中国製防犯カメラがもたらす顔認証技術の光と闇とは
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中国国内に設置してある防犯カメラの顔認証技術は日進月歩進化しており、指名手配犯の判別や歩行者の身元特定のようなことが可能になっています。日本にも防犯カメラはいたるところに設置されつつありますが、防犯カメラが引き起こす問題にはどのようなものがあるのでしょうか。
防犯カメラが身元を特定する!?
中国では高度な監視社会がすでに実現しており、一部都市では信号機に監視カメラが設置されています。深圳(シンセン)市などの4都市では、信号無視をすると信号無視をした違反者を監視カメラが捉え、顔認証システムとAIを使用して即座に違反者の名前や住所などの個人情報を割り出し勤務先にも通知して注意をするそうです。
今年に入って寧波市の交差点ではバスラッピング広告に印刷された中国大手家電メーカーの会長の顔を読み取り、違法横断者と認識したことで話題になっていましたが、ともかく監視カメラが個人を特定することができるのは間違いないようです。
中国は国が個人の顔や名前、勤務先を管理しているため、正確に顔を読み取ることができればデータベースと照らし合わせて個人を特定することなど造作もないのでしょう。日本でもマイナンバーという監視システムがあるのでひょっとすると実現できるかもしれません。
監視社会の光と闇
こうした監視社会は、犯罪者の追跡をスムースにしたり、指名手配犯の居場所を特定したりすることで治安維持にも役立つものですが、生活が常に誰かに監視されているという一種の気持ち悪さを受け入れる必要があります。
例えば、国は特定しようと思えば、「あなたは昨日7時34分にコンビニでカップラーメンを購入して、少し遠回りをして自宅に帰っていました。そしてその後友人のAさんと食事をするために12時22分に自宅を出た。」ということが特定できてしまうのです。もちろん、特に理由なく特定の個人を追跡するようなことはないと思いますが、とても不気味な感じがしますね。
中国では防犯カメラを4億台稼働させる予定で、これが実現すれば超監視社会となる。そうなれば、国民に本当の意味でプライバシーというものがなくなるかもしれませんね。
世界の監視に乗り出す中国
さて、ここで一部有識者達が懸念していることがあります。それは、中国製の防犯カメラが世界中の市場で出回っているということです。中国製の防犯カメラは、バックドアというセキュリティホールが見つかっており、このバックドアが原因で遠隔操作や盗聴が行われるのではないかと問題視されています。
バックドアとは、開発段階で設置することが多いIDパスワードを知らなくても入ることができる裏口のようなものだと考えてください。このバックドアが見つかった時、そのバックドアは中国のサーバーを経由してのみ入ることができるものでした。
――これらのことから、一部の国では「中国は国家機密や企業機密を盗み出すためにバックドアを故意に設置したのではないか」と疑いの目を向けました。オーストラリアやアメリカ政府は中国製の通信機器は排除するように勧告していますね。
これを大げさに捉えれば、中国政府は自国民だけでなく世界中の国に防犯カメラを設置して監視しようとしている……という話もなんとなく現実味を帯びます。
いずれにせよ中国製品は避けたほうが懸命
バックドアの設置が故意であったにせよ、単純にメーカーの過失であったにしろ、本来販売する商品にバックドアはあってはならないものです。なぜならその脆弱性に気づいた悪意を持った人間にバックドアを悪用されることで情報が盗み出されるからです。
バックドアは開発段階でテスト効率化のために設置するものですが、バックドアが設置されたまま販売されることなんてあってはなりません。通常は取り除いた状態で市場に流通させますし、このような脆弱性が見つかればたちまちリコール問題にまで発展します。言うなれば、製品を購入した時からインターネットウイルスに感染しているようなものだからです。
中国製の防犯カメラは非常に安価で求めやすい価格ですが、それ相応のリスクがあることを理解しましょう。
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