社員のモチベーションを高めて生産性を上げる最新の経営術
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特に若い世代によく見られる仕事に対するモチベーションの低下は著しく、最近は社員のモチベーションを上げるために社員教育を外注するという、よく分からない構図が出来上がりつつあります。
しかし、現在は便利な世の中になっており、無料で楽しめる娯楽も多く、ハングリー精神を持った若者が少ないことは確かです。
また、少子化が叫ばれる中で電子機器も進化を続けており、従業員一人ひとりの業務量というのは昔に比べて圧倒的に多く、長らく続く不景気から若者の労働に対する意欲が削がれてしまう理由についても頷けます。
しかし、会社としても正社員として雇用しているからには、社員を教育してモチベーションを上げる必要があります。ということで、今回は、モチベーションが低い社員のモチベーションを上げる方法についてご紹介していきたいと思います。
モチベーションとは何か
そもそもですが、モチベーションとは何のことなのでしょうか?モチベーションとは和製英語ではなく、英語のmotivationと同じ意味を持っています。和訳すると「動機づけ」のことです。
多くの人は、何かしらの目的を持って労働をしています。皆さんも、なぜ仕事をしているのかと聞かれると建前では「今の仕事にはやりがいがあって云々…」と仰るかたもいらっしゃるかもしれませんが、多くの場合本音では「生活費を稼ぐため」だと思います。余談ですが、この仕事に対する動機づけを意味のない志望動機などによって捻じ曲げて捉えてしまっていたりする方もいらっしゃるようで、働き初めてから「何のために仕事をしているか分からない」といった若者が非常に多いような気がします。
本題に戻りますが、労働者のモチベーションに関する研究は、テイラーの科学的管理法を皮切りに1900年代から様々な研究がされてきました。
この記事では、いくつかのモチベーション理論についてご紹介していきたいと思います。
モチベーションには2種類ある!ハーズバーグの二要因理論
モチベーションに関する研究は社会学や経営学の分野で活発にされておりますが、科学的管理法の研究分野では、モチベーションには2種類あると考えられています。
このモチベーションに関する理論は、ハーズバーグの二要因理論と呼ばれるもので、ハーズバーグは満足と不満足の2つの要因が強く関わっていると指摘しました。
どういうことかというと、マイナス方向に動く要因とプラス方向に動く要因の2つのモチベーションによって人はやる気を出したり出さなかったりするというのです。
例えば、プラスの要因としては、「能力が身につく」というものがあります。仕事をする上で能力が身につくことがなくても、ある程度の給与があれば働く動機となりますが、自分の将来を見据えて能力が身につくのであればある程度のことは我慢できます。マイナスの要因としては、給与が当てはまります。人間は強欲ですから、給与はいくらあってもモチベーションがプラスに働くことはありませんが、自分が考えているよりも給与が低いとモチベーションの低下に繋がります。
マイナスの要因には、モチベーションの研究では必ず出てくるマズローの5段階欲求の低次な欲求(「安全」「健康」「対人関係」)を指します。一方で、高次な欲求(「達成すること」「承認されること」「昇進」など)はプラスの要因として働きます。
経営者は、労働者が持つこの欲求をバランスよく満たしてあげる必要があります。例えば不満足が原因でモチベーションが低下している社員には、給与アップや異動によって対人関係や安全、健康といった課題を解決できる状態をつくってあげる必要があります。一方で、不満足はないが、満足感が足りていない社員に対しては、「ここまで頑張れば昇進を約束する」といったような承認欲求を満たしてあげることが必要になります。
目標設定理論の基づく経営術で社員のモチベーションを引き出そう!
この科学的管理法に関する比較的新しい研究で、現代でも評価されている経営管理法にはエドウィン・ロックとゲイリー・レイサムが提唱した目標設定理論というものがあります。
目標設定理論とは簡単に言えば、「ゴールが見えないと、やる気も出ないしその達成度合いに応じて評価がないと意味がないよね」というものです。
例えば、あまりに簡単なゲームもやっていてつまらないし、あまりに難しすぎるゲームも途中で投げ出してしまいます。それなりに難しくて頑張れば達成できるということが見えてこなければ、その目標を達成しようというモチベーションは出てこないですよね?
仕事でも同様で、あまりに達成が難しい目標を設定されてしまうと、「日々の業務に追われているのに新規顧客を15件も獲得しろだなんて無理だ!」という不満が生まれてきます。一方で、「これくらいの目標でいいよ」といえば、当然サボる社員も出てきます。
経営者は、従業員が多くなれば全社員の状況を把握することは難しいですが、このような目標に対するバランスを保ち、社員のモチベーションを維持してあげることが重要なのです。
テイラーの科学的管理法とマクレガーのX理論・Y理論
そもそも従業員のマニュアル化、生産性の向上という視点を初めて研究したのは、テイラーの科学的管理法です。作業工程の「見える化」「マニュアル化」というのは、テイラーの実験から導き出されたものなのです。
この管理方法は、日本の企業が現在も積極的に取り入れている方法ですが、テイラーの科学的管理法はあくまで「ブルーカラー」と呼ばれる肉体労働者における実験でした。
日本の生産性が云々ということがニュースになっているのは、この科学的管理法神話が未だに蔓延っているためかもしれませんね。
テイラーの科学的管理法は人間をロボットかのように扱っていると徐々に否定説が出てきます。そんな中で人間的な側面に注目したのが、マクレガーのX理論・Y理論です。
マグレガーは労働者は「仕事嫌いで怠け者なX部分」と、「自己実現をしたいというY部分」を持っていると考え、これらの部分をアメとムチを使い分けてモチベーションをコントロールするべきだと提唱しました。
マグレガーによれば、企業として目指す目標と、各労働者が目指す方向性が一致していないと、組織はうまく機能しないとも言っており、この考え方は多くの企業でも取り入れられています。
結局どの理論が正しいの?
さて、ここまで4つのモチベーション理論についてご紹介してきましたが、結局どれが正しいのでしょうか?筆者は答えとして、「企業の置かれている環境や、従業員の心理状態によって最適解は異なる」としか言うことができません。
上記でご紹介してきた理論は、あくまで「モチベーションをあげるためのヒント」です。経営者として社員のモチベーションを上げたい、生産性を上げたいと考えているのであれば、まずは社員と本気で向き合ってみましょう。
- どこに不満があるのか?
- 目標を持っているのか?
- 会社として与えた目標は達成できるのか?無理はさせていないか?
これらの社員の状況を汲み取って、解消できる環境を整備することで、必ず活気を取り戻すはずです。
従業員のキャリアアップには助成金が出る!
セミナーや研修を受けさせることは、従業員にとっても会社にとってもプラスになることです。
しかし、外部のセミナーを受けさせたりすると経費が増えてしまう…。と考えている方に朗報です。
2018年度の助成金には、キャリアアップ助成金というものがあり、有期契約社員の無期契約転換やセミナーを国が助成してくれるのです。
このような助成金は、複数種類があります。そのような助成金を弊社ではご案内させていただいております。
また、現時点でいくら助成金がもらえるかを診断できるページをご用意しておりますので、是非活用してみて、従業員のモチベーションアップに役立ててみてください!
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