部下のモチベーションを上げるモチベーション理論!デキる管理職のマネジメント術

部下のモチベーションを上げるモチベーション理論!デキる管理職のマネジメント術

目次

  1. そもそもなぜやる気がないのか?
  2. 部下のモチベーションを引き出すためのヒント
    1. マズローの5段階欲求説から学ぶやる気の出し方
    2. ハーズバーグの二要因理論に学ぶやる気の出し方
    3. コンピテンシー理論から学ぶ評価制度
  3. 部下のモチベーションを上げるための助成金がある

1970年代「モーレツ社員」「企業戦士」と呼ばれた会社のためにその生命すら差し出そうかという社員がもてはやされた時代から約50年が経とうとしています。
現代の企業では、「部下のモチベーションが上がらない」と頭を抱える上司も少なくないようです。しかし、周りを見渡してみると、部下のやる気をうまく引き出している管理職もいますよね?

しかし、「あの子はもともとやる気のある子なんだろう…。」「なんでうちの部下だけこんなに…。」なんて思ってはいけません。なぜなら部下のモチベーションを上げて組織全体のパフォーマンスを上げることも立派な管理職の仕事だからです。
では、その部下のモチベーションを上げるためにはどうすればよいのでしょうか?以下では、経営学でも有名なモチベーション理論をいくつかご紹介しながらより実践的な方法を解説していきたいと思います。

そもそもなぜやる気がないのか?

やる気のない若い部下を見ると、「俺が若い頃はもっと…」とどうしても言いたくなってしまいますが、今と昔では状況が全然違います。
日本が世界の市場を独占しようかとしていたバブル期には、「終身雇用」「年功序列」「企業別労働組合」という日本の経営の3本柱と呼ばれるものがありました。
この頃の日本というのは、大学卒業、あるいは高校卒業後の就職活動こそが絶対で、転職ということはほとんど考えられなかった時代です。
なぜなら、どんなに失敗をしても会社とは、私達労働者の生活を守る存在だったのです。もちろん、そのかわりに過重労働をすることもありました。しかし、それに見合った報酬が支払わられていたのです。

しかし、不況の煽りを受けて相次ぐ社員のリストラ、ブラック企業の蔓延、セクハラやパワハラ問題というものをインターネットを通して(あるいは自らが体験することによって)見てきた今の若い世代にとっては会社とは自分たちの生活を脅かす敵として捉えられています。敵のためにわざわざ身を粉にして働こうと考える人はそうそういません。
また、現在はモノが充足している時代でもあります。ある程度収入が低くてもそれなりに幸せな人生を送ることができる時代です。そのため、苦労してまで大金を稼いで良い生活を手に入れようと考える人が少ないということも原因として考えられます。

部下のモチベーションを引き出すためのヒント

さて、そんなやる気のない若い部下にやる気を出してもらうためには、どのようにすれば良いのでしょうか?以下では、科学的経営管理法を皮切りに始まったモチベーション理論というものをいくつか紹介しながら、具体的な実践の方法について解説していきたいと思います。

マズローの5段階欲求説から学ぶやる気の出し方

文系の大学を出ているのであれば一度は聞いたことがあるであろうマズローの5段階欲求説は、発表されて以来今もなお多くの経営学の研究のベースとなっているモチベーション理論のスタンダードです。

マズローは人間の欲求は低次欲求と高次欲求に分かれており、5つの段階を経て最終的には自己実現欲求という際限のない欲求にたどり着くことを導き出しました。
マズローの5段階欲求

それぞれの欲求について細かく解説すると以下の通りです。

  • 生理的欲求・・・「寝たい」「食べたい」など、生きていく上で最低限の欲求。
  • 安全欲求・・・「安全な家に暮らしたい」「健康でいたい」などの、安全を確保しようとする欲求。
  • 社会的欲求・・・「友達が欲しい」「組織の一員でありたい」といった、孤独感を解消しようとする欲求。帰属欲求とも言われる。
  • 承認欲求・・・「尊敬されたい」「誰かに認められたい」という欲求。ある程度富を得ると名声や評判を欲するようです。
  • 自己実現欲求・・・「完璧な人間になりたい」という欲求。自分の能力を最大限発揮したいと考える。

例えば、空腹でのたれ死にそうな生理的欲求が満たされていない状態で、「友達が欲しい」という社会的な欲求は生まれてきませんよね?
このように、欲求は段階を経ていくという至ってシンプルな説を提唱したのがマズローです。

部下の状況を見て欲求を満たす

例えば、給与が低くてたくさん食べたいのに食べれない部下がいたとします。このような部下は、給与アップというインセンティブを与えてあげる必要があります。一方で、ある程度給与が高くてプライベートまで充実している部下がいたとします。このような部下は承認欲求を持っている可能性が高いため、出世というインセンティブを与えてあげる必要があります。

ここで大切なことは、「ここまでやれば、欲求が満たされる」ということを具体的に示してあげることです。「頑張ってくれたら給与アップを約束しよう!」という曖昧なものではなく、「今月中に3件契約を取ってくれば、毎月5,000円の給与アップを約束しよう」という明確なゴールを設定してあげることです。

また、その目標は達成可能なものでなくてはなりません。皆さんは、「100万円あげるから司法書士の資格を1年以内にとれ」と言われてやろうと思いますか?東大合格より難関だと言われる司法書士の資格をたった100万円で!?と思うはずです。人は自分の苦労に見合う対価というものがなければ頑張ろうということはしないのです。

ハーズバーグの二要因理論に学ぶやる気の出し方

特に社会学の分野ではこのハーズバーグの二要因理論というものがよく出てきますね。
ハーズバーグはマズローの5段階欲求説を受けて、経営学に近づけてより実践的な理論を提唱しました。この理論の内容とは、従業員のモチベーションは「仕事の内容からもたらされる満足感」と「仕事の環境からもたらされる不満」の2つから決まるというものです。

例えば、「給与が低い」「職場の人間関係が悪い」といったことは、職場環境に対する不満です。当然これらの不満があればやる気も低下してしまいます。一方で、「達成すること」や「責任」といった仕事そのものに対して満たされる欲求によってもやる気が出ることをハーズバーグが導き出しました。

この職場環境の不満(低次な欲求)のことを「衛生要因」、満足感(高次な欲求)のことを「動機づけ要因」と名付け、衛生要因を解消して、動機づけ要因を増やすことで従業員のモチベーションを引き出すことができるというのです。

要は、やる気を削ぐ要因を解消して、やる気が出る要因を助長することが効果的なマネジメントの方法なのです。マイナスな要因の中には、「給与の低さ」「職場の人間関係」「作業条件(照明の明るさなど)」「管理方法」などが挙げられ、逆にプラス方向に働く要因には「やりがい」「昇進」「承認されること」などが挙げられます。

例えば、どれだけやりがいを感じていても、給与が極端に低かったり、残業が多いとやる気がなくなってしまいますし、どれだけ仲の良い職場で仕事をしていても、自分の本当にやりたい仕事でなかった場合は虚しさを感じてしまうでしょう。そのため、この両軸のバランスをとって上げることでモチベーションをアップさせようというのです。

不満を解消し、動機づけを増やす

二要因理論の応用
この研究も1959年のものなので、現代人の思考は変化しているかもしれませんが、おおまかに上記図のような衛生要因(青)と動機づけ要因(緑)があると言われています。
従業員にとって最悪な状態とは、仕事のやりがいもなければ給与も低く、職場の環境も劣悪という環境です。ブラック企業と言われる会社の中には、仕事のやりがいや責任というものを押し付けて安い給与で雇用するという会社もありますが、ハーズバーグの二要因理論の基づけばある意味で効果的な経営手法の一つともとれるかもしれません。

しかし、動機づけ要因とは労働者が自発的に感じるべきものであり、洗脳による押し付けでどうにかなるものではない(というよりしてはいけない)ことですので、悪用はしないようにしましょう。

とにかく、部下の不満を解消してあげて、動機づけ要因を与えることによって、何かしらの活路が見いだせるかもしれません。
ただ、直接「不満はあるか?」ということを聞いても建前社会の日本では「不満は無いです」という返答がくるだけです。部下の同僚から聞き出すなど、本音を聞き出す方法についてはよく考えてみると良いでしょう。

コンピテンシー理論から学ぶ評価制度

コア・コンピタンスという言葉は企業競争でもよく使われますが、デイビッド・C・マクレランドは、「どのように行動すれば高い実績を得ることができるか」ということを「コンピテンシー」として、コンピテンシーによって人事評価を行うべきだということを提唱しました。

マクレランドは、技術やスキルがあるだけでは成果には結びつかないという点に着目して、コンピテンシーのレベルと技術によって評価を決めるべきだということを発表したのです。
コンピテンシーのレベルは、以下のように分けられています。

  • 問題行動(言われたことをこなす。評価対象ではない)
  • 受動行動(その状況になれば誰でもそうするだろうとされる行動。当然のことができるという評価になる)
  • 能動行動(状況に応じた最善策を取ることができる。意図によっては評価の対象となる)
  • 創造行動(ユニークなアイデアで、高い評価の対象となる)
  • 変革行動(問題を解決することができて、利益をもたらすことができる行動。ビジネスとして展開することができる)

未来の成果に対する評価を行う

マクレランドの理論から学ぶことができるのは、部下の未来の成果に対する評価をしなければならないということです。
非常に複雑ですが、先程解説したハーズバーグの二要因理論と重ねて考えると、本来部下が変革行動を起こせるはずにも関わらず、結果を出していないからといって低い評価を与えてしまっては、モチベーションを失ってしまい、組織にとっての利益とならない可能性があります。

つまり、「この部下は、こういうことができて、こういう利益をもたらしてくれるはずだ」というビクター・H・ブルーム期待理論にも共通した評価制度が理想ということにもなります。

部下のモチベーションを上げるための助成金がある

仕事を通してキャリアアップすることができたり、学ぶことが多ければモチベーションにつながることは、上記で紹介してきた理論からも明白です。
こういった労働者のスキルアップは、国が返済不要の助成金で支援してくれることがあります。

今どのような助成金があるのか、皆さんの会社ではどれくらいの助成金が受給できるのかということを以下のサイトから調べることができますので、是非一度チェックしてみてください!

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