美容室の経営者が知っておきたい経営上のリスクと保険
目次
美容室ではお客様の髪や肌に関するケアを行う場所ですから、どんなに細心の注意を払っていても、または従業員や経営者の皆様に落ち度がなかったとしても業務上の事故は起こりえます。
例えば、髪を切っている時にお客様がくしゃみをしてしまい、体が動いた反動で思わぬ場所を切ってしまうこともあるでしょう。あるいはヘアカラー剤が目に入ってしまうなんてことも考えられますね。
こういったリスクは放置していると思わぬ損害を被ってしまう可能性があり、一つの事故で経営が傾いてしまうことも。つまり美容室では様々なリスクを考えた上でそのリスクを小さくしていく必要があるのです。
美容室経営者が知っておきたいリスク
さて、では具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。
施術中の怪我
美容師の皆さんは刃物を扱っています。しかもハサミはさぞ切れ味の良いものであることでしょう。ちょっとしたこの切れ味の鋭いハサミをお客様に近づける必要があるのですから、「絶対に事故は発生しない」と言い切れる美容師の方はいないはずです。
実際に施術を行うのが人間である限り、必ずミスは発生してしまいます。
お客様の洋服を汚す
美容室で収益を上げるためにはやはりカットやカラーは必要になってきます。しかしカラーやパーマ剤が何かの間違いでお客様の服に付着してしまう可能性も存在するはずです。
肌トラブル
カラー剤やパーマ剤はお客様の肌に合う合わないがあることは、最早筆者よりも皆さんのほうがご存知でしょう。カラー剤やパーマ剤が原因でお客様の肌にトラブルが発生してしまい、通院することになれば経営者の皆さんが責任を取らなければならないこともあるはずです。
預かったものに関するリスク
美容室では来店されたお客様の荷物をお預かりするのが一般的ですが、預かった荷物を紛失してしまったり、壊してしまったり、汚してしまったり……などというリスクも考えられます。
あるいはお客様の荷物を誤ってお渡ししてしまう可能性だってありますね。
サロン販売品による事故
リスクはお客様が来店されている時だけではありません。美容室ではいかに客単価を上げるかが収益を確保するために重要となってきます。このため、ヘアワックスやトリートメントを販売している店舗も多いのではないでしょうか。
こういった販売品がお客様の肌に合わず、病院を利用することになった場合は販売した店舗が責任を負う必要があることもあります。
火災のリスク
美容室は飲食店などに比べて火を取り扱うリスクは少ないですが、お湯を出すためにプロパンガスを契約している店舗も多いのではないでしょうか。ガスを扱っている手前、火災のリスクがないということは言い切れません。
盗難のリスク
美容室では常に従業員がお客様についているという営業形態であるため飲食店や小売店に比べれば圧倒的に盗難のリスクは低いですが、その油断が仇となる場合もあります。
盗難とは金銭の盗難だけでなく、商品や設備にも降りかかるリスクです。多くの美容室では小売店のように防犯対策がされていないでしょうから、逆に泥棒からすれば犯行を行いやすいと捉えられるかもしれません。
リスクを回避するために必要な保険
上記で紹介したようなリスクを小さくする保険にはどのようなものがあるのでしょうか。
美容所賠償責任補償制度
「ヘアーカット時にお客様の耳を切ってしまった」「お客様の衣服を汚してしまった」「カラー剤が原因でお客様の肌にトラブルを発生させてしまった」——といったリスクは美容所賠償責任補償制度という保険を利用することでリスクを小さくすることが可能です。
「お客様の預かりものを紛失してしまった」などの美容室特有のリスクを安価な掛け金で補償してもらうことができる制度なので、是非活用してみてください。
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険は、賃貸契約を締結しているなら多くの事業者が加入している保険だと思います。いわゆる施設に対する保険です。
例えば施術場所から洗髪所へお客様を誘導する時に段差があり、転倒してしまった、床が濡れていてお客様が滑ってしまった…そんな場合に補償してもらうことができる保険です。
施設賠には火災や水災を補償する種類のものもありますので、リスクが高いと判断できる場合は民間の保険にも加入しておくと良いかもしれません。
盗難保険
先程お伝えした「店のものを盗難されるリスク」以外にもお客様同士で盗難が発生する可能性もあります。お客様の荷物を預かり、預かっている間に盗難されたとあっては「店舗の管理体制が甘い」とみなされ責任が問われる可能性もありますね。
こういったリスクを考えた上で盗難保険に加入しておくことも考えましょう。盗難保険の中には預かりものが盗難された時の補償をするものもありますので、補償内容をチェックしてから加入するようにすると良いでしょう。
まとめ
美容室では美容室特有のリスクというものが数多く存在します。全てはお客様のためと考えていても、どんなに細心の注意を払っていてもリスクは確かにそこにあるのです。
長期経営をしていく上では、こういったリスクを見てみぬフリをすることはできません。リスクに備えて加入する保険をよく考えるようにしておきましょう。
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