安いだけではダメ!!注意しておきたい中国製防犯カメラ

安いだけではダメ!!注意しておきたい中国製防犯カメラ

目次

  1. 中国製防犯カメラの問題とは
  2. 故意か過失か
  3. 安さで選ぶとろくなことがない

グローバル化は進み、越境ECと呼ばれる言葉も一般的になってきました。インターネットの普及によって私達は製造国や販売国がどこであろうと商品やサービスを簡単に輸入できるようになっており、これは防犯カメラも例外ではありません。

インターネット上では、中国製品の防犯カメラが国内メーカーや欧州のメーカーに比べて格安で販売されており、急速にシェアを伸ばしてきています。しかし、安いものにはなにか裏があるのが世の常。中国製の防犯カメラは重大なセキュリティ上の問題があることが問題視されているのです。

中国製防犯カメラの問題とは

あるメディアの取材に応じた中国セキュリティ企業の関係者によると、中国インターネットサイトやYouTubeにて、抜き取られた防犯カメラの映像を探すことができるのだという――。何が言いたいかというと、中国の防犯カメラは、設置すると情報が抜き取られたり遠隔で操作されたりする可能性があるということです。

通常監視カメラに内蔵されているコンピューターには、IDとパスワードを知っていなければ使用権を確認することができず、接続を行うことができないように設定されています。このため、ウイルスに感染でもしない限りコンピューターが勝手に遠隔で操作されて情報が抜き取られることは通常考えられません。

しかし、製品の開発段階でメーカーがバックドアという機能を設けることがあります。バックドア(backdoor)とは直訳すれば「裏口」のことですが、コンピューターセキュリティ用語では、正規ルートではない通信や操作を受け入れる不正コードのことを指します。

メーカーは製品の開発段階で、テスト効率を良くするためにバックドアを設けることがあります。通常、市場に流通させる段階ではバックドアは取り除いて販売されることになるのですが、中国の防犯カメラにはバックドアが設置されたまま出荷している製品が多いとのことです。

バックドアが設置されたままだと何が問題かというと、

  • 遠隔でカメラを操作されてプライバシー問題を侵害される
  • カメラが撮影したものがインターネット上にアップロードされる
  • バックドアに気づいた悪意ある不特定多数の人間に情報を盗み取られ、悪用される
  • 諜報活動に利用され、企業機密や国家機密が流出する

など、様々な問題があります。

故意か過失か

さて、中国製の防犯カメラに見つかった脆弱性の問題は、メーカーがバックアップ検査無しに出荷していることが原因であるとされています。しかし、アメリカ下院の情報通信委員会は「中国製品は政治的な動機によってバックドアが組み込まれている」とした上で中国製品を撤去することをCNNのインタビューで勧告しました。

中国製品を国内で売りたくないアメリカ政府と、アメリカから情報を抜き取りたい中国政府……小市民たる筆者にはやんごとなき人達が考えることなど分かりかねますが、いずれにせよ、情報がいつでも抜き取られる状態にあるというのは非常に危険な状態です。

私達が気をつけなければならないのは、安い中国製品は検査なく販売されている可能性があり、深刻な情報リスクを抱えているということです。ミイラ取りよろしく、防犯目的で設置した監視カメラが犯罪に使われてしまうなどということは誰も望まないはずです。

安さで選ぶとろくなことがない

どんな製品でも攻撃をしようと思えば攻撃をされてしまうし、脆弱性を抱えている可能性があります。しかし、安いものを購入するとその製品でセキュリティを維持するために時間やお金を追加で使うことになってしまいます。

確かにメーカーの公式サイトやニュースサイトを見ていれば素早く情報をキャッチすることができます。しかし、脆弱性が見つかって発表されたときには時すでに遅し。――なんてことも考えられますし、対策をするためにはある程度知識が必要です。

もちろん、高い製品を購入すれば良いと言っているわけではありません。安いものを購入すれば、それなりのリスクがつきまとうことをしっかり理解した上で、本当に価値のある製品を見出す目利きこそ、私達に必要なものではないでしょうか。

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