プロパンガス契約時に注意しておきたいこと

プロパンガス契約時に注意しておきたいこと

目次

  1. 悪徳ガス会社って具体的にどんな会社?
  2. 悪徳ガス会社に騙されないために注意しておきたいこと
    1. プロパンガスの適正価格を理解しておこう
    2. 清廉潔白な会社かどうか確かめよう
    3. 違約金や解約条件についてチェックしよう
    4. 設備の所有権について確かめよう
  3. まとめ

プロパンガスの販売会社は全国に様々存在します。その中には適正価格でガスを提供する優良な会社もあれば、契約時に利用者に負担を与える悪質な会社も存在します。

ガスを契約する時には、ガス会社の良し悪しを見極めなければ損をしてしまうことになるかもしれません。今回は、プロパンガスを契約する時に注意しておきたいポイントをいくつかご紹介していきたいと思います。

悪徳ガス会社って具体的にどんな会社?

実は電気や水道という公共性の高いインフラは、販売会社がモラルを欠いた過度な値上げや契約時に消費者が損をしないように法律で守られていることが多いです。

一方、プロパンガスにおいては料金が規制されておらず、さらに料金の内容の公開は事業者の任意によってされています。平成29年度に資源エネルギー庁から発表された「液石法省令等の一部改正、取引適正化ガイドライン」によって、消費者を守る様々なガイドラインが設けられていますが、これに罰則が適用されるものではありません。

取引適正化ガイドラインは、法令に基づくものではないことから、これを遵守していないLPガス販売事業者に対して、法令に基づく罰則等の適用がなされるものではありません。
液石法省令等の一部改正、取引適正化ガイドラインに係るQ&A

これはプロパンガス事業が全て輸入によって成り立っており、輸出国での需要増加によってガス料金が頻繁に変動するためです。

仕入れ価格が上がっているのに値上げしなければ会社は赤字が出てしまいますから仕方ないのですが、悪徳な会社は罰則がないことを良いことに、料金を公開せずに過度な値上げを行ったりするのです。

また、他にも配管の所有権問題や高額な違約金請求など顧客を取り逃がさないための手口も悪質で、トラブルが非常に多いのです。

悪徳ガス会社に騙されないために注意しておきたいこと

以下ではそんな悪徳ガス会社に騙されないために注意しておきたいポイントをいくつかご紹介していきます。

プロパンガスの適正価格を理解しておこう

プロパンガスの料金は基本料金と従量料金というものの合計が請求されることになります。従量料金とは、「使った分に比例して増える料金」のことですが、悪徳なガス会社は従量料金に対してモラルを欠いた価格を設定していることがあります。

プロパンガスの適正価格は地域や季節によっても変動しますが、関東なら300円前後だと言われています。皆さんは契約を行う時にこの従量料金をしっかり理解した上でガス会社と交渉する必要があります。

なぜならプロパンガスの料金はHPなどで公開する必要はなく、さらにガス会社が自由に決めることができるものだからです。悪徳会社に「この人、何も分かってないから高額な費用ふっかけてもバレない」と思われてしまうと、訳もなく高い単価で販売されることになるかもしれません。

ということで、今回は参考までに各地域のザックリとした適正価格を一覧にしてみました。

地域 適正従量単価
北海道 480円
東北 380円
関東 300円
甲信越 360円
東海 350円
北陸 410円
近畿 380円
中国 380円
四国 400円
九州 410円

全国的に500円を超えてくると少し高いという印象になりますでしょうか。皆さんのエリアの適正料金と比較してみて、この料金より高い場合は「なぜ料金が高いのか」ということを問い合わせてみても良いかもしれません。

――ただ、何かしらの理由があってどうしても高くなってしまうこともあります。プロパンガスはガス管を利用して皆さんの自宅や事業所まで届けるのではなく、運送が必要なものになりますから立地によっても料金は変動する可能性もあります。例えば販売会社から徒歩1分のところにあるAさんのお店と山をひとつ超えたところにあるBさんのお店では輸送にかかるコストが全然違いますよね?この場合はBさんのお店には高い料金単価が設定される可能性があります。

不安な場合は複数社から見積もりをもらって、比較してみると良いかもしれません。

清廉潔白な会社かどうか確かめよう

次に注意しておきたいのは、「最初は安い料金で契約してもだんだんと値上げをされる可能性がある」ということです。

液石法という法律によってプロパンガスを販売する会社は値上げをする際に消費者に連絡する必要があるということが決められていますが、この法律を詳しく見てみると、「原則として1ヶ月前に通知する必要がある」と記載されています。――原則ですから、悪徳な会社は「異例の措置」として消費者に連絡無しで値上げをしてくる可能性があるのです。

「最初は立法300円で契約していたのに気づいたら700円にもなっていた…!」なんて事例もあるようで、この点は需要家たる皆さんも十分に注意する必要があります。

例えばHPで料金を公開していたり、契約書に「値上げをする場合は○ヶ月前までに連絡をします。」と明記されていたりする場合は安心できます。逆に明記されていない場合は注意が必要です。

契約前に利用者の口コミを確認してみるのも効果的なトラブル予防になるかもしれません。

違約金や解約条件についてチェックしよう

プロパンガスを利用するためには配管工事が必要になります。ガス会社はこの配管工事費を負担する代わりに「最低これくらいの期間は契約してくれないと、うちの利益が出ません」ということで最低契約期間というものを設けることが通常です。

最低契約期間は通常15年程度だと言われていますが、この期間内に解約をする場合に違約金が発生する可能性があります。

しかし中には明らかに高すぎる違約金や長過ぎる最低契約期間で条件を提示してくる会社もあります。

後々トラブルを招かないために、複数社で見積もってもらって解約条件や違約金についても比べてみることをおすすめします。

設備の所有権について確かめよう

繰り返しになりますが、プロパンガスを利用するためには配管工事が必要になります。
そして多くの場合、この工事はガス会社が行うか、ガス会社から委託を受けた会社が行うことになります。

この時に、「無償貸与」と言われる契約が結ばれることがあります。これは一体何かというと、「ガス会社が工事費を負担する代わりに皆さんの自宅・お店の配管はガス会社のものになります。」というものです。

つまり、物件の一部がガス会社の所有物となり、契約者である皆さんは無償でそのガス会社から設備を借りている状態になるわけです。そのガス会社と契約している間はトラブルになりませんが、これが問題となるのは解約時です。

――つまり解約できない状態になってしまうのです。配管はガス会社の所有物ですから、解約をすると「無償貸与」の契約もなくなってしまい、ガスの配管が利用できなくなってしまうのです。

こういったトラブルを避けるためには契約書を隅々までよくチェックして「配管の所有権誰のものになるのか」を確認しておく必要があります。

まとめ

プロパンガスの販売店には、よくない商習慣が付きまとっています。賃貸物件では大家さんとガス会社が結託してモラルを欠いた利益を出すといったことも常習化していました。2017年にはこういったトラブルを受けて消費者を守るべくLPガスの販売に関する制度改正が行われたものの、抑止力として期待できるものではありません。

――つまり現時点では皆さんは自分で自分の契約を守る必要があります。そのためにも最低限本頁で解説した以下のようなことに気をつけておきましょう。

  • 高額な請求がされないように適正料金を理解しておこう
  • 契約後値上げされないために会社の評判や誠実度を確かめておこう
  • 違約金や解約条件に関する契約書の記述は念入りにチェックしておこう
  • 工事完了後、設備の所有権は誰のものになるか確認しよう
新規事業・独立を検討中の方はお気軽にご相談ください。
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