会議を効率化する方法7選!無駄な会議はもうやめよう
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日本の企業では、「無駄な会議」が非常に多いと言われています。筆者は海外で働いたことはないので、海外の実情については存じ上げませんが、少なくとも何社か渡り歩いた中で無駄な会議が多かったことは確かで、これが一般的であることは世間が物語っています。
ある企業のデータでは、日本人の会社員が会議に出席している時間は生涯で30,000時間に上ると言われています。「そんなバカな…」と思われるかもしれないが、試算してみるとこれは至って現実的な数字であることがわかります。そしてその「無駄」が日本全体の生産性を低くしているためか、日本の生産性は世界の先進国の中で最下位…。
会議が大好きな読者諸君などは、こう思われたかもしれない。「なに!?我が社の生産性が低いということか…!?よし、生産性改善のためのアイデアを出すミーティングを開催しよう!!」
――冗談はさておき、今回は、無駄な会議とはどのようなものなのか、また、会議の時間を削減して生産性を上げるためにはどのようなことをするべきなのかについて解説していきたいと思います。
無駄な会議で30,000時間が無駄になっている!?
皆さんの会社では、どれくらいの頻度で会議が開催されてるだろうか。筆者が広告代理店の勤務時代には、「打ち合わせ」と呼ばれるものが一日に3つも4つも入っていた。
例えば一日のスケジュールは以下のような感じ。
8:00 | 出社・メールチェック |
---|---|
8:30~10:00 | プロジェクト会議 |
10:00~10:30 | 朝礼 |
10:30~12:00 | 定例会議準備 |
12:00~13:00 | 移動・昼休憩 |
13:00~15:00 | 定例会議 |
15:00~15:30 | 移動 |
15:30~16:00 | 会議後のまとめ |
16:00~17:00 | 部会 |
17:00~23:00 | 各種作業 |
23:00 | 退社 |
改めて見返してみると1日に5時間も会議しているではないか…。
どれだけ時間を無駄にしてるかを大げさに表現するために1週間の中でも会議が多い日をピックアップしてタイムテーブルにしてみたが、それでもこういう日が一週間に1回はあるし、さらに毎日絶対に2~3件の打ち合わせは入っていました。これでは作業は進みません。残業を余儀なくされてしまいます。――もちろん、残業代は出ません。
さらに広告業界のように残業が常習化した会社では終業後も打ち合わせが入ったりしますし、会議のための打ち合わせ等細かい10分20分の打ち合わせもたくさんありました。こうして考えると少なく見積もっても平均して一日に3時間くらい会議があることになります。
すると一週間で15時間、一ヶ月で300時間、一年間で3,600時間が会議で消えることになります。22歳~60歳まで労働すると考えれば、38年間で136,800時間が会議で消費されることになります。
筆者の場合は一般的な人よりも労働時間が長かったので、一桁超えてしまっていますが、それでも生涯30,000時間というのはそれなりに現実的な数字であることがわかります。
――しかし、サラリーマン時代は「こんな会議必要なの?」なんて思いながら参加しているものも多数ありました。では、無駄な会議とはどのようなものなのでしょうか。
こんな会議必要ない!無駄な会議5選
まずはどんな会議が無駄な会議なのかということを洗い出してみましょう。
1.会議のための会議
ひどい時は会議のための会議のための会議になるのがこれです。「次の定例会議で部の数字を発表しなければいけないから、役割分担も兼ねて一度部で打ち合わせをしましょう。」というやつです。
――筆者は言いたかった。「え…役割分担のために時間取る必要ってありますか?部長が割り振ってくださいよ。」
さらにひどい時には、会議のための会議が複数生まれてくることになります。なぜなら部長は「○○さんと○○くんで、資料はつくってね。」などという曖昧な指示をしてしまうのです。すると、○○さんが「○○くん、役割分担するために一度2人で打ち合わせしよっか。」筆者は言いたかった。「――今じゃだめなの?」
会議で何を決めるのかを明確にしていないため、まずは何をするかの会議を開催して、さらに役割を分担する会議を開催するのです。
2.1時間単位の会議
人はなぜか会議を入れる時に1時間という区切りを入れてしまいます。1時間で区切ると何が起こるかというと、早く決定がされた時、「あと…何かありましたっけ?」という言葉が出てきます。
筆者は言いたかった。「ないです。お疲れ様でした。」
なぜか私達日本人は、1時間ミッチリ会議をしなければならない――あるいは少しくらいオーバーしなければならないと考えてしまいがちです。10分で終わるなら10分で良いのです。
3.情報共有の会議
社外との打ち合わせではこれが非常に多いです。「一度状況をお伺いしたいので、お伺いさせていただくお時間いただけませんか?」
筆者は言いたかった。「今、電話で伝えてはだめですか――?電話、繋がってます。」
会いに来ると何かが生まれると思っているのかもしれませんが、残念ながら何も生まれません。「対面でなくては失礼」この妙な暗黙の了解が誰かの貴重な時間を奪っているとも知らずに…。
また、定例会議もこれに当てはまります。筆者のいた会社では、週に一回営業マンが数値や進捗を2時間かけて報告する会議がありました。一週間そこそこで大きく進捗なんて変わるはずがありません。
役員や社長は、「仕事している感が出る」のかもしれませんが、数字なんてメールでも報告できますし、まとめるのが面倒であればスプレッドシートなり、なんなりを使えば良いのです。
「仕事している感」を出すために生産性が悪くなっていることにも気づかずに多くの会社ではこの定例会議というものが実行されています。人が発表している数字なんて営業マンが聞いても意味がありません。
「お~○○くん頑張ってるなぁ!俺も頑張ろう!」――これくらいしか思うことはありません。
「ナレッジの共有?」そんなものは別の機会にやります。「間違った方向に事業が進まないように確認?」そんなちまちま進捗確認して軌道修正しなければならないのは、そもそも事業のコンセプトが固まっていないからです。
聞けば米国の先進企業は1年に4回しか会議を行わないそうです。それだけ各自やることが明確で、細かい問題は「会議」ではなく「相談」で解決できるというのです。
何でもかんでもアメリカの企業のマネをするのもよくないかもしれませんが、そのほうが圧倒的に合理的です。
4.議題がない会議
通常、会議をするのですから、何かの議題があるはずです。――しかし、会議をすることに満足感を覚えてしまう人たちは議題のない会議を開催してしまいます。こうなってしまっては、「何のための会議なのか」を見失ってしまいます。
何のための会議なのか誰も分からないと、「前回のおさらい」が始まります。そうると本格的に会議が始まるのは開始から30分経った頃。「もう時間がない!この続きは次回に!」
「さぁ~て、来週のサザ○さんは~?」と言わんばかりに次回予告(スケジュールの確保)が始まる。これでは全然話が進まない。
本来会議とは、何かを決めるために行うもので、そして何かを決めるために各自が準備をしてから臨むものです。「何を決定するのか?」「本当に会議で決めなければならないことなのか?」――もっと考えましょう。
5.不必要な出席
「内容を理解しておいて欲しいから、一緒に会議出てくれ。」「ちょっとあの人苦手なんだよね…代わりに会議出てくれない?」
時々こんなことを上から指示されたりします。
代わりに出てどうにかなる会議なんてはじめから入れないほうがいいですし、何もすることがないのであれば作業をしたほうが効率が上がります。どうせ決定事項なんて10秒の共有で済むのですから――。
会議を効率化する方法7選
さて、それではこんな不要な会議が発生しないために、会社の生産性を上げるためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
1.常識にとらわれないようにする
なんとなく当たり前だと感じていることも、あらためてその目的を意識してみると可笑しいことというのはたくさんあります。
全員揃ってから会議を開催したり、1時間目一杯時間を使ったり、「議事録係」を出席させたりというのは、ただの悪習慣です。
全員揃わなくても会議を始めればいいし、10分で終わるなら10分で終わればいいし、議事録のためだけにわざわざ人を出席させる必要はありません。
変だというところはそのままにせず改革していきましょう。
2.必要ないなら出席しなくてOK!ルールを定める
次に会議の出席をするしないは、個人に任せてみるのも良いかもしれません。例えば、会議で報告するべきことがある場合は出席をするようにして、報告事項がない場合は出席しないようにすれば良いのです。
管理側でこういったルール決めをしなければ、永遠に社員は動きません。日本人は保守的で現状維持が好きな民族です。自らは絶対に動かないのです。
無駄を削減するためには誰かの主体性を当てにしてはいけません。ルールを決めてそれを定着させるのは管理者の仕事です。
3.曖昧さ回避!指示と決定は明確に
これはどの会社にでもいますが、指示が不明確な人がいます。「とりあえず資料つくって」などという依頼は必ず別のタイミングで無駄な時間が生まれてしまいます。
会議のために必要な資料を作成する場合は「○○くんは過去半年間の数字を日別でまとめてグラフにして。○○さんはそれをもとに無効半年の数字を出してエクセルで提出して。」――せめてこれくらい明確な指示を出しましょう。
曖昧な指示はさらに下にまで曖昧な指示を与えてしまいます。すると曖昧な資料ができて曖昧な報告になって曖昧な会議になって…曖昧ループに陥るのです。
4.猿真似は価値がない!他者の事例は参考程度に
「あの大企業ではこんな会議を実施しているらしい!うちでもやろう!」なんて二番煎じは通用しません。
確かに画期的な方法で会議を行う会社もありますが、それはその企業の風土、人材、商材だからうまく行く方法なのです。必ずしも皆さんの会社で同じ方法をやったからといってうまくいくとは限りません。
他者の事例を参考にして改革を行うことは良いことですが、「本当にうちの会社でも機能するのか?」ということを考えてみましょう。要するに、頭を使えということです。
5.「そういえば…」を禁止する
会議中に「そういえば、あれどうなってるの?」と発言する人は非常に多いです。会議中は色々なことを考えるので、その場で思い出すこともあるでしょう。
しかし、それによって話が横道にソレてしまうと、軌道修正するためにまた時間がかかってしまいます。――ですので、「そういえば」は会議が終わるまでグッとこらえて会議が終わってから確認するようにしましょう。
6.時は金なり!時間コストの意識を持つ
Time is money(時は金なり)というのは、ベンジャミン・フランクリンの言葉です。
例えば時給1,000円のAさんが1,000円を使って1時間ゲームをして過ごすと、「ゲームに1,000円払った」実質的な支出があるだけでなく、「1,000円稼げない無駄な時間を過ごした」という損をすることになります。つまり1時間でAさんは2,000円損をしたことになります。
会議もこれと同じです。経営者の皆様は社員の労働に対してお金を支払っています。社員が無駄な会議で時間を潰しても、それに対する対価は支払わなければいけません。さらに、その会議中に本来その社員が生産するはずだったお金まで無駄にしていることになるのです。
例えば時給1,500円の社員を100名集めて1時間会議を行ったとします。すると雇用主である皆さんは会議を開くために150,000円払っているということになります。さらに、会議によって止まってしまった時間で本来稼げたはずの2,000円×100人…200,000円の損をすることになってしまいます。
――この会議は35万円の価値があったでしょうか?
こういった時間に対するコストの意識を持つだけで無駄な会議というのは激減します。よく、軽費削減などと言って社員の時間は好き放題使えると考えている管理者がいますが、時間はお金よりも貴重なものなのです。これは自分で事業を行うものなら重々わかっているはずなのですが…。
7.決定事項は文書に残す
適当な会社で行われている会議では、「え?そんなこと言ったっけ?」――などと前回の会議がなかったものになってしまうことが屡々あります。これではいかに効率的な会議を行っても後からその努力を覆されてしまいます。
これを回避するために、会議の最後に「今回決定したことは○○と○○です。」ということを社内の関係者に共有するようにしましょう。これで会議に参加しなかった人でも内容を把握することができますし、さらにリマインドにもなります。――また、安易な発言はなくなることでしょう。
まとめ
会議を効率化するためにはとにかく「本当に必要なのか?」ということを疑い、「会議にはコストがかかっている」ということを改めて認識することが大切です。
今回紹介した方法はほんの一部だと思います。皆さんの会社でも無駄な会議が設定されていないか考えてみてください!
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