飲食経営者が気をつけておきたい法律

飲食経営者が気をつけておきたい法律

目次

  1. 食品衛生法
    1. 無許可営業
    2. 国外からの食品輸入
    3. HACCPの未導入
  2. 風俗営業法
    1. 無許可営業
    2. 深夜酒類営業との兼業
  3. 労働基準法
    1. 残業代の未払い
    2. 有給休暇の未消化

飲食店は毎年全国各地で開業していますが、年間の廃業数は5万件を超えるといわれています。そんな飲食店の多くは資金難に陥って廃業していることもありますが、法律違反によって営業停止命令が出されるケースも。

特に近年は2020年の東京オリンピック、またその後の観光客誘致のために「徹底した衛生管理による食の安全」が求められ、世界基準に追いつこうとしている過渡期にあります。つまり、保健所からの目も徐々に厳しくなっていこうとしているのです。

現代はSNSの普及もあり、「世間からの目」も厳しくなっていますから、徹底した法令遵守が求められる時代でもあります。——ということで、「知らなかった」で済ませられない飲食店の経営者が気をつけておきたい法律についてご紹介していきますので、以下でご紹介する法律に気をつけて経営で失敗しないように対策をとっておきましょう。

食品衛生法

どのような飲食店でも注意しておかなければならないのが、「食品衛生法」です。食品衛生法は消費者の食の安全を維持するための法律で、添加物などの基準や飲食店などの設備要件、検査などが取り決められています。

そんな食品衛生法の中でも特に注意しておきたいポイントについて以下でご紹介していきます。

無許可営業

飲食店を開業するためには、事業規模を問わず「飲食店営業許可」を取得する必要があります。飲食店営業許可は保健所から出される許可で、許可書なしに営業していることが発覚した場合は「無許可営業」となり2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課せられます。

国外からの食品輸入

飲食店を経営していて、食材にこだわって海外から材料を輸入しようと考える方も多いかもしれませんが、海外から輸入した食材が日本国内の基準に則っていない可能性があることも配慮しておきましょう。

例えば食材の加熱不足や細菌の量の基準に満たないケースはよくある事例です。

HACCPの未導入

HACCPとは、食品衛生マネジメントシステムとして世界中で採用されている規格のことですが、2020年から日本国内の事業者もHACCPによる衛生管理に取り組むことが義務化されました。

この決定は2018年の6月に行われたため、まだ知らない事業者も多いかもしれませんが、自治体によってはHACCP基準の衛生管理を取り組んでいないことによって罰則を設ける可能性もありますし、営業許可が剥奪される可能性もあります。

2021年までの猶予があるとはいえ、衛生管理システムは一朝一夕で導入できるものではありませんので、早めに準備して備えておくようにしましょう。

風俗営業法

次に飲食店の違反が多いのが、風俗営業法です。風営法はバーや居酒屋で知らない間に違反している可能性もあります。具体的には以下のようなことに気をつけておきましょう。

無許可営業

風俗営業(過度な接客など)を行うためには、事前に警察に届け出を行う必要がありますが、これを知らずに違反している飲食店も多いです。例えば以下のようなことは風俗営業とみなされます。

  • お客の席につき、お酌をして長時間接客する(キャバクラ方式の接客)
  • 従業員とお客がゲームなどをして遊ぶ
  • 過度なボディタッチなど

バーに通ったことがある人なら「え、それも風俗営業なの!?」と思ってしまうようなものでも、風俗営業に該当しますが、これを無許可でやってしまうと無許可営業となりますから、バーの経営者などは注意をしておく必要があります。

深夜酒類営業との兼業

風俗営業と深夜酒類営業(夜0時以降種類を主たるサービスとして提供する営業形態)は兼業することができません。「主たる」ですから、ラーメン屋やカフェで酒類を提供する場合は0時以降であっても許可は必要ありませんが、バーや居酒屋はこの深夜酒類営業に該当します。

これらの許可を取得している店舗は、風俗営業を兼業することはできませんので、注意しておく必要があります。

労働基準法

次に労働基準法も飲食店ではよく違反が見られる法律です。具体的には以下のようなことに気をつけておきましょう。

残業代の未払い

一日8時間以上の業務をさせる場合は通常の賃金1.25倍の割増賃金を支払う必要があることはよく知られていますが、週40時間を超える労働に対しても割増賃金を支払う必要があることは意外と知られていません。

飲食店では、人材不足から週6日以上の勤務をさせることがありますが、フルタイムで働かせる場合6日目はまるまる残業手当として計上する必要があります。

もし残業手当を支払わずに通常どおりの時給で換算してしまうと、残業代の未払いとして法律違反となるので注意しておきましょう。

有給休暇の未消化

原則として全営業日の8割以上出勤する従業員に対しては、雇用形態を問わず有給休暇を付与することが義務付けられています。2019年以前は付与するだけでOKだったのですが、2020年以降は最低でも5日以上の有給消化が義務付けられるようになりました。

2021年の4月になったタイミングで有給休暇を5日以上取得していない従業員が一人でもいた場合、その従業員が有給を取得する意思がなかったとしても、雇用主が罰則を受けることになりますので注意しましょう。

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