店舗経営の重要なテーマ「電気代を節約」は電力コントロールで上手に削減!

店舗経営の重要なテーマ「電気代を節約」は電力コントロールで上手に削減!

目次

  1. 飲食業で使用するガスと電気の使用量
    1. 飲食業のガス・電気の0代金とは
    2. 24時間営業の店舗のガス・電気の代金とは
  2. 最低限必要な光熱費用
    1. 光熱費を1万円カットするだけで33万円売り上げを伸ばすのと同じ効果がある!
  3. 店舗で使用する電力の内訳
  4. 電気代をコントロールするには
    1. エアコンの設定温度を1℃あげる
    2. シーリングファンを導入する
    3. エアコンの室外機を置く場所を工夫する/日よけをつける
    4. 冷蔵庫の使い方を見直す
    5. LED照明を導入する
    6. 機器の清掃・メンテナンスをしっかりとする
  5. 電力会社の切り替えで費用を削減
    1. 電気会社を切り替えると1日約9時間営業の飲食店は年間悪43万円節約できる!
    2. 電気会社を切り替えると24時間営業の店舗は、なんと年間約116万円も節約できる!
    3. 電気の代金削減を売り上げに置き換えてみると?
  6. 節電がしやすい時間帯とは?
    1. 覚えておきたい「ピーク時間帯」
    2. 電気の代金は時間帯によって異なる
  7. ガスの使用が少ない時間帯
    1. ガス代も時間帯によって価格が異なるプランを設けている会社がある
  8. おわりに

飲食業を営む上で、コストカットはどの経営者も取り組むべき重要な課題のひとつです。
とはいえ、「必要性を感じてはいるけれども、手が回らない」と後回しになさっていた方も多いと思います。
けれども経済産業省では、「光熱費を1万円削減するだけで、33万円売り上げを伸ばすのと同じ効果がある」としているのをご存知でしょうか。
そこで今回は、電気代の節約方法や、電気会社を乗り換えるとどの位コストカットができるのかをご紹介します。

飲食業で使用するガスと電気の使用量

飲食業ではガス代と電気代を非常に多く使います。
実際にどの位のコストがかかるのか、シミュレーションをしてみました。

飲食業のガス・電気の0代金とは

経済産業省では「一般飲食店における省エネルギー実施要領」を公開しています。
居酒屋業店舗の例で面積366平方メートルのお店を例にあげています。
これによると、前述のお店が年間約3,300時間営業をすると、電力量は277,799kWhとなります。
そしてこの店舗での都市ガスを使う量は、10,118立方メートルだそうです。
これをハルエネでんきのシミュレーションで計算すると、電気は年間8,774,326円、ハルエネでんきに乗り換えるだけで、年間-432,928円も節約することができます。
また、電気代プラン比較サイト「エネチェンジ」の「ガス代を計算して節約しよう!」によると、1立方メートルあたりのガス単位料金は約150円となっています。
つまりガス代は基本使用料抜で約1,517,700円となり、電気代とガス代をあわせると、10,292,026円になります。

契約形態 法人
現在ご利用中の電力会社 東京電力
ご契約種別 従量電灯B
ご契約容量 60A
使用月 4月
使用量 23,149kWh(年間に使った量を12で割って算出)

24時間営業の店舗のガス・電気の代金とは

先ほどのシミュレーションを参考に24時間営業の場合の、ガスと電気に使った量と料金を計算してみましょう。
年間3,300時間の営業ということは、毎日営業している場合には1日約9時間、平日のみ営業の場合には年間261日の営業日とすると、1日約12.6時間の営業時間です。
24時間営業の場合には、年間の営業時間は8,760時間になりますので、3,300時間と比較すると約2.654倍です。
電力量は277,799kWh×2.654になるので約737,430 kWh、ガスを使っている量は、10,118平方メートル×2.654になるので26,853.172立方メートルです。
料金を算出すると、電気の代金は23,298,824円(月間平均を61,452 kWhで算出)でガスの代金は3,577,975円(基本料抜)になります。
合計で、年間26,876,799円です。
ハルエネでんきに乗り換えるだけで、年間-1,158,670円の節約ができます。

最低限必要な光熱費用

飲食業を営んでいる方は、光熱費用を「固定費」と考えている方が多いと思います。
けれども光熱費には、「最低限必要な光熱費用」と「節約することができる光熱費用」の2種類があるのです。
無駄な消費エネルギーをカットすることで、コストを大幅に減らすこともできます。

光熱費を1万円カットするだけで33万円売り上げを伸ばすのと同じ効果がある!

経済産業省「一般飲食店における省エネルギー実施要領」にも、省エネによる収益改善効果が紹介されています。
光熱費が売り上げの5%を占めるお店でシミュレーションを行います。
・1日の売り上げを25万円、1ヶ月の売り上げを750万円とする年間売り上げは9,000万円になり、光熱費は5%なので450万円
・年間10%の光熱費を削減する
カットできる金額は45万円になり、それを年間利益にすることができる
・利益率を3%とした場合
年間の売り上げを1,500万円伸ばすのと同じ効果がある
つまり、光熱費を1万円削減するだけで、33万円もの売り上げを伸ばすのと同じ効果があるのです。

店舗で使用する電力の内訳

経済産業省「一般飲食店における省エネルギー実施要領」では、あるお店が1年間で電気を使う量を公開しています。
これによると、1年で合計 約 278,000kWhを使った場合、以下のような内訳になっています。

厨房機器・他 116,282kWh 42%
照明 83,077kWh 30%
空調 63,532kWh 23%
換気 14,90kWh 5%

厨房機器や照明、そして空調で多く使っているのがわかりますね。

電気代をコントロールするには

飲食業で電気の代金をコントロールしたい時は、厨房機器や照明、空調の電気などの節約を行いましょう。
具体的な節電法をご紹介します。

エアコンの設定温度を1℃あげる

エアコンの設定温度を1℃あげるだけで、約10%の節電効果が期待できます。
前章でご紹介したお店の場合、年間空調に63,532kWhもの電気を使っていますので、約6,353 kWhの節電になります。

シーリングファンを導入する

室内の空気を循環させるシーリングファンは、節電効果が期待できるお洒落なインテリアアイテムです。
シーリングファンは電気で動きますが、使うだけでエアコンの設定温度をさげることができるだけではなく、使う頻度をさげる効果も期待できます。

エアコンの室外機を置く場所を工夫する/日よけをつける

エアコンの室外機が直射日光に当たってしまうことにより、熱を持つので熱交換比率が悪くなってしまいます。
直射日光を遮ったり、遮熱塗料で塗装を行うことで、空調コストをカットすることができます。

冷蔵庫の使い方を見直す

経済産業省の「平成22年度省エネルギー政策分析調査事業『家庭におけるエネルギー消費実態について』」では、一般家庭が冷蔵庫で使っている電気の量が電気の代金の約14.2%を占めていると紹介しています。
飲食業では業務用冷蔵庫を利用するケースが多くあるので、一般家庭よりも冷蔵庫で使う電気の量が多いケースも珍しくありません。
適正な温度に設定するだけではなく、庫内の清掃を定期的に行い、冷蔵庫用のカーテンを活用して冷気が逃げないように工夫をしましょう。

LED照明を導入する

東芝ライテック株式会社の公式HPでは、「省エネ計算プログラム」で、LED照明を導入する際のコストや電気の代金を算出することができます。
http://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/syoene/keisan/led_denkyu/led_denkyu.htm#0
例えば、「一般白熱電球20W形相当」をLED照明に変更した場合には、1灯の購入費用は7,560円です。
これを年間365日、1日12時間点灯した場合の電気の代金を計算すると、白熱電球は年間約2,129円なのに対してLED電球は年間約533円で、その差は約1,596円となります。
償却年数は約4.8年となっていますが、営業時間が長ければ長いほど電気の代金はお得になり、償却も早くなります。
1日24時間を365日点灯した場合で計算をすると、約2.4年で償却することができます。
この試算は1灯のみを変えた場合なので、店内の照明を全てLED照明に変更すると、初期費用は掛かってしまいますが、大幅に節電することができるようになるのです。

機器の清掃・メンテナンスをしっかりとする

例えばエアコンでは、経済産業省の「一般飲食店における省エネルギー実施要領」によると、1年間フィルターを掃除しない場合と、定期的にフィルターを掃除した場合では、空調の電気代が年間約10%もアップすると紹介しています。
また冷蔵庫は、経済産業省の「一般飲食店における省エネルギー実施要領」によると、業務用冷蔵庫のドアのパッキンが1㎝欠損してしまった場合には、冷蔵庫では約17%、そして冷凍庫では約27%も電気を多く使うと紹介されています。
きちんと清掃を行うだけではなく、定期的にメンテナンスをすることで、電気を使う量を減らすことができるのです。

電力会社の切り替えで費用を削減

前述した「飲食業のガス代・電気代」では、経済産業省「一般飲食店における省エネルギー実施要領」を基に試算をしました。
居酒屋業で面積366平方メートルのお店の場合、年間約3,300時間営業をすると、電気を使う量は277,799kWhとなります。
節電を行うためには、毎日の地道な努力が必要ですが、電気会社を切り替えるだけでも費用を大幅にカットすることができます。
この電気を使っている量を基に、実際に電気会社を切りかえるだけでどの位の電気の代金が安くなるのか試算してみましょう。

電気会社を切り替えると1日約9時間営業の飲食店は年間悪43万円節約できる!

ハルエネでんきの「ご利用シミュレーション」では、1ヶ月の電気を使っている量を入力するだけで、どのくらい費用が安くなるのか計算することができます。
277,799kWhを12で割って、1ヶ月当たりの電力使用量を約23,149.9kWhと試算、四捨五入した23150kWhで計算をしてみます。

契約形態 法人
現在ご利用中の電力会社 東京電力
ご契約種別 従量電灯B
ご契約容量 60A
使用月 4月
使用量 23150kWh
プラン 法人スマートプランLB
ハルエネでんきの電気の代金年間 8,341,758円
現在のプラン料金(概算) 8,774,705円
ハルエネでんきに契約を変更するだけで年間 -432,947円もお得
月間平均 -36,079円もお得

※先ほど「飲食業のガス代・電気代とは」でご紹介したシミュレーションは東京ガスのもので、毎月の電気を使っている量を細かく設定した結果ですので、シミュレーションの結果には差があります。
この様に、電気会社を乗り換えるだけで年間約43万円もの節約が可能になるのです。

電気会社を切り替えると24時間営業の店舗は、なんと年間約116万円も節約できる!

24時間営業の場合には、年間の電気を使っている量は約737,430kWhなので、1ヶ月の平均は61.452.5kWh、四捨五入すると61.453kWhになります。

プラン 法人スマートプランLB
ハルエネでんきの電気の代金年間 22,140,514円
現在のプラン料金(概算) 23,299,203円
ハルエネでんきに契約を変更するだけで年間 -1,158,689円もお得
月間平均 -96,558円もお得

なんと年間約116万円もの節約になります。

電気の代金削減を売り上げに置き換えてみると?

先ほど算出した、1日9時間営業の場合は電気の代金を年間約43万円節約、24時間営業の場合には電気の代金を年間約116万円節約という数値を、売り上げに置き換えてみましょう。
「光熱費を1万円削減するだけで、33万円もの売り上げを伸ばすのと同じ効果」があるので、43万円削減すると1,419万円、116万円削減すると3,828万円の売り上げを伸ばすのと同じ効果があります。
月間にならすと、118.25万円と319万円になります。
24時間営業の店舗の場合、月間では319万円、年間では3,828万円もの売り上げを伸ばすのと同じ効果なのです。
これだけ売り上げを伸ばすのは大変な努力が必要ですよね。
電気会社を乗り換える重要性がお分かりいただけたと思います。

節電がしやすい時間帯とは?

電気は貯めることが難しく、発電量を調整することで需要と一致させるように電気会社が調整を行っています。
このため、電気料金が時間帯によって異なるのです。
節電をするためには、電気を使っている量を減らすだけではなく、電気を使う時間帯にも注意することが大切です。

覚えておきたい「ピーク時間帯」

ピーク時間帯は、1日の中で一番多く電気が使われている時間帯のことです。
夏は冷房が多い昼間で、冬は暖房や照明を多く使う夕方の時間帯がピークです。
つまり、季節によって電気を多く使う時間帯が異なるのです。
※)これは家庭と産業用や業務用を含んだ電力需要の全体から算出されているので、店舗の営業時間帯によって異なります。

電気の代金は時間帯によって異なる

一般的に「夜間の方が電気の代金が安い」とされていますが、これは電気会社との契約内容によって異なります。
例えば、深夜営業を行っている居酒屋が夜間料金が安い契約を行った場合、確かに夜間の電気の代金は安くなりますが、その分昼間の電気の代金は従来の契約より約20~30%高くなります。
昼間に仕込みやランチ営業などを行って電気を多く使っている場合には、電気の代金がかえって高くなってしまっている可能性もあるので注意が必要です。

ガスの使用が少ない時間帯

ガスを使っている量が一番多いのは、仕込みや家庭での調理が行われる夕方の時間帯です。
昼間はやはり需要が多く、夜の時間帯が少なくなります。

ガス代も時間帯によって価格が異なるプランを設けている会社がある

各社は、需要の高い時間帯に応じて、時間帯プランを設けています。
ガスを使う時間帯によっては、契約を見直すことで料金を安く抑えることができるようになります。
この際、営業時間だけではなく、仕込みでガスを使う時間も考慮しましょう。

おわりに

電気会社を自由に選ぶことができるようになり、自社に合ったプランや企業を選ぶだけで、簡単に光熱費を抑えることが可能になりました。
電気会社を変更しても、基本的には立ち会いが必要なく、送電が停止することもありません。
検針票があれば、どのくらい安くなるのか試算ができますので、コストカットのための施策とあわせて、電気会社の見直しも是非検討してみてください。

新規事業・独立を検討中の方はお気軽にご相談ください。
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