外国人観光客がよく利用するQR決済とは?何から対応するべき?

外国人観光客がよく利用するQR決済とは?何から対応するべき?

目次

  1. 国も違えばサービスも異なる
    1. AliPay(中国)
    2. WeChatPay(中国)
    3. Chase Pay(アメリカ)
    4. Venmo(アメリカ)
    5. Lydia(フランス)
    6. Yoyo Wallet(イギリス)
    7. paytm(インド)
  2. どのアプリも若者を中心に広がっている

日本でも徐々に普及しているQR決済。実は日本はキャッシュレス後進国であることをご存じでしたでしょうか? 海外ではQR決済を始めとするキャッシュレス対応は50%程度進んでいるといわれており、その中でも特に普及が進んでいる中国や韓国は80%近く進展しているといわれています。

一方の日本では僅か20%程度しか進展していません。訪日外国人は「日本では現金でしか支払いができなくて不便だ」と感じているかもしれません。事業主の皆さんとしても、「現金でしか支払えないから」という理由で訪日観光客を取り逃すなどというのはあまりにも持った得ない話だと思われることでしょう。

何れにせよQR決済を含むキャッシュレス対応というのは進めていかなくてはならないことなのですが、一口にQR決済といっても様々なサービスがあります。——では、訪日観光客向けにはどの決済サービスを導入すれば良いのでしょうか。

国も違えばサービスも異なる

当たり前の話ですが、国が違えばその人が利用するサービスは異なります。AmazonやApple、Googleのようにグローバル企業の製品やサービスは全世界で広く利用されていますが、QR決済は今のところ「世界ナンバーワンといえばこのサービス」というものが存在しません。

例えば、欧米諸国ではメッセージアプリとして「WhatsApp」というものが使用されていますが、日本では「LINE」が主流です。中国では「WeChat」というサービスが圧倒的なシェアを占めていますね。QR決済は今のところ、チャットアプリのようにそれぞれの国に応じてサービスが分かれています。ということで、今回は様々な国の人たちがどのようなQR決済を利用しているのかということをご紹介していきたいと思います。

AliPay(中国)

AliPay(アリペイ)は中国のアリババグループが提供するQR決済サービスです。中国人の生活をまるごと変えてしまったといわれるくらいに広く普及したこのサービスは、スマートフォンを持っている中国人ならまず間違いなく利用していると考えて間違いないでしょう。

日本でもインバウンド対策として複数の店舗がすでに導入を始めており、着実に加盟店を増やしています。AliPayは日本のQR決済サービスOrigami Payを導入することでも対応することが可能です。

WeChatPay(中国)

WeChatは中国版のLINEのようなものだと考えれば良いです。およそ10億人がダウンロードをしているメッセージアプリに搭載されているこのQR決済サービスは、WeChatユーザーの半分が利用しているといわれています。——10億人の半分ということは5億人が利用しているということですね。このスケールの大きさはさすが中国といったところでしょうか。

Chase Pay(アメリカ)

アメリカ人がよく利用しているChase Payは、アメリカの小売店大手のベストバイやウォルマートで利用可能なQR決済です。このため、多くのアメリカ人がこの決済方法を利用しています。

私たち日本人に置き換えると、コンビニやスーパーを利用する人たちがよく利用する決済方法だと考えてみましょう。

Venmo(アメリカ)

Venmoはアメリカの若者達の間で流行している個人送金アプリです。例えば飲食店で友人と食事をした後に割り勘したり、共同生活を送る友人と家賃の割り勘をしたり……そんな場合に利用されているアプリです。

このため、若者向けのサービスを提供している場合にはVenmoがあると若者は喜んでくれるかもしれませんね。

Lydia(フランス)

LydiaはアメリカのVenmoと同様に個人送金のためのアプリでしたが、現在ではインターネット通販の支払いやQRコード決済など、様々な用途で利用されているアプリです。アクティブユーザーは100万人と、中国のQR決済に比べれば数字的なインパクトには欠けますが、着実にアクティブユーザー数を伸ばしているため、フランス人観光客向けにサービスを考えるならLydiaを導入しておくと良いでしょう。

Yoyo Wallet(イギリス)

英国発のYoyo Walletはヨーロッパ圏だけでなくアジア圏にも積極的に展開を進める決済アプリです。このため今後のユーザー数増加が期待されています。場合によってはYoyo Walletが世界規格となることもあるかもしれません。

もちろん日本でも市場展開を狙っており、モバイル決済市場の20%を獲得することを目標にしているそうです。

paytm(インド)

paytmは3億人を越えるインド人が利用しているモバイル決済サービスです。このアプリによって航空券やタクシーの予約、光熱費の支払い等が行われており、中国のAliPayと同じくインド人の生活を変えようという勢いで市場展開が進展しているモバイルアプリです。

インド人をターゲットにする場合はpaytmを入れておけば間違いないでしょう。

どのアプリも若者を中心に広がっている

ここまで紹介してきたアプリに一つ共通点があるとすれば、どの決済方法も若者を中心に広がっているということです。中国は例外的に全世代でQR決済が広がっていますが、それ以外の国では比較的年齢層が高めの人たちはクレジットカードやデビットカードなどによる決済を行っていることが多いです。

逆に言えば、年齢層が高めの人に対してサービスを提供するのであればQR決済を急がなくても良いかもしれませんが、若い世代をターゲットにしている場合は何かしらのモバイル決済対応を進めたほうが良いでしょう。

また、ここで紹介した決済アプリ以外にも様々なアプリも存在しますので、「どの層をターゲットにするのか」ということを今一度考えた上で、優先順位をつけて導入していってみてはいかがでしょうか?

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