電力会社が破産!?電力自由化は本当に大丈夫?

電力会社が破産!?電力自由化は本当に大丈夫?

目次

  1. 新電力の現在
  2. 電力自由化の弊害
  3. 電力の特殊性
  4. 契約している電力会社が破産したら

新電力の福島電力が、7月19日に債権者から破産を申し立てられ、福島地裁いわき支部は8月8日に破産手続き開始を決定しました。

電力自由化により新規参入したものの、現在全エリアで電力の供給を終了しています。

全国に8万の需要家を抱え、全国の不動産会社と提携することで入居者と契約を交わし、急拡大。その中で、未請求やご請求をはじめとした問題を起こし、新電力事業から撤退しました。撤退後は取り次ぎとして電気事業に携わるつもりだった福島電力は、結局事業を継続できず破産してしまったのです。

新電力の現在

ある調査によれば、全国の電力会社100社を調査したところ、2017年度に営業黒字を出した企業は6割。つまり残り4割は赤字ということになります。

規模の大小を問わず、契約を取れていない会社も少なくないようです。

こうした状況を見ていると、福島電力の一件が特別なことではなく、今後も電力業界から撤退する企業は増えていくと予想されます。

冒頭で挙げた福島電力の例に限らず、倒産・撤退した新電力はいくつか存在します。

例えば、電力小売自由化が始まった直後に倒産した企業は、自治体などに低価格で電気を販売する反面、調達コストの上昇により資金繰りが悪化したことが原因で破産してしまいました。

また、ある新電力は電気の供給を止める旨を停止のわずか一月前に告知し、他社に乗り換えるよう顧客に依頼したため大きな混乱を招いたのです。この新電力の撤退理由は「電力乗り換え時に発生する事務処理に対応できる体制を整えられなかったこと」「処理コストで採算性が低下したこと」という2点でした。

電力自由化の弊害

電力自由化により異業種から家庭向け新電力に参入した企業は苦戦しており、販売実績のない事業者は86社。その内18社は事業の開始すらできていない状況です。現状、価格競争で一般電気事業者に対抗するためには利幅を抑えるしか手はなく、せっかく新規参入しても疲弊して撤退する企業が少なくありません。

これでは、「いつ撤退するか不安で新電力との契約に抵抗がある」という人が出てくるのも仕方ないといえるでしょう。

今後、自由化された電力市場を機能させていくためには、事業者が安心して投資・参入できる環境づくりが必要といえます。電気の安定供給と価格の低下は一見相反しているように思えますが、両立していくことで市場は活性化し機能していくのではないでしょうか

電力の特殊性

電力は、ガスや石油と違い備蓄しておくことができません。また、供給が需要に追いつかないと停電になりかねません。とはいえ、過剰に発電してしまうと電気料金が上がってしまいます。

そのため、電力を安定的に供給するためには、30分単位で需要量と供給量を一致させる必要があります。これは「30分同時同量」といい、電力供給の基本的な考え方です。

新電力が30分同時同量を達成できずに電力が余ったり不足したりすることを「インバランス」といい、発生させてしまった場合、電力会社にペナルティとして罰金(インバランス料金)が科されます。インバランス料金は一定ではなく、地域の電力会社の発電設備構成や経営状態により異なり、季節や時間帯などによっても変動します。3%が一つの目安となっており、3%以内なら比較的安いのですが、超過すると高額な罰金を払わなければなりません。

万が一インバランスが発生した場合、一般電気事業者が不足量の補給や余剰分の買い取りなどの調整を行うため、利用者に不都合がないという点では安心といえるでしょう。

契約している電力会社が破産したら

契約している電力会社が破産した場合でも、一応の救済措置があり、すぐに電気が使えなくなるわけではありません。電力自由化の制度には「最終保障供給約款」というものがあり、新電力から電力の供給がなくなっても、一般電気事業者が一時的に電気の供給を代理することになっているからです。

手続きの方法は難しくなく、新しい電力会社に個人情報と「供給地点特定番号」という22桁の番号を伝えるだけで契約できます。また、これまで契約していた(破産した)電力会社と解約する必要はありません。新しい契約先から解約手続きが届けられることになっています。

ただしいくら猶予があるとはいえ、あまりのんびりしているといずれ送電は止まってしまいます。送電停止前に通知が来ることになっていますが、可能な限り早く電力会社を乗り換える方が良いでしょう。十分な時間をかけて、乗り換え先の電力会社やプランを選ぶためにも、余裕がある内に対応してください。

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