テナントの電気代を大家が上乗せするのは違法なのか?

テナントの電気代を大家が上乗せするのは違法なのか?

目次

  1. 大家が上乗せする電気代
  2. 高圧受電のほうが電気代は安いが…
  3. 上乗せは違法なのか?
  4. お互いの折り合いがつくラインで
  5. まとめ

テナントビルに入居していると電気代は電力会社ではなく大家さんや管理会社に支払うというケースもあります。電気を個別契約できるビルから移転してきた場合「電気代が急に跳ね上がった!」と、驚くことも少なくありません。

いったいなぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。また、大家さんから不当と思われるような電気料金を請求されたらどうすれば良いのかなど、詳しく解説します。

大家が上乗せする電気代

大家さんから電気代の請求が届くテナントビルは、ビル単位で高圧受電をしていると考えられます。高圧受電は変電所を使わずに自前の装置で電圧を下げるため、電気料金を安くすることが可能です。

電気料金の単価が安い高圧受電のはずなのに、大家さんからの電気料金の請求を見て「高い!」と、驚く人も少なくありません。これは、大家さんが上乗せをしているからです。いったいこの上乗せした料金は何に使われているのでしょうか。

高圧受電のほうが電気代は安いが…

高圧電力の電気料金単価は夏でも17円程度です。これは、他のプランと比較してもリーズナブルといえるでしょう。小規模店舗向けの電力プランはもちろんのこと、事業者にとって一番お手頃な低圧電力タイプの動力プランでも、単価は30円前後になってしまうこともめずらしくありません。本来ならば安いはずの高圧電力なのに、大家さんから高額請求が届いてしまうのはなぜなのでしょうか。

たとえば、高圧受電をするためにはキュービクルと呼ばれる変圧器が欠かせないのも理由のひとつといえます。キュービクルの設置には初期費用として数百万、毎月の維持費に数万円がかかります。さらに、100万円近くする部品を交換しなければいけないこともあるのです。こういった諸経費の上乗せは仕方ないとしても、明らかにそれ以上プラスされていることも……。いったいこれは法律にのっとった行為なのでしょうか。

上乗せは違法なのか?

テナントビルの電気料金をめぐる裁判が各地で相次いでいます。争点となるのはやはり「上乗せは違法なのか?」というところです。先頃の東京地裁では「上乗せを商慣習とするのは認められない」、札幌高裁でも「実費以上の電気料金を請求するのは違法」との判決が下されています。

これまでは半ば慣習として行われてきた上乗せですが、はっきりと違法であるという判決が下されたわけです。今後は使用状況に応じた正しい料金が請求されるようになると良いのですが、周知されるには時間がかかるかもしれません。

お互いの折り合いがつくラインで

高圧受電の一番のメリットは、とにかく電気料金の単価が安いという点です。とくに電気使用量が多いほど、リーズナブルであることを実感できるはずなのですが、大家さんの上乗せによって台無しになっていることも少なくありません。

一方、キュービクルのメンテナンスに膨大な費用がかかるのも事実です。テナントが使った分の電気料金しか支払わないならば、大家さんは赤字になってしまうでしょう。大家さんにもテナントもお互いに得をするWin-Winの料金設定が必ずあるはずです。まずは、お互いの折り合いがつきそうなラインを話し合ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

電気代は毎月必ずかかる経費なだけに、できるだけ節約したいと考えているテナントも多いでしょう。もし、大家さんから法外な上乗せをされているようならば、一度きちんと話し合ってみてはいかがでしょうか。もちろん、訴訟という方法もありますが、あくまでも最終手段です。まずは、本来ならばいくらぐらいの電気料金が妥当なのか、電力会社の公式サイトに掲載されている単価、キュービクルのメンテナンス費用の目安などを参考に試算してみてはいかがでしょうか。

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