ラーメン屋の開業資金はどれくらい?意外とかかる○○費とは!?
目次
当たればでかいと言われるラーメン屋。その廃業率は飲食店の中でも特に高く、成功率は10%もないと言われています。何を持って成功とするのかはわかりませんが、自らのラーメン好きだからという理由でラーメン店を開業する人も多いです。
今回は、成功するかどうかはさておき、ラーメン店を開業するためにはどれくらいの費用がかかるのかということについて解説していきたいと思います。
ラーメン屋の開業資金は2000万円!?
どのような飲食店でも、長期的に経営していくためにはだいたい2000万円くらいの資金が必要だと言われています。
これはバーであっても居酒屋であっても同じです。20坪程度の店舗を経営するためには2000万円くらいの資金がなければ必ず資金不足に陥って廃業を余儀なくされてしまいます。
しかし、自らを優秀な人材であると自負する読者諸君などは「それは筆者が無能で資金繰りが下手くそだからだろう。だが、俺は違う。」などと憤慨されるかもしれない。
――ということで、以下では何にどれくらいの費用がかかって果たして削減することは可能なのかということをチェックしていきたいと思います。
まずは23区内で20坪程度の店舗を開業する場合のケースでザックリ一覧にしてみました。
項目 | 費用概算 | 備考 |
---|---|---|
家賃6ヶ月分 | 1,800,000円 | 新宿の小型商業ビル相場 14,919円 / 1坪で試算 |
礼金・仲介手数料 | 600,000円 | 各家賃1ヶ月程度 |
保証金 | 1,800,000円 | 家賃の6ヶ月~10ヶ月分 |
内装工事 | 5,000,000円 | 厨房・空調・テーブル等 |
製麺設備 | 3,000,000円 | – |
材料費6ヶ月分 | 1,000,000円 | |
水道光熱費6ヶ月分 | 600,000円 | 電気代1万円、水道代2万円、ガス代7万円で試算 |
人件費6ヶ月分 | 3,000,000円 | 社員2名(25万円)+アルバイト(時給1,000円×100時間) |
食器、家具、備品等 | 600,000円 | – |
合計 | 17,400,000円 |
さらに運転のためには固定回線の電話代やレジ機などのリース、保険などに加入する場合はその費用も発生しますし、制服等を用意していけばあっという間に2,000万円近くになってしまいます。
以下ではそれぞれの項目について詳細にチェックしていきましょう。
家賃・礼金・仲介手数料
上記では新宿歌舞伎町の小型商業ビルの1坪あたりの相場14,919円で試算していますが、これがラーメン激戦区と言われる高田馬場や早稲田までズレるともう少し安くなります。
また、都内は賃料が高いですから別の場所で出店する場合はもう少し費用を抑えられます。ただ、ラーメン屋は外注やネズミなどの餌場にもなりがちなので、大家さんによってはリスクを考えてさらに高額に設定される場合もあります。
保証金
保証金は敷金と呼ばれるものですが、都内の場合は家賃の6ヶ月分であることが一般的です。好立地の人気物件などの場合は10ヶ月分が保証金となることが多いです。
このあたりは出店する場所によっても大きく異なるので変動の余地があります。
製麺設備
俗に言う「自家製麺」をする場合は製麺設備を準備する必要があります。本格的な製麺設備を準備する場合は少なくとも3,000,000円のくらいの設備を購入する必要があります。
もちろん、できあがった麺を仕入れることもできますが、ラーメン通たる消費者諸君は麺にも拘るのではないでしょうか。
材料費
豚骨なのか、醤油なのか、味噌なのか、あるいはそれ以外のスープをつくるのかによって材料費も変わってきます。
一般的にラーメンの原価は以下のように考えられています。
- しょうゆラーメン 200円
- とんこつラーメン 250円
- みそラーメン 300円
これを1日100杯売るとすれば、材料費は20,000円~30,000円程度。1ヶ月30日営業と考えれば600,000円~900,000円程度でしょうか。――もちろん、ラーメン一種類で営業するわけではないと思いますので、少なくとも1,000,000円は見ておいたほうが良いですね。
水道光熱費
意外と高いのがこの水道光熱費。特にラーメン屋はガス代と水道代がべらぼうに高いです。なぜなら豚骨のだしを取るために長時間煮込んだり、製麺機は水を供給し続ける必要があったりするからです。
ガス代7万円というのは高めに見積もっているわけではなく、実際にラーメン屋を経営されている方のお話を聞いてもこれくらいのガス代だとおっしゃると思います。
人件費
よく一人で切り盛りしたり最低限の人数で回そうとするお店がありますが、これはあまり良い経営ではありません。なぜならお客様を待たせるようなことになってしまいますし、忙しくなった時に接客が雑になることでお客様を逃してしまう可能性があるためです。
飲食店の利益はほとんど常連客によって生み出されています。常連客はお金を払ってでも捕まえておくべきなのです。そのため、自らが厨房に立つ場合であっても、20坪程度の店を経営する場合はもう1名+アルバイトくらいは欲しいですね。
なお、上記表では25万円で試算していますが、正社員登用する場合は給与の1.25倍は最低限必要になるため、注意しておきましょう。
備品など
茹で上がった麺をお客様に投げつけるわけにはいきませんから、食器は必須です。また、調理器具ももちろん必要ですし、酒類を提供するためのグラスなども必要かもしれません。
このようにアレヤコレヤと必要なものを購入していると想定外の金額まで膨れ上がってしまうのが備品にかかる費用です。ここは皆さんのこだわりもあると思いますので、予め多めに見積もっておくと良いでしょう。
運転資金は6ヶ月分も借りる必要ある?
さて、上記表で家賃や人件費を6ヶ月分で試算していますが、優秀な読者などは「6ヶ月分もストックする必要ある?なんなら俺、広告代理店勤務だったから集客の方法ご存知よ?」などと思われるかもしれないが、これは必要だ。そもそも店舗経営初心者が何の危なげもなく平穏に店舗運営ができるわけがない。つまり必ずどこかで何かしらの資金問題が出てくることになるのです。
例えば最初の1ヶ月目は全く客入りがないかもしれません。もしお客様が入ってきたとしても、それはおそらくオープン需要というやつで、数ヶ月すると徐々に客足は遠のいていきます。
客足が遠のいた時にある程度資金をプールしておかなければ、焦って明後日の方向に方針を切り替えてしまい自滅していくことになるのです。飲食店の35%は1年目で廃業すると言われていますが、多くがこの資金不足が原因です。
そのため必ずある程度の資金はストックしておく必要があります。
まとめ
さて、ラーメン屋を開業するためには何やかんや2,000万円くらいは必要なことがわかりました。2,000万円も貯金することはあまり現実的ではありませんよね?そんな方におすすめなのは、日本政策金融公庫による融資です。日本政策金融公庫は、政府が100%出資の金融機関で日本経済の発展や地域活性化への貢献などの役割を持った金融機関です。
あまり知られていませんが、日本政策金融公庫では新たに事業を開始して経済を発展させるために融資をしてくれます。しかもかなり安い金利で審査も通りやすいため、多くの事業主はこの融資を利用しています。
そのほかの資金調達の方法については、個人事業主の資金調達方法まとめにて紹介しておりますので、是非参考にしてみてください!
人気記事(開業・独立)
関連記事(ラーメン屋、事前準備・知識)
事業拡大を目指す企業様
代理店募集、フランチャイズ募集の情報発信サイトです。