フリーランスの老後対策って大丈夫?資金はどれくらい必要?
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フリーランスに限らず自営業を営む人によくいわれている事項に、老後資金への対策が挙げられます。フリーランスなどは、会社員が享受できる優遇措置がないため、老後資金への蓄えが難しいという事情があるために、しばしばいわれている点です。
そのため、フリーランスになった場合、老後資金への対策を自分でしなければなりません。しかし、老後の生活のために、どのくらいの資金が必要か分かって対策をしていますか。また、どんな対策を取っているのでしょうか。
フリーランスの場合、自分ですべてしなければならないことから、有益な情報を知らない場合もあります。そのため、この記事では、老後資金にどのくらい必要か、という点とともに、どんな制度を利用して老後資金を貯めていくかについてみていきましょう。
会社員にあってフリーランスにないものとは
会社員でさえ、老後資金への不安が高まり、人々は貯金などを積極的に考えるようになっています。それにもかかわらず、フリーランスの場合は、会社員よりもさらに老後資金への対策が難しくなっているのが現状です。
なぜならば、会社員ならば、退職金制度があります。これは、定年退職など会社を退職する際に、まとまった一定の額を会社から支給してもらうことのできる制度です。実はこの退職金は、自分の給与から一定額を積み立てている仕組みになっているため、結局自分の給料から貯金していることになります。しかし、人はお金があればあるほど使ってしまうという性質がある反面、少なければそれで生活しようとするのです。
また、こうした性質から、財形貯蓄など一定金額の貯金を毎月天引きしていくことで、長期的にみると大金を貯めることができているという制度を利用することもできるようになっています。
さらに企業年金という制度もあります。もともとは退職金を一度に受け取ってしまうと、短期間で使ってしまうリスクを加味して、企業が年金として預かり、運用し、一定期間年金として給付するという制度から始まりました。現在では、企業型確定拠出年金といって、在職時から積み立てていき、年金支給に上乗せされるという制度も実施している会社もあります。
老後資金はどれくらい必要なのか?
さて、それでは老後資金にどのくらい必要なのでしょうか。一般的には、老後資金3,000万円といわれています。これは、会社員の場合で、退職金が1,000万円程度支給されることを見込んでいるのです。そのため、フリーランスの場合は、これらを合計して、4,000万円ほど必要だということが分かります。
もちろん、この金額は、持ち家信仰の強い日本人の場合で、会社に勤めていた高齢者は、持ち家を有しているということが想定されているのです。このため、借家の場合は、これに家賃をプラスする必要があると試算できます。
フリーランスの老後資金の作り方
さて、それではフリーランスの場合、どのように老後資金を作っていけばよいのでしょうか。まず、国民年金には加入して、納付しているでしょうか。今後の不安はありますが、国民年金は、生きている以上、一定額が国から年金として支給されます。そのため、どんなに貯金がなくなったとしても、一定期間で得られるお金があるのは安心できるのではないでしょうか。
そして、国民年金に月々プラスして納付する国民年金基金 という制度があります。これは、自営業やフリーランスなど1号に該当する人しか加入することができない年金で、将来給付される年金額に上乗せすることができるのです。こちらは加入した年齢などで掛け金が異なっています。
また、フリーランスの場合、個人事業主になっている人も多いでしょう。小規模会社経営者や個人事業主が加入することができる小規模企業共済制度 を利用することができます。これは、個人事業主になり、毎月納付することができる、いわゆる退職金の代わりにすることができる制度です。こちらは月1,000円から7万円の範囲で掛け金を設定して納めることができます。なお、中小企業の経営者は、中小企業退職金共済制度を利用可能です。
さらに、近年では、個人型確定拠出年金 も利用することができます。これは、自分年金といって、自分で運用する年金になります。会社員も加入することができますが、フリーランスの場合は、5,000円から6万8,000円までの範囲で月々の掛け金を決めることができます。
そして、保険会社が提供する個人年金保険に加入するという方法があります。こちらは商品によって異なりますが、毎月天引きで積み立てられるのが特徴です。
それぞれの制度のメリット・デメリットを確認して利用しよう
フリーランスでも、老後資金のための対策をきちんと取る方法はあります。しかし、知らないと利用することができません。
また、制度にはそれぞれメリット・デメリットがあります。たとえば、個人型確定拠出年金は、原則として60歳になるまで解約して今までの全額を支給してもらうことはできません。小規模企業共済制度は、満期はなく個人事業などを廃止しない限り受け取ることができないのです。それぞれ個人型確定拠出年金は年金、小規模企業共済制度は退職金の代わりとして利用できる制度ゆえになります。
老後資金のため、どの方法を利用していくのか、きちんとメリット・デメリットを検討してから、始めるようにすることがおすすめです。よく分からない場合は、掛け金を少なくして初めてみるのもよいでしょう。
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