高圧電力から低圧電力に切り替える際に気を付けたいこと
目次
「高圧電力での受電をやめて低圧電力に切り替えよう」と思った際、気を付けておきたいことはたくさんあります。
一体それはどんなことなのでしょう?
- 電気代
- 単相や三相
- キュービクルの処分
などから、注意点について見ていきます。
低圧電力のほうが電気代は高い
高圧電力は、大体1kWで17円ほど、低圧電力は1kWで30円ほどとされています。つまり、低圧電力は高圧電力に比べて、10円以上高くなるのですね。
- 今の電気料金はいくらほどか
- 低圧電力に変えることでどのくらい高くなるのか
あらかじめ試算しておくとよいでしょう。
低圧電力では動かない電化製品も
高圧電力では、単相や三相というコンセントの種類に気を使う必要はありません。しかし低圧電力では、三相200ボルトの電化製品は動かなくなります。
そもそも、単相や三相とは何でしょう?単相や三相とは、大きく分けて
- 単相100ボルト
- 単相200ボルト
- 三相200ボルト
の3種類。
単相とは、小規模の工場や飲食店、一般家庭で使われる電力で、100ボルトと200ボルトがあり、低圧電力となります。
対して三相は、「動力」とも呼ばれている、200ボルトだけが存在する電力です。しかも、単相より少ない電流にもかかわらず得られる電力は同じという性質を持っているのです。三相は主に、工場や病院で使用されるような大きな機械を動かす施設で使います。
もうお分かりですね。つまり、低圧電力は単相となるため、三相200ボルトの電化製品は動かないのです。もし使いたい場合は、動力プランを追加契約する必要があります。
キュービクルの処分に費用がかかる
高圧電力を使う場合、キュービクルと呼ばれる設備を使って、6,600ボルトを100ボルトや200ボルトに低圧しなくてはなりません。しかし、低圧電力ではキュービクルを使用しませんので、邪魔になってしまうのです。
そこでキュービクルを処分するのですが、この処分は、非常に手間がかかります。キュービクル内部に、変圧をするための器械やコンデンサなどが設置されているのですが、これら器機類にPCBと呼ばれる物質が入っていることも。そのため、PCBの含有について、確認しなければならないのです。
PCBとは、ポリ塩化ビフェニルのことで、毒性が高いとされるもの。そのため、PCBが含まれているかを、メーカーに依頼したり分析したりして、確認します。検査費用の目安は、1万円~5万円ほどです。
もし、PCBが含まれていた場合は、行政へ届け出た上で、適切に保管をし、決められた期間までに廃棄するといった手順を取ります。この廃棄には数百万円が必要になることも。まぁ、PCBが含まれていれば、いずれにせよ2027年までに処分しなければ法律違反で罰則を受けることになるのですが……。
しかしPCBが含まれておらず、まだ新しいキュービクルの場合は、買い取ってもらえる可能性が高いです。その場合は、事業者に相談し、いくらになるか見積もりを出してもらいましょう。
工事負担金が発生することも
長らく高圧受電をしている施設ですと、低圧受電をするために必要な設備が整っていないこともあります。
低圧電力を受電するには、柱上変圧器を電柱に設置しなければなりません。高圧電力ですと、柱上変圧器を使わないため、電柱に設置されていないことが多いのですね。
さらに、柱上変圧器の設置だけでなく、場合によっては幹線工事も必要になり、その際電力会社から、工事金額の負担を求められることも。その額は、20万円~100万円といわれており、決して安い金額ではありません。
低圧電力に切り替える前に、事業者や電力会社に必ず相談し、
- 必要な工事は何か
- 工事にかかる期間はどのくらいか
- 必要な工事すべてを行った場合の費用はどのくらいか
見積もりを出してもらいましょう。
高圧電力から低圧電力に切り替える際の注意点は多い!
高圧電力から低圧電力に切り替えると一口にいっても、
- 電気代
- 単相や三相
- キュービクルの処分
など気を付ける点はたくさんあるのです。
- 本当に低圧電力のほうが良いのか
- 費用はどのくらいかかり、どこから捻出するのか
- 低圧電力への切り替えにどのくらい期間がかかるのか
など、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
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