個人事業主が開業届を出すときのポイントと提出に関する知識

個人事業主が開業届を出すときのポイントと提出に関する知識

目次

  1. 1.そもそも起業にはいくら資金が必要なのか
    1. 個人事業主としての起業に必要な資金
    2. 「開業資金」と「運転資金」を用意しておこう
  2. 2.エンジェル?資金調達プロでファクタリング?起業の資金調達方法の種類
    1. エンジェル投資家
    2. ベンチャーキャピタル
    3. ファクタリング
    4. 日本政策金融公庫
  3. 3.個人事業、ベンチャーなど、会社の形態によって制度は違う
  4. おわりに

個人事業主は、開業届を提出するだけで開業できます。手続き自体は無料ですから、手軽にビジネスを始められるのが魅力となっています。ただし、開業してからのことを考慮して、300~1,000万円程度の自己資金を用意しておくと安心です。個人事業主が開業する際の手続きや資金調達についてお伝えします。

1.そもそも起業にはいくら資金が必要なのか

個人事業主として起業するために必要な資金についてご紹介します。

個人事業主としての起業に必要な資金

個人事業主は、基本的に開業届を出すだけで起業できます。この手続き自体は、無料で行えるものです。しかし、事業を軌道に乗せるためにはある程度の資金が必要となります。自己資金として十分な額を用意するか、あるいは融資を受けるなどして資金調達をする必要があります。

100万円の自己資金があると、約500万円の融資を受けられると言われています。業種にもよりますが、目安としては300~1,000万円の自己資金があると安心です。起業を目標にするのであれば、準備期間中に十分な自己資金を用意しておきましょう。

「開業資金」と「運転資金」を用意しておこう

起業するために必要となる資金には、大きく分けて2つがあります。ひとつは「開業資金」、もうひとつは「運転資金」です。開業資金とは、その名の通り開業するための準備段階で必要となる費用を指します。具体的には、開業のための事業所および店舗の家賃や、改装工事のための費用、オフィスに必要な道具を揃えるための費用などがあります。

それに対して運転資金とは、営業を始めてから数カ月間、事業を継続するために必要となる資金です。事業を始めると、毎月家賃や人件費といった一定の費用がかかります。起業して数カ月から1年間は、まだビジネスが軌道に乗っていない段階ですから、十分な利益が出なくても営業を続けられるだけの体力が必要です。無理なく営業を続けるためにも、開業資金だけでなく運転資金を用意しておきましょう。

2.エンジェル?資金調達プロでファクタリング?起業の資金調達方法の種類

起業のために、自己資金以外で資金調達をする方法についてご紹介します。

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、起業して間もない事業を支援する投資家のことです。魅力的なビジネスプランを持つ起業家に対して、金銭的な支援をすることで、ベンチャー企業の成長をサポートしています。金融機関から融資を受けられない状況でも、魅力のあるビジネスであれば、エンジェル投資家から資金調達ができるかもしれません。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、成長中の企業に対して、保有している経営ノウハウや人脈によるサポートを行う組織のことです。企業の成長により得られる利益のために、将来性を見込んで出資してもらえます。資金調達だけでなく、事業が成功するためにあらゆるサポートを受けられるのが魅力です。

ファクタリング

ファクタリングとは、ファクタリング事業者が企業の売掛金を買い取ることによって、資金調達できる仕組みのことです。お金を借りずに資金調達できる方法として、昨今注目を集めています。売上がまだ入ってきていない段階で、売掛金をファクタリング事業者へ売却すると、最短で1~7日で資金調達ができます。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、起業家への融資に力を入れている金融機関です。担保・保証人なしで上限3,000万円まで融資を受けられる「新創業融資制度」は、起業の資金調達でよく利用される制度となっています。申し込みをするためには、事業計画書や資金繰り表といった書類を綿密に作成し、提出する必要があります。

3.個人事業、ベンチャーなど、会社の形態によって制度は違う

個人事業として起業するのか、あるいはベンチャーとして起業するのかによって、起業に必要な資金や利用できる制度が異なります。

たとえば、個人事業主の場合は、開業届を出せば起業できます。それに対して、株式会社を立ち上げるためには、法人設立費用として25~30万円がかかります。

しかし、節税という観点では個人事業主よりも法人の方が、よりメリットがあります。個人事業主は収入から経費を差し引いた金額に所得税がかかりますが、法人は経営者の所得に所得税がかかり、残りは法人税がかかります。

また、社会的な信用という観点においても、個人事業主よりも法人が高いと考えられています。目安としては、売上が1,000万円を超えるのであれば法人を立ち上げるのが適していると言われます。

ただし、万が一ビジネスから撤退するといったときに、法人を解散するためには費用がかかります。それに対して、個人事業主は届け出を出すのみで事業を廃止できるのが特徴です。いずれもメリットとデメリットがありますから、これから始めるビジネスに適した方法で起業しましょう。

おわりに

個人事業主として開業届を出すためには、まとまった資金が必要ありません。ただし、開業資金と運転資金として、数カ月は営業ができる程度のお金を用意しておきましょう。資金調達の方法としては、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルを利用する方法、金融機関から融資を受ける方法などがあります。個人事業主とベンチャーの違いを見極めて、自分のビジネスに適したスタイルで起業を目指しましょう。

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