auペイと楽天ペイの親密な関係

auペイと楽天ペイの親密な関係

目次

  1. 楽天Payとau Payは店舗網を共有
  2. KDDIと楽天の協力関係とは
  3. ユーザーにとっても事業者にとっても障壁が低い
  4. 今後QR決済のスタンダードとなり得るか
  5. まとめ

2019年の4月からサービスが開始するau Payは、実は楽天Payと親密な関係を持っており、事業者にとって、あるいはユーザーにとっていくつかのメリットがあります。

では、au Payと楽天Payにはどのような関係があるのでしょうか。

楽天Payとau Payは店舗網を共有

2018年ごろから日本国内でも徐々に普及が進み始めたQR決済サービス。Pay PayやLINEペイなどは加盟店もユーザーも増やしていますね。さて、QR決済サービスには色々なサービスがありますが、その中でも特に注目を集めているのが楽天Payです。

楽天Payは既に全国120万店舗が契約していますが、au Payはサービス開始と同時に楽天Payが築き上げてきた120万店舗で利用することが可能になります。

——というのも、au Payは楽天Payと店舗網を共有することを発表しているのです。携帯電話キャリア会社の中ではQR決済市場進出が最後発となったau Payではありますが、サービス開始時点で他のQR決済サービスと同じ土俵に立てるというのは、非常に有利な状況になります。

KDDIと楽天の協力関係とは

楽天はauにこれまで自社が築き上げてきた市場を提供するメリットがあるのでしょうか。実は楽天は2019年10月から通信サービスを開始する予定で、楽天はauにQR決済の店舗網を共有する代わりに、KDDIが持つLTE通信を利用できるようにしてもらうという話があります。

楽天は将来的に自社で2026年までにネットワークを建設するスケジュールで動いていますが、それまでに事業戦略としてユーザーを集めておきたいということもあるのでしょう。2026年まではauの持つ回線を借りることでユーザーの囲い込みと事業基盤の整備を同時に進めようとしているのです。

つまり、QR決済にリスク少なく参入したいKDDIと回線事業に低リスクで参入したい楽天の意図が合致し、今回の店舗網共有という話が出てきたようです。

また、au Payと楽天Payが手を組むという話は楽天のQR決済事業にもベネフィットをもたらします。どのようなベネフィットなのかを以下で解説していきたいと思います。

ユーザーにとっても事業者にとっても障壁が低い

au Payは携帯電話のau WALLETという機能を利用して決済を行うことができる仕組みになっています。他のQR決済ではユーザーにアプリをダウンロードしてもらう必要があり、利用してもらうためにはいくつかの障壁があると考えられます。

どういうことかというと、auの携帯電話を持っているユーザーはスマートフォンを購入した時点で「QR決済ができる状態」にあるということです。ユーザーの中には「QR決済?なんか気になるけどダウンロードしなきゃいけないのは面倒だなぁ…」こんなことを考える人もいるかもしれませんよね?

しかしau Payであれば、「なんか機能追加されたから使ってみよう」ということを考える人も増えるかもしれません。——つまり、au Payは他のQR決済に比べて新規ユーザーを取り込みやすい状態にあると言えます。これは事業者にとってもそうです。ユーザーが増えるのであれば事業者もその決済方法に対応する必要がありますし、楽天Payを導入すればau Payにも対応することができるのであれば一石二鳥になります。

つまり、au Payが利用できるようになるということは楽天Payの加盟店増加にも寄与するのです。

今後QR決済のスタンダードとなり得るか

決済サービスの市場を確保していくためには、ユーザーにとってのメリットばかりに気にかけていてはいけません。同時に加盟店のメリットを気にする必要があるためです。ユーザーに対してたくさんのポイントを還元したとしても、その分加盟店から高額な手数料をとっていたのでは、加盟店が少なくなってしまい、「使える店舗が少ない」ということで廃れていくでしょう。逆に加盟店に対して少ない手数料を請求したとしても、ユーザーにとってメリットがない決済サービスはユーザーが増加しないため、「誰も使う人がいないサービス」となってしまいます。

このため、事業者にとってのメリット、ユーザーにとってのメリットのちょうどよいバランスを保つ必要があるのですが、その点でau Payと楽天Payの協業というのは両者にとってメリットがあることだと考えられます。

新たなアプリにダウンロードが必要なPay PayやOrigami Payに比べてユーザーが利用する可能性が高く、さらに事業者にとっても導入コストの削減や手間を省くことができる楽天Payとau Payは今後、加盟店・ユーザー数ともに増加していく可能性が高いでしょう。

まとめ

au Payはスマホ決済の最後発となりましたが、スマホ決済のシェアナンバーワンの楽天Payと加盟店を共有できるというのは他社と比べて大きな差別化になります。ユーザー数はまだまだ少ない状態がしばらく続くでしょうが、加盟店のカバー率でいうとナンバーワンに躍り出ることになります。

他のスマホ決済を利用するために必要な「アプリのダウンロード」がないというメリットも考えると一気にユーザー数を増やしていく可能性というのは十分にあります。競争が激化するQR決済市場でau Payがどのような位置づけになるのかは、今後も注目です!

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