美容室を開業したら年収はどれくらい?
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懸命に勉強をして美容師になったあとは、美容室で勤務しながら、技術を磨いていく人が一般的です。そして、何年か修業を積み、独り立ちできるようになった頃、独立して自分のお店を持つ美容師も多くいます。しかし、気になる点は、独り立ちして美容室を開業した場合、どのくらいの年収を得ることができることではないでしょうか。
カリスマ美容師などとしてテレビに出演している美容師もいれば、芸能人と結婚している美容師もいます。そのため、とても多くの金額を稼いでいると思っている人も多いかもしれません。現実はどうなのでしょうか。今回は、美容室の経営者になると、どのくらいの年収を手に入れることができるのかという点を中心にお伝えします。
美容室経営の年収はどれくらい?
美容室を経営した場合、どのくらいの年収を得ることができるのでしょうか。もちろん経営の場合は、お店全体の売り上げや美容室を運営していく経費が必要になります。また、雇われている労働者ではないため、年収という言葉が正しくないかもしれません。しかし、勤務している美容師の年収と比較するために、あえて年収という言葉を用いて考えていきましょう。
厚生労働省が公表している平成29年「賃金構造基本統計調査」 によりますと、美容師の平均年収は、284万1,900円になっています。
この資料をみると、一般的な美容師は、日本人の平均年収よりも138万円低いということが分かります。それほど美容師の給料は多くないということが読み取れるのです。
美容師は、接客して髪を切るなどの施術をしなければ収入にならないため、ずっと立ちっぱなしのことが多いのが現状でしょう。他方、施術には集中力が必要な場合が多くとても疲れます。このような激務な環境であるゆえ、独立して自由に働きたいと思う美容師が多いのかもしれません。
さて、それでは実際に美容室を開業して得られる年収はどのくらいなのでしょうか。統計資料からは賃金構造なので、経営者の場合は反映されているかどうか難しいところがあります。
美容室オーナーの80%が年収450万円以下とよくいわれているのです。また、売り上げが思った以上上がらず、廃業してしまうオーナーも多いとされています。いわゆる美容室を経営していたところを賃貸するいわゆる居抜き物件が数多くみられるのも、そのためです。
こうしてみると、美容室のオーナーは思った以上に、厳しい年収であることが分かります。
売り上げはどれくらい?
それでは、本当に経営者の年収は450万円以下なのでしょうか。実際にシミュレーションしてみましょう。
売上を試算してみる
施術時間は平均1.5時間
並行して施術できるには限度があるため、1日8時間の営業時間で6人程度の来客
週1日休業日を設定のため、月25日営業
上記のケースを元に計算をしてみると、1日あたり36,000円の売り上げが見込め、25日では90万円になります。
1月あたり90万円を1年間では1080万円の売り上げが想定できます。
もちろん、この売り上げは、1人で稼働した場合です。どんなに人気がある美容師でも、施術に一定の時間がかかってしまうため、売り上げにも限度があることが分かるのではないでしょうか。テレビに出たりすることで、接客以外の高収入が得られれば、年収は上がります。
このため、美容師を雇い、来客数が多くなれば、その分売り上げを上げることが可能です。1人雇うことで、たとえそれほど人気が発展途上だとしても、半分の売り上げが上げられれば、店舗としての売り上げは1620万円になります。
経費はどれくらい?
さて、売り上げが上げられたとしても、店舗を経営していくためには一定金額の経費が必要です。
具体的には、以下が挙げられます。
・洗髪などに使う水道代から、店舗の照明やドライヤーなどに使う電気代などの水道光熱費
・店舗を借りるための家賃
・予約や顧客との連絡手段であるインターネット回線や電話回線などの通信費
・パーマネントのための薬剤やシャンプーなどの材料費
・他に美容師を雇ったときは人件費
このように、一定の経費は毎月かかることになることが分かります。都心などでは、店舗の家賃は広さによっても異なりますが20万円前後が多くなっているので、これだけでも年間240万円必要なのです。
こうしたことから、来客がなければ経費ばかりがかかってしまう状態になるため、廃業に追い込まれてしまうことになってしまいます。
美容室経営者だけが独り立ちの手段ではなくなっている
美容室を開業した場合、一定の来客数が見込めるのならば、それなりに売り上げを伸ばすことができ、経営者の年収も高くなっていくでしょう。そして、人件費として美容師を雇ったとしても、固定費は給料だけですので、それほど経費がかかりません。このため、いかに来客してもらい、美容師を雇うことができるかが売り上げを伸ばすポイントになりそうです。
なお、近年フリーランス美容師という生き方も登場してきています。これは、店舗を持たないフリーランスの美容師として働くことです。顧客からの指名に基づき、既存店舗を借りて施術を実施するという形態になります。こうした多様な働き方が出てきていますので、ご自身の働きやすい環境で働いてみてはいかがでしょうか。
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