電力会社が倒産したら電気が使えなくなるの?

電力会社が倒産したら電気が使えなくなるの?

目次

  1. 電力会社が破産してもすぐに電力が止まるわけではない
  2. なぜ電力を供給することができるのか
  3. 発電会社が破産することはあるの?
  4. 電力の供給がストップしないわけではない
  5. まとめ

2018年7月、被災地発の電力会社として注目を集めていた福島電力が債権者から破産を申し立てられ、福島地裁から保全管理命令を受けました。
――つまり、電力会社が破産したわけです。

電力小売りの完全自由化がされてから2年、新電力会社のシェアは未だ10%未満にとどまっていますが、電力会社としても様々なおトクな料金プランを出し続けています。
これから電力会社を切り替えようと考えていた方にとって、先のニュースは大きな衝撃だったと思います。

しかし、この電力会社が破産したことによって、契約者はどうなってしまったのでしょうか?あるいは、これからどうなっていくのでしょうか?

電力会社が破産してもすぐに電力が止まるわけではない

結論から先に申し上げると、電力会社がなんらかの理由で破産あるいは倒産した場合、ただちに需要家である読者の皆様の家庭で電気が使えなくなるようなことはありません。

福島電力は、保全管理命令が出された時点で7万件の契約を持っており、このニュースが広がるとともにすぐさま電力会社を乗り換えた方々もいらっしゃるようですが、一部はまだ新しく電力会社と契約できていない状況にあります。

しかし、急に電気が使えなくなっては困るだろうということで、一般電気事業者(東京電力や東北電力)が電気の供給を続けている状況だそうです。

――つまり、ニュースをキャッチしてから電力会社と新たに契約すれば電力の供給が止まることは基本的にはないということですね。

なぜ電力を供給することができるのか

――ここで皆さんが疑問に思われたのは、「違う電力会社と契約してるのに、どうやって電気供給するの?」ということではないでしょうか。

実は、一般的に「電力会社」と呼ばれている会社というのは、3種類存在します。

ひとつは、福島電力やエネオスでんきのような電力小売を行う事業者。
電力小売事業者は、「発電所で発電された電気を仕入れて、皆さんの家庭に売る」役割を果たしています。イメージとしてはスーパーマーケットや百貨店ですね。

もうひとつは、発電会社。
発電会社は電力をつくっている会社になります。燃料を調達して、小売会社から求められただけ電力を発電しています。イメージとしては、メーカーや農家のような感じ。

そして最後が、送電会社。
送電会社は、発電会社で作られた電気を小売会社から言われた場所まで電気を届ける役割を持っています。イメージとしては、問屋さんや運送会社ですね。

電力自由化前は、これら3社分の役割を全て一般電気事業者と呼ばれる関電や東電グループが行っていました。

電力自由化によって変わったのは、小売のセクションだけで、送電は未だに東京電力や関西電力が持っている設備を利用しているような状況なのです。

発電会社がストップしてしまえば、電力の供給が止まったりしますし、送電会社(東電や関電)が倒産すれば、そのエリア一帯の電力が止まることになりますが、今回破産したのは小売会社であるため、なんとでもなるというわけです。

発電会社が破産することはあるの?

では、発電を担うセクションが破産した場合はどうなるのでしょうか?この場合でも、発電会社同士が結んでいるバックアップ契約によって、電力供給が止まることはありません。

ひとつの発電所がダウンしても、他の発電所が稼働してそこから電力を分けてもらうことができるのです。

これは電力の自由化が急激に推し進められた一つの理由でもあります。東日本大震災を受けて、電力が供給されることであらゆる機関がストップしてしまうことを避けるため、何らかの事態によって発電所がダウンしても安定的に電力が供給できる体制が整っているわけです。

電力の供給がストップしないわけではない

ただし、確実に電力がストップしないわけではなく、どうしようもない状況というのはあります。

先日の近畿地方を襲った大型台風や北海道の地震では、「電気が使えない」という状況に陥っていました。
これは、関西電力や北海道電力が持っている送電網が災害によって故障してしまったことによって電力がストップしていたものだと考えられます。

例えば、トマトを皆さんの家庭に届けるために、農家がトマトをつくって、運送会社が八百屋さんまで運んで、八百屋さんがトマトを陳列して初めて皆さんの手に渡ります。
八百屋さんがいかに黒字経営していても、農家でトマトをつくっていても、運送会社がダウンしてしまえばトマトは店に並ぶことはありません。

電力も同じで、送電網がなくなるということは、道路がなくなるようなものですので、皆さんの家庭に電気を届けようにも届けられなくなってしまうのです。

現在送電網を持っているのは一般電気事業者だけですので、一般電気事業者が破産して送電網のメンテナンスができなくなったりすると電気の供給は止まってしまうことになります。

まとめ

電力会社を乗り換えたからといって、電気の供給が止まることはありません。
そのため、皆さんとしては安心して電力会社を乗り換えても問題はありません。

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