切り替えた電力会社が倒産したらどうなるの?

切り替えた電力会社が倒産したらどうなるの?

目次

  1. 電力会社が倒産するとどうなる?
  2. 海外では停電した事例も
  3. 日本の電力自由化は停電リスクが少ない
  4. それでも新電力を選ぶメリットは大きい?
    1. 電気料金が安くなる
    2. 地球に優しい電力を選べる
  5. まとめ

電力自由化により、大手電力会社を解約して、新興電力会社いわゆる新電力と契約を結ぶこともできるようになりました。新電力にはお得で魅力的なプランがある一方、大手電力会社のような安定性がないのも事実です。

もし、切り替えた電力会社が倒産してしまった場合、いったいどうなってしまうのでしょうか?新電力のリスクについて調べました。

電力会社が倒産するとどうなる?

もし、電力会社が倒産したとしても、国による救済措置がとられ数ヶ月間は電気供給を滞りなく受けることができます。各地域の大手電力会社が倒産した新電力に変わって電気供給するよう法律で義務付けられているのです。

たとえば、2018年に福島電力が破産した際にも、約8万人の契約者に対してこのような救済措置がとられました。しかし、大手電力会社からやがて停止日の通知が届き、期限を過ぎれば電気を止められてしまいます。

このように契約していた電力会社が倒産しても、ただちに電気を止められることはありません。しかし、できるだけ早く他の電力会社と契約を結び直す必要があるでしょう。

海外では停電した事例も

1996年に電力自由化がスタートしたカリフォルニア州ですが、2000年夏から翌年にかけて電力小売会社の不当な値上げなどのスキャンダルによって倒産などが続き、発電会社が売りしぶりを行い、ついには停電が頻発するカリフォルニア電力危機が引き起こされました。

電力危機を発端としてカリフォルニア州経済は悪化の一途をたどり、ついには当時の州知事がリコールされるという事態に。電力は自由化すれば良いというものではなく、発電会社が十分な利益を得られるようなシステムを守らなければいけないなど、いくつもの課題を残しています。

日本の電力自由化は停電リスクが少ない

電力事業には発電、送配電、小売という3部門があります。これらのうち、電力自由化によって新電力が参入できるようになったのは発電と小売です。送配電については、電力自由化後も政府が許可した大手電力会社だけが行っています。

日本の電力自由化では、これまで通りに大手電力会社が発電し送電した電気を、消費者に販売する小売業者が急増しました。したがって、電力そのものは大手電力会社が提供していたものと何ら変わらず、抜群の安定性も期待できるというわけです。

したがって、カリフォルニア危機のように発電会社の倒産によって電力供給が追いつかなくなるといったことはおそらく起きないでしょう。よほどモラルが欠如した電力の小売業者が増えるのでもない限り、停電が発生することもないといえます。

それでも新電力を選ぶメリットは大きい?

新電力は大手電力会社と比較して倒産リスクが大きいのは事実です。それでも、新電力を選ぶメリットとしては次のようなものが考えられます。

電気料金が安くなる

やはり、新電力はリーズナブルな電気料金が魅力です。年間20,000円以上安くなることもあるというのは見逃せません。

地球に優しい電力を選べる

新電力の中には少数ですが再生可能エネルギー100%をセールスポイントにしているところもあります。大手電力会社よりもCO2排出量が90%ほど少ない新電力などもあり、環境問題に関心の高い人にとっては魅力的なのではないでしょうか。

まとめ

電力自由化といっても、日本の場合は大手電力会社が発電、送配電を行っている安定した電力を、新興電力会社がリーズナブルなプランで販売しているというケースがほとんどです。これまで通りの安定した電力供給を、より安い料金で利用できるのはお得といえるでしょう。

もちろん、新電力は大手電力会社ほどの安定性はありません。しかし、万が一倒産したとしても国の救済措置によってただちに電気が止められてしまうということもないので安心です。カリフォルニア危機のような大停電の心配もないので、新電力に思い切って切り替えてみるのもひとつの選択なのではないでしょうか。

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