カード決済を導入する方法と知っておきたい裏技

2018年の4月、日本政府は『キャッシュレス・ビジョン』という政策を打ち出しました。2025年までにキャッシュレス決済率を40％にまで引き上げようという内容です。実店舗の無人化省力化、不透明な現金資産や流通の抑止、消費の利便性向上や活性化などにメリットを見出しています。また、クレジットカード決済だけではなく、QRコードを活用したQRコード決済サービスも登場しました。キャッシュレス決済は世界的にも大きな流れとなっています。これから開業を検討している人も、他人事ではありません。カード決済の導入を検討しているが、具体的になにをすればよいかわからない人もいるでしょう。方法を知れば、スムーズにカード決済を導入できます。

カード決済を導入する方法

クレジットカード決済ができるお店となるためには、カード会社と『加盟店契約』を結ばなければなりません。加盟店となる方法はクレジットカード会社に連絡する必要があります。

ただ、VISA、JCB、MasterCardではなく『アクワイアラ（Acquirer）』と契約を結ぶのです。アクワイアラとは、加盟店の管理や獲得を行っている加盟店契約会社のことで、加盟店がクレジットカードを利用可能になるよう取りついでいるクレジットカード会社となります。アクワイアラ以外では、イシュアという、利用者と国際ブランドの間に入ってくれる会社も存在しているのです。

ただ、日本では、アクワイアラとイシュアが同会社である場合も少なくありません。具体的には、三井住友カード株式会社があげられるでしょう。アクワイアラとしては、株式会社ジェーシービーや、三菱UFJニコス株式会社、株式会社オリエントコーポレーションなどが知られています。どの会社がよいか判断がむずかしいなら、取引のある銀行が相談してみてください。

ただ、加盟店として契約を結ぶためには厳しい審査をクリアしなければなりません。とくに、小規模店舗だと契約がむずかしいケースもあります。他にも、クレジットカード決済では代行業者もあるのでチェックしてください。代行会社を利用すれば、導入手続きも簡単で、入金管理や経理作業の負担軽減、セキュリティ対策もできるのです。ただし、直接契約よりも加盟店手数料などのコストが高くなる傾向にあります。利便性は高くなるかもしれませんが、手数料などのコスト面も考え、導入するかどうか決定しましょう。

カード決済を導入する前に知っておきたいこと

カード決済を導入する前に知っておきたい事前知識もあります。例えば、クレジットカード決済を利用するには、端末機（CAT端末などの信用照会端末）を導入しなければなりません。

端末機にもさまざまな種類があり、一般的に多く導入されている据え置き型でも約10万円前後の費用がかかるのです。はじめて開業する人に限らず、負担は大きいでしょう。また、電子マネーも使えるようにしたいなら、プラス10万円かかり両方で20万円はかかってしまうケースもあるのです。

ただし、銀行に相談をした際、売上が多い企業の場合だとクレジットカード決済端末を無料にしてくれるという話もあるようです。そういう話もあるということだけなので、必ずというわけではありません。まずは相談することをおすすめします。

また、クレジットカード会社ごとに加盟店手数料は異なるのも注意してください。手数料はすべて一律ではありません。手数料に関しては、値引き交渉ができる場合もあります。とくに売上が好調で、クレジットカード決済が増加すれば、クレジットカード会社も手数料を値下げしても大口の顧客を逃したくないと考えるものです。ただ、売上も増えていない最初から手数料を下げる交渉をしても、つっぱねられる可能性が高いので注意してください。

IT補助金を活用しよう

POSレジを導入することでIT補助金が出る場合もあります。POSレジとは、お客と金銭のやりとりをした時点の情報を簡単に管理できるシステムを搭載したレジです。

POSレジを導入すれば、なにが売れているのか分析に役立ちます。在庫管理と連携できるので不良在庫の発生リスクも減らせるのです。また、決済端末と連動させられるPOSレジもあり、クレジット決済に関連するものもあります。POSレジに関する補助金とは、IT導入補助金（平成29年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業）のことです。

中小企業や小規模事業者を対象に、ITツールを積極的に導入して業務の効率化を目指すための補助金ですから、利用しても損はないでしょう。三次公募は2019年1月31日までとなっています。2017年からスタートしていますが、好評だったため2018年も実施されているので2019年も三次公募が終わっても継続される可能性もあるので注目したい所です。もちろん、必ず実施されるわけではないのでクレジットカード決済や、POSレジ導入を検討している事業者の方は随時チェックしておきましょう。

まとめ

世界的にキャッシュレスの波が起きているため、これから開業をする人や、すでに開業はしているけれど、クレジットカード決済に対応していない人は注目しておいたほうがよいでしょう。2020年には、東京オリンピックが控えており、世界中から日本に観光客が押し寄せる可能性があります。支払い時、クレジットカード決済ができないというだけで、販売のチャンスを逃す可能性は否定できません。クレジットカード会社に、導入のための問い合わせなどをしなければならないですし、端末など購入するのも、ある程度の資金が必要なのは否めません。それでも、キャッシュレスによる利便性が優れているのも事実です。クレジットカード決済のシステムを導入してはいかがでしょうか。