしで贈与してもらうことができます。「相続時精算課税制度」を利用します。
参考
http://www.kubotax.com/venture/fund/
3.日本政策金融公庫(日本公庫)の「新創業融資制度」
公的融資の1つとして、政府系金融機関である日本政策金融公庫(日本公庫)による、「新創業融資制度」が挙げられます。
まだ実績のない開業時は、銀行からの借入をしたくても、信用性の問題から融資を受けられないことがあります。それに対して、新創業融資制度を利用すれば、無担保無保証で融資を受けられる可能性があるのです。
創業資金における自己資金割合は「10分の1以上」で条件を満たすことができ、最大融資額は3,000万円です。また、申込みをしてから融資を受けるまでにかかる期間は1カ月半程度と、スピーディーな対応も魅力となっています。
銀行よりやや金利が高いものの、開業のための資金調達方法でお困りであれば、十分に頼りにできる制度だと言えるでしょう。
参考
http://sogyotecho.jp/shinsogyoyushi/?sp=more
4.申請の流れと注意ポイント
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用する場合には、まず「借入申込書」と「創業計画書」という書類を提出します。その後、面談や現地訪問が行われ、審査に入ります。無事に審査に合格できた後、契約の手続きへと入るという流れになります。
申請の際に注意しておきたいのは、創業計画書の作成です。こちらの書類の内容に不備がある場合には、融資を受けることができません。無担保で借入できる制度だからこそ、創業計画書の内容は信頼性のある具体的なものに仕上げる必要があります。
ビジネスで取り扱うサービスの具体的な内容、販売先および仕入先、事業の見通しをはじめとした各項目を、充実した内容に仕上げてください。構想段階にあるビジネスを形にするために、新創業融資制度を活用してみましょう。
おわりに
こちらの記事では、開業のためにかかる初期費用と、資金調達のために利用しやすい日本政策金融公庫の「新創業融資制度」についてお伝えしました。開業を目前にした状況では、銀行などの金融機関の信頼を得られず、融資を受けられないことがあります。また、親や友人と契約をして借入をするのも、人間関係という観点から難しいことがあるでしょう。そんなときは、開業を検討している向けに用意された公的融資を利用してみてはいかがでしょうか。
参考
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