業者が勝手に値上げする!?プロパンガスの不当な値上げにご注意

日常生活を支えるエネルギー源としてのガスは、都市ガス、簡易ガス（団地ガス）プロパンガス（LPガス）という三種類にわけられます。2017年4月1日に、都市ガスの小売全面自由化となりました。ただ、プロパンガスは以前から自由料金制のままで、規制などはありません。法律で料金が規制されていないため、自由に料金設定ができます。

自由料金制で注意したいのが不当な料金の値上げです。残念ながら、プロパンガス業者の中には自由に料金設定ができることを悪用し、不当に値上げを行う所もあります。また、プロパンガス業者は変更可能できることを知らない人も少なくありません。プロパンガスをひんぱんに使用するお店や会社の開業を検討中なら、料金について知っておいて損はないはずです。悪徳業者にひっかからないよう、プロパンガス料金の不当な値上げに関する注意点を理解しておきましょう。

プロパンガスの不当な値上げとは

プロパンガスの料金は上下に変動があります。値上げもすべて根拠のない不当な理由というわけでもありません。そもそも、不当な値上げや悪徳業者の存在があるのになぜ法律で規制されていないのでしょうか？理由は、プロパンガスの原料である原油価格が関係しているからです。プロパンガスの約75％は、海外からの輸入に頼っています。国内で生産する残り約25％も原料を輸入しなければ作れません。

原油価格が高くなれば仕入れ値も比例して高くなります。結果、プロパンガス業者も値上げをしないと赤字になるのです。そのため、国による規制がしづらくなっています。しかし、原油価格が下がったとしても、プロパンガス業者は上がった分だけ積極的に値下げをしないという話もあります。

また、値上げに関する消費者への連絡は液石法という法律で『原則として1カ月前に通知する必要がある』とされているのですが、あくまでこれは努力義務でしかありません。そのため、仕入れ値が下がったとしても値下げをしない、勝手に値上げする悪徳業者も存在しているのです。プロパンガスの料金の内訳について、今まで細かくチェックしてこなかった人は改めて契約当初の値段と比較してみてください。

契約期間の縛りも不当な値上げの要因に

プロパンガスを使うには設備を設置しなければなりません。例えば、ガス配管工事や給湯器を設置する場合、約10万円～12万円程度の費用が必要です。プロパンガス設備の設置に関しては、プロパンガス業者や委託会社などに行ってもらうことがほとんどです。

ただし、注意点があります。配管工事などを無料で行う代わりに、プロパンガス業者は無償貸与という契約を結ぶ場合があります。無償貸与とは『工事費を負担する代わりに、家やお店の配管はプロパンガス業者の所有物となる』契約です。簡単に言えば、配管などの設備をプロパンガス業者から借りる形となります。

また「無償で工事をするので最低限これだけの期間、契約をしてください」という縛りを設けることもあるのです。契約期間はプロパンガス業者で異なりますが、15年という長期に渡ることも珍しくありません。また、無償といっても、実際は月々のプロパンガス代の従量単価に、少しずつ上乗せされるのです。無償貸与契約を結んだあと、契約期間内に値上げを理由として解約しようとすれば、違約金が発生するケースもあります。結果、値上がりをされても泣き寝入りということも少なくありません。

契約前に業者は見極めよう

プロパンガス業者の中には、悪徳業者が存在することを理解した上で、不当に値上げをされないかどうか、いつも注意しなければなりません。ただ、悪徳業者か見極めるのは困難でしょう。本当に大丈夫な業者かどうか調べるには、契約前、インターネットの口コミサイトなどで、すでに契約を結んでいる、あるいは結んでいた利用者の感想などをチェックしてみてください。

口コミだからこそ言える生々しい情報を得られるでしょう。また、知り合いや友人などから情報を集めるのも失敗を回避する方法のひとつです。料金やサービス内容などを聞き、大丈夫と思ったらプロパンガス業者を紹介してもらうのもよいでしょう。

まとめ

プロパンガス料金はプロパンガス業者により自由に料金設定ができます。また、原料となる石油の輸入価格も変動するのも無視できません。しかし、そのことを理解していても、不当な値上げを行う悪徳業者も存在しています。良心的なプロパンガス業者なら料金の内訳もきちんと説明してくれますし、値上げ前には根拠も含めて連絡してくれるでしょう。そのような点も含め、契約時、本当に信じてもよいプロパンガス業者か慎重に見極めることをおすすめします。